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【海外ビルボード】オリヴィア・ロドリゴが米ソング/アルバムチャート同時首位獲得

現地時間の9月18日月曜に発表された、最新9月23日付米ビルボードソングチャート(集計期間:9月8~14日)。前週初の首位を獲得したドージャ・キャット「Paint The Town Red」は2位へ後退、オリヴィア・ロドリゴ「Vampire」が前週の9位から首位に返り咲きを果たしました。

オリヴィア・ロドリゴ「Vampire」はストリーミングが前週比82%アップの2280万(同指標3位)、ダウンロードが同89%アップの4,000(同指標順位記事未記載)、ラジオが同7%ダウンの5580万(同指標6位)を記録。ダウンロードにおいてはトップセールスゲイナーを獲得しています。

これは「Vampire」を収録したアルバム『Guts』が最新9月23日付米ビルボードアルバムチャートを初登場で制したことに伴うもので、同じく先行シングルとしてリリースされ8月26日付で10位に初登場を果たしていた「Bad Idea Right?」も26位から7位へ上昇。ストリーミングは前週比121%アップの2210万(同指標4位)、ダウンロードは同42%アップの2,000(同指標順位記事未記載)およびラジオが同15%アップの1620万(同指標39位)となり、トップストリーミングゲイナーを獲得しています。

「Vampire」は7月15日付米ビルボードソングチャートを初登場で制して以来となる首位獲得であり、10週ぶりの頂点に。それにより、米ビルボードソングチャートにおける首位返り咲きまでの期間ではマイリー・サイラス「Wrecking Ball」と並びました。「Wrecking Ball」は2013年9月から10月にかけて2週首位を獲得した後、その10週後となる同年12月に再度頂点に。これはYouTuberのスティーヴ・カーディナルによる同曲を用いたパロディ動画がバイラルヒットに至ったことが要因となっています。

ちなみに首位返り咲きまでの最長記録を保持しているのはチャビー・チェッカー「The Twist」およびマライア・キャリー「All I Want A Christmas Is You」の2曲であり、共に1年以上のブランクを経て返り咲きを果たしています。「The Twist」は1960年に首位を獲得した後、1年3ヶ月と3週後となる1962年にアダルト層の支持を集めたことを要因として再び首位に。また「All I Want A Christmas Is You」はクリスマスソングという側面に伴い、2019年12月に初めて首位を獲得して以降毎年頂点に。通算12週その座に就いています。

 

オリヴィア・ロドリゴに話を戻すと、「Vampire」は「Drivers License」(2021年1月以降8週)、「Good 4 U」(2021年5月 1週)に続く3曲目の首位獲得作品となります。「Vampire」を収録した『Guts』は最新アルバムチャートで302,000ユニットを記録し、オリヴィアにとって自己最高となる週間ユニット数に。ファーストアルバム『Sour』は2021年6月に295,000ユニットを記録して初登場で首位に立つと、5週に渡ってその座に就いています。『Sour』のリード曲は「Drivers License」であり、オリヴィアはファーストおよびセカンドアルバムのリード曲をソングチャートで初登場にて首位に送り込んだ最初の歌手となりました。

 

前週初の首位を獲得したドージャ・キャット「Paint The Town Red」は2位に。ストリーミングは前週比2%ダウンの2730万、ダウンロードは同10%ダウンの7,000、ラジオは同16%アップの3720万を記録しています。同曲はホットR&B/ヒップホップソングチャートおよびホットラップソングチャートで4週目の首位を獲得。9月22日にはこの曲を収録したアルバム『Scarlet』がリリースされます。

 

ストリーミング指標を制したのはザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス「I Remember Everything」(総合3位)であり、前週比5%ダウンの3010万を記録し初登場から3週連続の首位に。ホットカントリーソングチャート、ホットロック&オルタナティブソングチャートおよびホットロックソングチャートのいずれにおいても3週連続で首位を獲得しています。

ラジオ指標はルーク・コムズによるトレイシー・チャップマンのカバー、「Fast Car」(総合4位)が制覇。前週比1%ダウンの7730万を記録し、同指標3週目の首位に至っています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (9位) オリヴィア・ロドリゴ「Vampire」

2位 (1位) ドージャ・キャット「Paint The Town Red」

3位 (2位) ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス「I Remember Everything」

4位 (3位) ルーク・コムズ「Fast Car」

5位 (4位) テイラー・スウィフト「Cruel Summer」

6位 (5位) モーガン・ウォレン「Last Night」

7位 (26位) オリヴィア・ロドリゴ「Bad Idea Right?」

8位 (7位) シザ「Snooze」

9位 (8位) ガンナ「Fukumean」

10位 (6位) デュア・リパ「Dance The Night」

 

なおオリヴィア・ロドリゴのアルバム『Guts』からは、収録された12曲がすべてソングチャートにおいてトップ40内にランクインを果たしています。

女性歌手がトップ40内に12曲以上を同時にランクインさせたのはテイラー・スウィフト、シザに続いてオリヴィア・ロドリゴが3人目。テイラーは2022年11月5日付においてアルバム『Midnights』の首位初登場時に自己最高となる18曲が同時エントリー。シザは2022年12月24日付にて、アルバム『SOS』初登場時に12曲を送り込んでいます。なお男女に限らず最も多くの曲を同時に40位以内に登場させたのはドレイクで、2018年7月14日付および2021年9月18日付に21曲が同時ランクイン。どちらもアルバムチャートにおいて前者が『Scorpion』、後者が『Certified Lover Boy』が初登場したタイミングでのこととなります。

