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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

レミオロメン「3月9日」、なにわ男子とNiziUの頂上決戦…次回のビルボードジャパンソングチャートの注目点とは

次回3月15日公開分のビルボードジャパンソングチャート、その注目ポイントを紹介します。

 

3月6~12日を集計期間とする次回のソングチャートでピークを迎えるだろう作品が、レミオロメン「3月9日」です。

最新3月8日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは53位に上昇した「3月9日」。ラジオ指標は19位に入り、季節やイベントの関連曲が日本でラジオがいち早く反応する傾向が今回も示された形です。ただし直近120週分のCHART insightを見ると、ラジオ(黄緑で表示)は急浮上した一方でカラオケ(緑)は強い状況を維持。そして最新週においてはフィジカルセールス以外の5指標がいずれも加算対象となっています。

現在のロングヒット作品、社会的ヒット曲がこぞって強いのがストリーミング(青)ですが、最新3月8日公開分ではこの指標が100位未満(300位圏内)ながら獲得ポイントのうち最も多くをこの指標が占めています。そして次週、「3月9日」はさらなる上昇が期待できるのです。

レミオロメン「3月9日」は日本のSpotifyデイリーチャートにて3月6日に194位へ再登場を果たすと、166→84位と推移し最新3月9日付で遂に50位圏内に登場。日本のSpotifyではデイリー50位以内を順番にまとめたトップ50プレイリストの人気が強く、このプレイリストに入ることで数日中のさらなる上昇が期待できます(この”50位の壁”特性については以前ブログにて紹介しています→こちら)。

2022年においては、日本のSpotifyデイリーチャートにてレミオロメン「3月9日」は3月9日付で51位となり、200位以内には4月5日付まで在籍。今年は50位の壁を突破したことでもう少し長く滞在し、また今週末にかけては上昇が期待できるでしょう。曲名と同じ3月9日に『ラヴィット!』(TBS)にてパフォーマンスした効果も大きいものと思われます。

 

実は「3月9日」、サブスクサービスから一時期引き上げられていました。

その点が解消されたことで、テレビパフォーマンス等に伴いデジタルでの接触や所有に結びつきやすくなりました。昨年は3月16日公開分で総合19位まで上昇したレミオロメン「3月9日」が、今年はどこまで伸ばすかに注目しましょう。

 

 

さて、次回3月15日公開分ではなにわ男子「Special Kiss」とNiziU「Paradise」が共にフィジカルセールス初加算となり、総合首位の座を争うものと思われます。

集計期間前半3日間の速報値では、フィジカルセールスにおいて「Special Kiss」が444,263枚に対し「Paradise」が138,026枚となっています。

デジタルにおいては「Special Kiss」が未解禁の一方、「Paradise」は速報値でダウンロードが3,579DL、ストリーミング215.8万回再生を記録し、デジタル2指標とも10位以内に入っています。

なにわ男子の前作「ハッピーサプライズ」は昨年度終盤となる2022年11月23日公開分にて総合2位に。フィジカルセールスは517,381枚を記録し13,492ポイントを獲得しています。一方、NiziUの前作「Blue Moon」は今年度序盤となる2022年12月21日公開分においてフィジカルセールス207,252枚を記録し4位に到達。7,126ポイントを獲得しました。

ビルボードジャパンは今年度、ルックアップおよびTwitter指標を廃止しています(CHART insightではルックアップがオレンジ、Twitterが水色で表示)。特にルックアップはジャニーズ事務所所属歌手の作品が強い傾向にあり、なにわ男子も「ハッピーサプライズ」のフィジカルセールス初加算週においてルックアップが獲得ポイントのおよそ4割を占めていましたが、今作では加算されません。

仮にルックアップ指標以外のすべてが前作と変わらない場合、NiziU「Paradise」が7,126ポイントに対しなにわ男子「Special Kiss」は前作の4割減と考えれば8,095ポイントとなるため「Special Kiss」の優位は変わらないのですが、「Paradise」はストリーミングが好調に推移しており、逆転も十分あり得るでしょう。昨日までLINE MUSIC再生キャンペーンを開催していましたが、Apple Musicでも現段階で22位に登場しています。

 

結果はどうなるか解りませんが、しかしデジタルに門戸を開放したNiziU「Paradise」が強いのではというのが現段階での私見です。Spotifyで未だに50位未満なのは気になりますが、2023 WORLD BASEBALL CLASSIC開催により音楽聴取時間がスポーツ観戦に割かれる中、歌番組でのパフォーマンスや主題歌となった映画が話題になれば、サブスクサービスでの上昇も期待できるでしょう。

NiziU「Paradise」、なにわ男子「Special Kiss」はいずれも映画主題歌。映画を観た方が余韻に浸りたいと考えたならば観賞後に聴取行動を採るでしょう。その際、様々なデジタルプラットフォームに解禁されていればその導線は太くなるはずです。