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【海外ビルボード】モーガン・ウォレン「Last Night」、米で史上2位タイとなる16週目の首位に

現地時間の8月14日月曜に発表された、最新8月19日付米ビルボードソングチャート(集計期間:8月4~10日)。モーガン・ウォレン「Last Night」が通算16週目の首位を獲得しました。

モーガン・ウォレン「Last Night」はストリーミングが前週比2%ダウンの2630万(同指標首位)、ダウンロードが同22%ダウンの5,000(同指標4位)、ラジオが同11%ダウンの5960万(同指標6位)をそれぞれ記録しています。

「Last Night」はハリー・スタイルズ「As It Was」(2022)を上回る通算16週目の首位を達成。首位獲得週数で歴代2位タイに達すると共に、共演や客演参加のない曲としては単独最長となる首位獲得曲となりました。

<米ビルボードソングスチャート 歴代週間首位獲得週数一覧>

19週

・リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」(2019年4月13日付以降)

16週

モーガン・ウォレン「Last Night」(2023年3月18日付以降)

・ルイス・フォンシ & ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」(2017年5月27日付以降)

マライア・キャリーボーイズIIメン「One Sweet Day」(1995年12月2日付以降)

15週

ハリー・スタイルズ「As It Was」(2022年4月16日付以降)

14週

・マーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk!」(2015年1月17日付以降)

ブラック・アイド・ピーズ「I Gotta Feeling」(2009年7月11日付以降)

マライア・キャリー「We Belong Together」(2005年6月4日付以降)

エルトン・ジョン「Candle In The Wind 1997」「Something About The Way You Look Tonight」(1997年10月11日付以降)

・ロス・デル・リオ「Macarena (Bayside Boys Mix)」(1996年8月3日付以降)

ボーイズIIメン「I'll Make Love To You」(1994年8月27日付以降)

ホイットニー・ヒューストン「I Will Always Love You」(1992年11月28日付以降)

また「Last Night」は「As It Was」を上回り、2020年代における最長首位獲得曲となりました。

<米ビルボードソングチャート 各年代における最長首位獲得曲>

2020年代 16週 モーガン・ウォレン「Last Night」(2023)

・2010年代 19週 リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」(2019)

・2000年代 14週 ブラック・アイド・ピーズ「I Gotta Feeling」(2009)、マライア・キャリー「We Belong Together」(2005)

・1990年代 16週 マライア・キャリーボーイズIIメン「One Sweet Day」(1995-1996)

・1980年代 10週 オリビア・ニュートン=ジョン「Physical」(1981-1982)

・1970年代 10週 デビー・ブーン「You Light Up My Life」(1977)

・1960年代 9週 ザ・ビートルズHey Jude」(1968)、パーシー・フェイス・オーケストラ(Percy Faith and His Orchestra)「The Theme From A Summer Place」(1960)

・1950年代 9週 ボビー・ダーリン「Mack The Knife」(1959)

「Last Night」は3月18日付で初めて首位に到達すると、4月15~22日付、5月6日~7月8日付、7月22日付および8月12~19日付にて首位となり、これまで四度返り咲いています。この四度の返り咲きは最多記録タイとなります。

「Last Night」は総合ソングチャートと計算方法を同一とするホットカントリーソングチャートにて25週目の首位を獲得。チャートがジャンルを包括的に反映するようになった1958年以降、ホットカントリーソングチャートにおいて「Last Night」は首位獲得週数が歴代4位となっています(最長首位獲得曲はビービー・レクサ & フロリダ・ジョージア・ライン「Meant To Be」の50週(2017-2018))。

「Last Night」は今年度のソング・オブ・ザ・サマーチャート(Songs Of The Summer)において、開始から11週連続で首位に立っています。

 

ルーク・コムズによるトレイシー・チャップマンのカバー、「Fast Car」は通算5週目の2位に。同曲はカントリーエアプレイチャートで5週目、アダルトポップエアプレイで2週目の首位となり、ポップエアプエレイにおいてはルークにとって初のトップ10ヒットとなりました(12→10位)。カントリーエアプレイおよびアダルトポップエアプレイの双方を制し、且つポップエアプレイでトップ10入りした曲はフェイス・ヒル「Breathe」(1999-2000)、レディ・A「Need You Now」(2009-2010)、ビービー・レクサ & フロリダ・ジョージア・ライン「Meant To Be」(2018)、ギャビー・バレット「I Hope」(2020 チャーリー・プースを迎えたポップリミックスとして)に続く5曲目となり、男性ソロ名義では「Fast Car」が初となります。

 

