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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

アルバムリリースのタイミングでSixTONESとSnow Manがデジタル解禁するか、注目する

STARTO ENTERTAINMENTから2020年に同時フィジカルデビューを果たしたSixTONESSnow Manが、来年1月に相次いでアルバムをリリースします。そしてそのタイミングで、彼らが本格的に”デジタルに放つ”のではと感じています。

 

 

Snow Manは初のベストアルバムを1月22日にリリースすることを11月30日にアナウンス。今週ビルボードジャパンによる2024年度年間チャートが発表されますが、2024年度の週間フィジカルセールスにおいてシングル、アルバムの双方で初週ミリオンを達成したのはSnow Manのみであることから、今回のベストアルバムも大ヒットすることは確実といえます。

一方でSixTONESは来年1月15日にオリジナルアルバム『GOLD』をリリースするのですが、収録曲を記したパズルの残り4ピースが昨日、楽曲提供した歌手側によって発信。そのひとつがリンキン・パークのドラマー、コリン・ブリテン発であり(SNSのストーリー機能に掲載)、コリンもしくはリンキン・パークとして提供するものとみられています。

 

この2組は同時フィジカルデビューを果たした1年半前、”ジャニーズをデジタルに放つ新世代。”というキャッチコピーが掲げられYouTubeアーティストプロモーションに抜擢。一方、現時点でデジタルリリースされているのはSnow Man「One」1曲のみとなっています。STARTO ENTERTAINMENTでは今年、2組の後にフィジカルデビューを果たしたなにわ男子等複数の歌手がデジタルを解禁している状況です。

ただ、唯一のデジタル解禁曲である「One」はSnow Manのベストアルバム全形態に収められていることから、King & Princeがベストアルバム収録曲から解禁を開始したように、Snow Manも「One」を収録したベスト盤からデジタル化を始めるのではという予感がします。

 

そしてSixTONESのオリジナルアルバムにはリンキン・パークが参加。一方ではごく一部を除きサブスク未解禁を貫くマキシマム ザ ホルモンも参加してはいるのですが、コリン・ブリテン、およびボーカルのエミリー・アームストロングを新たに迎えて制作した『From Zero』が11月30日付米ビルボードアルバムチャートで2位に初登場を果たしたこと、またその記録の内容から、デジタルへの期待感が高まるのではと感じています。

続いて今週2位にはリンキン・パークの新作『フロム・ゼロ』が初登場。初動ユニットは97,000で、その内訳はセールスが72,000(セールス・チャートでも2位に初登場)、ストリーミングが24,000(週間ストリーミングは3,218万回でストリーミング・チャートでは17位に初登場)、トラックによるユニットは1,000をそれぞれ記録した。

リンキン・パーク『From Zero』において特筆すべきはストリーミングの強さ。米ビルボードアルバムチャートはデジタル/フィジカルセールス、単曲ダウンロードのアルバム換算分(TEA)、および動画再生を含むストリーミングのアルバム換算分(SEA)で構成され、SEAがロングヒットの要となります。ロックジャンルはこのSEAで強くない傾向にあるのですが、『From Zero』はSEAが24,000という好記録をマークしています。

ビルボードアルバムチャートはSEAの強い作品が初登場した際、アルバム収録曲が米ソングチャートでも上位に進出します(次週12月7日付米ビルボードソングチャートにてケンドリック・ラマー『GNX』収録曲がトップ10内に7曲初登場すると予想されています)。このソングチャートと集計方法を同一とするホットハードロックソングチャートでは、リンキン・パーク『From Zero』収録曲がトップ10を独占しているのです。

アルバムリリースから1週間における世界でのSpotifyの動向をみても、『From Zero』が多く聴かれていることが解ります(先行曲は先行配信時以降の再生回数が表示)。リンキン・パークにはストリーミング聴取者が多く、また歌手のファンではないが曲が気になるというライト層も多いと考えられることから、そのリンキン・パーク側が楽曲提供したSixTONES世界の音楽ファンが興味を抱くのは自然なことではないでしょうか。

 

 

Snow ManSixTONESは共に一昨日放送の『ベストアーティスト2024』に出演。この番組には先週水曜にデジタルを解禁したHey! Say! JUMPも出演しましたが、番組出演後のポストにおいてHey! Say! JUMPは、披露曲の各デジタルプラットフォーム遷移先をまとめたリンクを添付しています。これにより、ライト層そしてコアファンが気軽にデジタルに移動できるようになるのです。

 

ビルボードジャパンソングチャートではフィジカルセールスに強くともデジタル、特に接触指標群が強くなければロングヒットは難しく、今週金曜に発表される年間チャートでSTARTO ENTERTAINMENT所属歌手作品の100位以内ランクインはごくわずかと思われます。ただ、フィジカルセールスに強い歌手がデジタルにも強くなれば、ビルボードジャパンのみならずグローバルでも存在感を示せるようになるのではないでしょうか。

特にSnow ManYouTubeに強い歌手ですが、ソングチャートで最大のポイント獲得源且つロングヒットの要であるストリーミングは、同じ接触指標である動画再生と順位が比例する傾向にあることから、デジタルを解禁しコアファンやライト層がチェックする習慣が身につけばチャート上での存在感が高まるでしょう。ライト層の増加、コアファンへの昇華が期待でき、そして2025年の音楽チャートはさらに興味深くなるはずです。