なおオリヴィア・ロドリゴはファーストアルバム『Sour』においても、収録した11曲すべてがアルバムチャート初登場となる2021年6月5日付にてソングチャート40位以内に送り込んでおり、セカンドアルバムまでの全収録曲(23曲)を40位以内にランクインさせた最初の歌手となりました。オリヴィアのソングチャートエントリーは今回で24曲となり、『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』から「All I Want」が2020年に90位を記録しています。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。9月23日付ではGlobal 200においてドージャ・キャット「Paint The Town Red」が2連覇、Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.ではジョングク feat. ラトー「Seven」が初登場から9連覇を達成しています。

Global 200はドージャ・キャット「Paint The Town Red」が2連覇を達成。ストリーミングは前週比6%アップの8870万、ダウンロードは同5%ダウンの11,000を、それぞれ記録しています。Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.では2位をキープしています。

Global Excl. U.S.ではジョングク feat. ラトー「Seven」が9連覇を達成。ストリーミングは前週比7%ダウンの7770万、ダウンロードは同41%ダウンの2,000を、それぞれ記録しています。Global 200では同曲は2位をキープしています。

 

アルバム『Guts』に伴い、オリヴィア・ロドリゴがGlobal 200にてトップ10内に4曲送り込んでいます。7月の初登場以降2週首位を獲得した「Vampire」は10→3位、また「Bad Idea Right?」は32→5位に上昇し同曲最高位を更新したほか、「Get Him Back!」は7位、「All-American Bitch」は9位に初登場を果たしています。ストリーミングは順に5540万、4620万、4410万および3810万を記録し、このチャートにおけるオリヴィアのトップ10ヒットは8曲となりました。

なおGlobal Excl. U.S.においては7月に1週首位を記録した「Vampire」が12→5位、また「Bad Idea Right?」が47→9位に上昇。後者は初のトップ10入りを果たし、オリヴィア・ロドリゴにとって5曲目のトップ10入りとなりました。ストリーミングは順に3340万、2460万となっています。

 

BTSのVによる「Slow Dancing」がGlobal 200で4位に初登場。ストリーミング5710万、ダウンロード54,000をそれぞれ記録しています。Vは「Love Me Again」が8月に12位を記録しており、今回キャリア最高位を更新しています。

BTSのメンバーがソロでGlobal 200トップ10入りを果たしたのはVが5人目、および8曲目となります。なおBTSはグループとしてこれまで11曲をトップ10入りさせており、うち7曲が首位に至っています。

BTSメンバーのソロ曲 Global 200におけるトップ10ヒット>

・PSY feat. SUGA「That That」(2022年5月 5位)

チャーリー・プース feat. JUNG KOOK「Left And Right」(2022年7月 5位)

・JIN「The Astronaut」(2022年11月 10位)

・ジョングク「Dreamers (Music From The FIFA World Cup Qatar 2022)」(2022年12月 9位)

・JIMIN「Set Me Free Pt.2」(2023年4月 8位)

・JIMIN「Like Crazy」(2023年4月 2位)

・ジョングク feat. ラトー「Seven」(2023年7月 1位)

・V「Slow Dancing」(2023年9月 4位)

またV「Slow Dancing」はGlobal Excl. U.S.にて3位に初登場。ストリーミング5210万およびダウンロード35,000を記録しています。Vにとっては2曲目となるトップ10入りとなり、BTSメンバーのソロ曲におけるトップ10ヒットは12曲に。なおこのチャートにてBTSは11曲をトップ10内に送り込み、うち7曲が首位に達しています。

BTSメンバーのソロ曲 Global Excl. U.S.におけるトップ10ヒット>

・ジョングク「Stay Alive」(2022年2月 8位)

・PSY feat. SUGA「That That」(2022年5月 2位)

チャーリー・プース feat. JUNG KOOK「Left And Right」(2022年7月 2位)

・JIN「The Astronaut」(2022年11月 6位)

・ジョングク「Dreamers (Music From The FIFA World Cup Qatar 2022)」(2022年12月 4位)

・JIMIN「Vibe」(2023年1月 9位)

・JIMIN「Set Me Free Pt.2」(2023年4月 5位)

・JIMIN「Like Crazy」(2023年4月 2位)

・ジョングク feat. ラトー「Seven」(2023年7月 1位)

・V「Love Me Again」(2023年8月 6位)

・V「Rainy Days」(2023年8月 8位)

・V「Slow Dancing」(2023年9月 3位)

 

なおVは最新9月23日付米ビルボードソングチャートにおいて「Slow Dancing」が51位に初登場。これに伴い米ビルボードでは、ソングチャートにおけるBTSメンバーのソロ曲、およびBTSのソングチャートランクイン状況(最高位およびピーク時の日付)を掲載した記事が登場しています。