最新11月22日公開分ビルボードジャパンソングチャート(集計期間:11月13~19日)ではAdo「唱」が4週連続、通算8週目の首位を獲得しました。
【ビルボード】Ado「唱」が通算8度目の総合首位、【#BBMAs】出演のStray Kidsがトップ10にジャンプアップ https://t.co/XK2ijxjaGE
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2023年11月22日
Ado「唱」はポイント前週比が89.2%となり、ハロウィーン後の減退が小さくないといえます。それでもストリーミングが未だ週間1200万回を超えているのは立派といえます。
ストリーミングヒット曲における総合ポイントの減少は、ストリーミング再生回数におけるSpotifyの割合が高まることにもつながるという傾向があります。Ado「唱」の再生回数におけるSpotifyの割合はこの3週で18.3→19.0→19.7%と拡大。次週以降のもこの状況が続けば、ポイントの減り幅は引き続き大きく推移するかもしれません。
さて、前週木曜のエントリーでは、11月15日公開分のビルボードジャパンソングチャートでトップ10内に初登場、もしくは再登場を果たした4曲について取り上げました。
【ビルボードジャパンCHART insight 最新週トピック】
— Kei (ブログ【イマオト】/ラジオ/ポッドキャスター) (@Kei_radio) 2023年11月15日
最新11月15日公開分ビルボードジャパンソングチャート、当週トップ10内初(再)登場曲(「#CRUISIN'」「#愛し生きること」「#片隅」「#Glorious」)のCHART insight。
CHART insight→https://t.co/NVZ8bHjac1 pic.twitter.com/VAL46bbwmu
前週のエントリーでは4曲の強い点、および改善提案を記し、『次週以降の動向を確認した上で、最終的に社会的ヒット曲に成るかを判断する必要があります』と結びました。では最新チャートにおいて4曲がどのように推移したかをみていきます。
・IMP.「CRUISIN'」 2位→100位未満(300位圏内)
・King & Prince「愛し生きること」3位→89位
・THE RAMPAGE from EXILE TRIBE「片隅」 5位→47位
・BE:FIRST「Glorious」 7位→35位
最も大きくダウンしたのはIMP.「CRUISIN'」でした。デジタルリリースからフィジカル発売までのタイムラグがあったこと(デジタルの勢いが長く続かなかったこと)が、フィジカルセールス指標加算2週目における急落につながったといえるでしょう。加えてラジオ指標も100位未満に急落しており、前週のOAは主にプロモーション効果が大きく、今回はその反動が表れたといえるかもしれません。
(ただし「CRUISIN'」ではアコースティックリミックスがダウンロード指標で5→15位と推移。米ビルボードや、米ビルボードによるグローバルのソングチャートとは異なり、ビルボードジャパンでは言語の違いのみが異なる場合を除き別バージョンは合算されません。仮に合算されるというチャートポリシー(集計方法)だったならば、リミックス施策が少なからず活きたものと思われます。)
IMP.「CRUISIN'」に近いといえる動きが、THE RAMPAGE from EXILE TRIBE「片隅」ではないでしょうか。尤もストリーミング指標は緩やかに上昇していますが、これは前週述べたようにLINE MUSIC再生キャンペーンの影響と思われます。ダウンロードや動画再生といったデジタル指標群が加点されていない状況を踏まえれば、LINE MUSIC再生キャンペーン終了後の急落は免れないかもしれません。
また、King & Prince「愛し生きること」はダウンロードおよびサブスクが未解禁の状況であり、元来そのような作品はフィジカルセールス指標加算2週目に急落しやすいのが特徴でした。動画再生指標はそこまで変わらなかったものの、フィジカルの純減がそのまま総合での下降につながったといえます。
BE:FIRST「Glorious」は4曲の中で最も順位の下げ幅が小さくなっています。一方で、ストリーミングが今後安定せずダウンを続ける可能性も否定はできないため、この曲が応援歌として起用されている第102回全国高校サッカー選手権大会が開催されるまでに、如何に勢いを保てるかが重要と考えます。
その勢いを保つ、また押し上げるのに効果的なのがテレビパフォーマンスです。また当週は集計期間初日に『第74回NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)の出場歌手が発表され、前週よりポイントが比較的大きく伸びた作品もあります。
11月以降、地上波では長時間音楽特番が相次いで放送されます。年末番組の性質上、披露曲はその年を代表する作品となり直近でヒットした曲ではないかもしれませんが、テレビパフォーマンスのタイミングでSNS等を用いてコアファンの熱量を高めさせ、同時にライト層の興味を惹くための施策を打つことで押し上げ幅を大きくすることができるかもしれません。歌手全体のプレゼンスを高めるべく、どう動くかが重要と考えます。
ちなみに、旧ジャニーズ事務所に以前所属していた歌手はメディアへの露出が限られている印象です(ゆえに『ベストヒット歌謡祭2023』(読売テレビ/日本テレビ)にて元SMAPの香取慎吾さんが登場したことは非常に大きいと考えます。この点はブログでも記しました→こちら)。たとえばIMP.が地上波テレビ番組でパフォーマンスができるか、現在も旧ジャニーズ事務所に所属する歌手と共演ができるのかを注視する必要があります。