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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

Tani Yuuki、22週連続トップ10入りの「W/X/Y」と新曲「もう一度」に関する最新の施策が興味深い

ここ1ヶ月はAdo『ONE PIECE FILM RED』関連曲の強さが際立つビルボードジャパンソングスチャートですが、その状況下でもトップ10入りを続けているのがTani Yuuki「W/X/Y」。最新9月7日公開分(9月12日付)ビルボードジャパンソングスチャートでは8位に入り、22週連続でトップ10内をキープしています。

この曲がチャートを駆け上がる兆候がみられたタイミングで、ブログにてバズの理由を記載。「W/X/Y」はTikTokインフルエンサーによる振り付けをTani Yuukiさん自身が採り入れたことがバズの増幅につながっており、バズを楽しみながら乗っかっていく姿勢が功を奏したと結論付けました。

「W/X/Y」は7月27日公開分(8月1日付)ビルボードジャパンソングスチャートにて最高ポイントを獲得。その際は動画インフルエンサーとの共演が影響しており、今の時代におけるヒットの方程式が確立された感があります。

他方、「W/X/Y」は現在まで6週続けてポイントを落としており、ピークが過ぎたと受け止められてもおかしくないのですが、先週末からの様々な施策が「W/X/Y」を再び盛り上げることにつながるかもしれません。

 

Tani Yuukiさんは9月9日金曜にTikTokでライブを開催後、ワンマンツアーの開催および新曲「もう一度」の9月21日配信開始をアナウンスしています。

Tani Yuukiさんの施策の巧さはこの新曲でもみられます。

「もう一度」は昨年5月にTaniのTikTokにてサビの歌唱動画が先行して公開されて以降、ファンの間ですでに注目されている新曲で、コロナ禍の葛藤や苦悩、その後の未来と開放を歌った内容となっている。

一年半近く前には既に「もう一度」が、いわばチラ見せされていたことに。このチラ見せは米ビルボードソングスチャートにおいても有効に作用しており、今の時代ならではと言えます。

さらに、「もう一度」では別の施策も。

別の施策とは、サンプルCDの配布。都市部での配布のほか、リリースを心待ちにする方に対しTani Yuukiさんのスタッフアカウントからリプライの形で『9月21日(水)の配信リリース前に、サンプルCDをお送りさせて頂くことになりました』との案内が送られていることを確認しています。サンプルCDの盤面にはサインが入る、凝った仕様となっています(リプライや盤面は、"#みんなでもう一度"とTwitterで検索すると確認可能)。

Tani Yuukiさんは「W/X/Y」や「Myra」を収録したファーストアルバム『Memories』をフィジカル化していますが、当初は公式ホームページ限定でのリリースにとどまっていました(下記ブログエントリー参照)。

『Memories』は現在一般流通されていますがタワーレコードに販売先が限定され、またレンタルも解禁されていません。いわばCDの形で音源が手に入りにくいTani Yuukiさんが、新曲「もう一度」でサンプルCDを用いた施策を採るのは興味深く、CDの価値を高め、コアファンとの結びつきを強化していると捉えることもできるでしょう。

 

Tani Yuukiさんは新曲「もう一度」のアナウンスおよび施策実施を行った先週末、「W/X/Y」についてもバンドメンバーとのセッションによる新たな動画を投稿。また10日土曜には地上波テレビ番組に出演を果たしています。テレビパフォーマンスはビルボードジャパンソングスチャートにも少なからず影響することから、明後日発表の最新ソングスチャートでもトップ10内のキープが予想されます。

TikTokYouTube、地上波テレビ番組出演、そしてサンプルCD配布を集中的に実施することで、Tani Yuukiさんは「W/X/Y」を再浮上に至らせ、さらに新曲「もう一度」へのバトンを見事に渡したものと受け止めています。ともすればテレビ番組出演日に合わせてすべてのスケジュールを決めていた可能性もあり、そのスケジュール策定の巧さを実感せずにはいられません。