現地時間の5月20日月曜に発表された、最新5月25日付米ビルボードソングチャート(集計期間:5月10~16日)。前週初登場で首位に立ったケンドリック・ラマー「Not Like Us」は2位に後退、ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」が首位に初登場を果たしました。
.@PostMalone & @MorganWallen’s ‘I Had Some Help’ Soars In at No. 1 on the #Hot100 https://t.co/4mHoECJEN4
— billboard (@billboard) 2024年5月20日
米ビルボードソングチャート65年の歴史において通算1,172曲目、初登場では80曲目となる首位獲得作品となったポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」はストリーミング7640万(同指標首位)、ダウンロード69,000(同指標首位)およびラジオ3110万(同指標15位)を記録。リリース前日となる5月9日にラジオで解禁され初日のみで1590万を記録した「I Had Some Help」は、前週5月18日付米ビルボードソングチャートのラジオ指標で36位にランクインしています。
「I Had Some Help」はポスト・マローンが3月20日にSNSにてティザー(ティーザー)を公開、4月28日にはカリフォルニア州インディオで開催されたステージコーチフェスティバルにてモーガン・ウォレンのステージにポストが登場してこの曲を披露、そしてリリース後の5月16日にはテキサス州フリスコで開催された第59回アカデミー・オブ・カントリーミュージック・アワードでもパフォーマンスが行われています。リリースまでの期待値の上昇、さらにはリリース後のフォローアップも行われた形です。
「I Had Some Help」にてポスト・マローンは6曲目の首位を獲得、またテイラー・スウィフトに客演参加した「Fortnight」に次ぐ初登場での首位達成となりました。ポストはアリアナ・グランデおよびケンドリック・ラマーと並び、2024年において現時点で2曲を首位に送り込んだ歌手となります。
<ポスト・マローンによる米ビルボードソングチャート首位獲得曲>
・「Rockstar (feat. 21サヴェージ)」(2017年10月28日付以降 8週)
・「Psycho (feat. タイ・ダラー・サイン)」(2018年6月16日付 1週)
・「Sunflower (Spider-Man: Into The Spider-Verse) (with スウェイ・リー)」(2019年1月19日付 1週)
・「Circles」(2019年11月30日付以降 3週)
・「Fortnight (テイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン)」(2024年5月4日付以降 2週)
・「I Had Some Help (feat. モーガン・ウォレン)」(2024年5月25日付 1週)
「I Had Some Help」はモーガン・ウォレンにとって「Last Night」に次ぐ2曲目の首位獲得作品に。「Last Night」は2023年3月から8月にかけて通算16週首位を獲得し単独名義による作品として最多首位記録を更新すると共に、2023年度の年間ソングチャートを制しています。
「I Had Some Help」はストリーミングおよびダウンロード指標を制覇。ストリーミングはポスト・マローンが4曲目およびモーガン・ウォレンが2曲目の首位に、またダウンロードは双方共に6曲目の首位を獲得しています。
ストリーミング指標における7640万という週間再生回数は、米ビルボードソングチャートがストリーミングの動画再生分からYouTubeによるUGC("踊ってみた"や"歌ってみた"に代表されるユーザー生成コンテンツ)を外した2020年以降では最多に。3週前にテイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」が7620万を記録し、オリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」が2021年1月23日付の初登場時に記録した7610万を上回ったばかりでしたが、「Fortnight」が記録を達成したそのわずか3週後に塗り替わった形です。
またラジオ指標は36→15位となり、カントリーエアプレイチャートでも18→9位に上昇。後者にて2週以内にトップ10入りを果たしたのはガース・ブルックス「More Than A Memory」(2007年9月)以来となります。
「I Had Some Help」は1958年に米ビルボードソングチャートが始まって以来、総合ソングチャート(Hot 100)およびホットカントリーソングチャートの双方を制した27曲目の作品に。1975年が最多を記録していますが、2023年には4曲がこの記録を達成、そして今年は2曲目となります。さらにふたりの男性歌手による作品での双方首位達成は初となります。
<米ビルボードソングチャートおよびホットカントリーソングチャート双方を制した曲>
・ジョニー・ホートン「The Battle Of New Orleans」(1959)
・マーティ・ロビンス「El Paso」(1959-1960)
・ジミー・ディーン「Big Bad John」(1961)
・ジェニー・C. ライリー「Harper Valley P.T.A.」(1968)
・ボビー・ゴールズボロ「Honey」(1968)
・チャーリー・リッチ「The Most Beautiful Girl」(1973)
・ビリー・スワン「I Can Help」(1974)
・B.J.トーマス「(Hey Won’t You Play) Another Somebody Done Somebody Wrong Song」(1975)
・フレディ・フェンダー「Before The Next Teardrop Falls」(1975)
・ジョン・デンバー「Thank God I'm A Country Boy」(1975)
・グレン・キャンベル「Rhinestone Cowboy」(1975)
・ジョン・デンバー「I'm Sorry」(1975)
・C.W.マッコール「Convoy」(1975-1976)
・グレン・キャンベル「Southern Nights」(1977)
・ケニー・ロジャース「Lady」(1980)
・ドリー・パートン「9 To 5」(1981)
・エディ・ラビット「I Love A Rainy Night」(1981)
・ケニー・ロジャース duet with ドリー・パートン「Islands In The Stream」(1983)
・ローンスター「Amazed」(1999-2000)
・テイラー・スウィフト「We Are Never Ever Getting Back Together」(2012)
・テイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」(2021)
・モーガン・ウォレン「Last Night」(2023)
・ジェイソン・アルディーン「Try That In A Small Town」(2023)
・オリヴァー・アンソニー・ミュージック「Rich Men North Of Richmond」(2023)
・ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス「I Remember Everything」(2023)
・ビヨンセ「Texas Hold 'Em」(2024)
・ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」(2024)
曲名に”Help”が付く作品での首位獲得は、「I Had Some Help」が6曲目となります。なお1965年に3曲が首位の座に就いています。
<米ビルボードソングチャート ”Help”がタイトルに付いた曲の首位獲得一覧>
・ザ・ビーチ・ボーイズ「Help Me, Rhonda」 (1965年5月29日付以降 2週)
・フォー・トップス「I Can't Help Myself (Sugar Pie Honey Bunch)」 (1965年6月19日付以降 2週)
・ザ・ビートルズ「Help!」 (1965年9月4日付以降 3週)
・ビリー・スワン「I Can Help」 (1974年11月23日付以降 2週)
・UB40「Can't Help Fall In Love」 (1993年7月24日付以降 7週)
・ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」 (2024年5月25日付 1週)
なおポスト・マローンは、客演参加したテイラー・スウィフト「Fortnight」が総合8位に入ったことで、2019年10月12日付以来となる複数曲同時トップ10入りを達成しています。
前週首位初登場を果たしたケンドリック・ラマー「Not Like Us」が2位に後退。一方でストリーミングは前週記録した7090万から7200万に上昇しています(前週比2%アップ)。YouTubeからUGCがカウント対象外となった2020年以降におけるR&B/ヒップホップジャンルの作品(ホットR&B/ヒップホップソングチャートにランクインする曲と定義)の中で、「Not Like Us」は前週および当週のストリーミング再生回数がトップ2を占拠しています。また同曲はラジオ指標で前週比146%アップの1240万を記録し、トップエアプレイゲイナーを獲得しています。
初登場から2週連続で2位を記録していたトミー・リッチマン「Million Dollar Baby」は3位に後退。一方でストリーミングは前週比14%アップの6630万、ダウンロードは同17%アップの7,000を記録し、トップストリーミングゲイナーおよびトップセールスゲイナーを獲得しています。
ラジオ指標はテディ・スウィムズ「Lose Control」(総合6位)が6週連続で首位に。前週比1%アップの7380万を記録しています。
最新のトップ10はこちら。
The #Hot100 top 10 (chart dated May 25, 2024)
— billboard charts (@billboardcharts) 2024年5月20日
1位 (初登場) ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」
2位 (1位) ケンドリック・ラマー「Not Like Us」
3位 (2位) トミー・リッチマン「Million Dollar Baby」
4位 (5位) シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」
5位 (9位) ベンソン・ブーン「Beautiful Things」
6位 (10位) テディ・スウィムズ「Lose Control」
7位 (6位) フューチャー、メトロ・ブーミン & ケンドリック・ラマー「Like That」
8位 (4位) テイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」
9位 (8位) サブリナ・カーペンター「Espresso」
10位 (11位) ホージア「Too Sweet」
続いてグローバルチャートを紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。5月25日付ではGlobal 200においてポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」が首位初登場、一方でGlobal 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではサブリナ・カーペンター「Espresso」が2連覇を達成しています。
.@PostMalone & @MorganWallen’s ‘I Had Some Help’ & @SabrinaAnnLynn’s ‘Espresso’ Lead Billboard Global Charts https://t.co/RV5UM7tmub
— billboard (@billboard) 2024年5月20日
The #Global200 top 10 (chart dated May 25, 2024)
— billboard charts (@billboardcharts) 2024年5月20日
The Global Excl. U.S. top 10 (chart dated May 25, 2024)
— billboard charts (@billboardcharts) 2024年5月20日
Global 200はポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」が首位初登場。ストリーミング1億1900万およびダウンロード81,000を記録しています。ポスト・マローンにおいてGlobal 200での首位獲得はテイラー・スウィフトに招かれた「Fortnight」(2024年5月 2週)に次いで2曲目、またモーガン・ウォレンにとっては初。モーガンの同チャートトップ10入りは2023年5月の「Last Night」(5位)に次ぐ2曲目となります。
米ビルボードホットカントリーソングチャートを制した曲でGlobal 200でも首位を獲得したのは「I Had Some Help」が3作品目。これまではテイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」(2021)およびビヨンセ「Texas Hold 'Em」(2024)がその座に就いています。
なお「I Had Some Help」はGlobal Excl. U.S.にて3位に初登場。ストリーミング4500万およびダウンロード12,000を記録しています。
Global 200ではケンドリック・ラマー「Not Like Us」が首位初登場を果たした前週から3位に後退していますが、ストリーミングは前週比9%アップとなる1億1800万を記録しています。
Global Excl. U.S.ではサブリナ・カーペンター「Espresso」が2連覇を達成。ストリーミングは前週比3%ダウンの8730万、ダウンロードは同7%ダウンの7,000を、それぞれ記録しています。なお同曲はGlobal Excl. U.S.に米の分を加えたGlobal 200にて3→4位に後退しています。
またシャブージー「A Bar Song (Tipsy)」がこのチャートでキャリア初となるトップ10入り(13→10位)。ストリーミングは前週比16%アップの3240万、ダウンロードは同19%アップの7,000を記録しています。同曲はGlobal 200にて5位をキープしています。