テイラー・スウィフト「Cruel Summer」が4→3位となり同曲最高位を更新。ストリーミングは前週比14%アップの1820万(同指標5位)、ダウンロードは同85%アップの7,000(同指標3位)、ラジオは同6%アップの6810万(同指標3位)を記録し、トップストリーミングゲイナーおよびトップセールスゲイナーを獲得しています。なおトップエアプレイゲイナーはニッキー・ミナージュ & アイス・スパイス with アクア「Barbie World」(総合8位)が記録しています(前週比54%アップとなる2610万を記録)。

 

ラジオを制したのは引き続きレマ & セレーナ・ゴメス「Calm Down」(総合4位)。前週比1%ダウンの8800万を記録し、同指標8週目の首位に立っています。

 

シザ「Snooze」が15→10位となり、同曲初のトップ10入り。ストリーミングは前週比1%ダウンの1040万、ダウンロードは前週とほぼ変わらず1,000、ラジオも前週とほぼ変わらず6190万を記録しています。

「Snooze」はシザにとって8曲目のトップ10ヒットとなり、アルバム『SOS』からは5曲目となります(4月にキャリア初の首位を獲得した「Kill Bill」、「Nobody Gets Me」(2022年12月 10位。『SOS』の米ビルボードアルバムチャート初登場週における)、「I Hate U」(2021年12月 7位)および「Good Days」(2021年2月 9位))。その他のトップ10ヒットにはドージャ・キャットに客演参加した「Kiss Me More」(2021年7月 3位)、ケンドリック・ラマーとの「All The Stars」(2018年3月 7位)、マルーン5に客演参加した「What Lovers Do」(2017年11月 9位)があります。

「Snooze」にはベイビーフェイスが共同ソングライトおよび共同プロデュースにクレジットされています。歌手として1980年代以降5曲のトップ10ヒットを獲得したベイビーフェイスにとって、ライターでのトップ10ヒットはドレイク feat. トラヴィス・スコット「Fair Trade」(2021年9月 3位)以来となります。この曲ではベイビーフェイスが共同ソングライトを手掛けたシャーロット・デイ・ウィルソン「Mountains」(2019)がサンプリングされていました。

サンプリングを含まずベイビーフェイスが新たにソングライトした曲でのトップ10ヒットは、ピンク「Most Girls」(単独プロデュースおよび共同ソングライト)が2000年11月に4位を記録して以来となります。プロデューサーとしても、「Snooze」は「Most Girls」以来のトップ10ヒットとなりました。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) モーガン・ウォレン「Last Night」

2位 (2位) ルーク・コムズ「Fast Car」

3位 (4位) テイラー・スウィフト「Cruel Summer」

4位 (6位) レマ & セレーナ・ゴメス「Calm Down」

5位 (7位) ガンナ「Fukumean」

6位 (9位) オリヴィア・ロドリゴ「Vampire」

7位 (10位) デュア・リパ「Dance The Night」

8位 (8位) ニッキー・ミナージュ & アイス・スパイス with アクア「Barbie World」

9位 (12位) マイリー・サイラス「Flowers」

10位 (15位) シザ「Snooze」

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。8月19日付ではGlobal 200、Global Excl. U.S.共に、ジョングク feat. ラトー「Seven」が初登場から4連覇を達成しています。

ジョングク feat. ラトー「Seven」はGlobal 200においてストリーミングが前週比10%ダウンの1億1170万、ダウンロードが同68%ダウンの4,000を、Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比10%ダウンの1億190万、ダウンロードが同50%ダウンの3,000を、それぞれ記録しています。

初登場以降4週以上連続で首位を獲得したのは、Global 200およびGlobal Excl. U.S.共にマイリー・サイラス「Flowers」(1月以降 6週連続)以来となり、2023年に初登場した作品では2曲目に。さらにGlobal Excl. U.S.において、初登場から4週連続でストリーミングが1億回超えを達成したのは、「Seven」が2020年秋のチャート新設以降初となります(ストリーミングは初登場以降1億9600万→1億3810万→1億1280万→1億190万と推移)。

映画『バービー』サウンドトラック収録曲が3曲トップ10入り。Global 200ではビリー・アイリッシュ「What Was I Made For?」が4→2位、デュア・リパ「Dance The Night」が6→3位となり、2曲共に最高位を更新。またニッキー・ミナージュ & アイス・スパイス with アクア「Barbie World」は7→6位となり、同曲における最高位に再度到達しました。Global Excl. U.S.では「Dance The Night」が5→3位(最高位更新)、「What Was I Made For?」が4→4位、「Barbie World」が6→9位となっています。

Global 200ではテイラー・スウィフト「Cruel Summer」が11→5位に。ストリーミングは前週比7%アップの4910万、ダウンロードは同75%アップの10,000を記録し、トップ10ランクイン曲の中で唯一2指標とも前週から伸びています。