イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり)【ビルボードジャパン最新動向】Tani Yuuki「W/X/Y」最高ポイント更新…動画インフルエンサーとの共演がヒットの鍵に

(※追記(7時40分):Saucy Dog「シンデレラボーイ」の関連動画としてコムドットの動画を貼付しておりませんでした。つきましては先程、コムドットとの共演動画を貼付しました。お詫び申し上げます。)

 

 

 

毎週木曜以降は、最新のビルボードジャパン各種チャートについてお伝えします。

最新7月27日公開分(8月1日付)ビルボードジャパンソングスチャートはフィジカル関連指標初加算に伴い、NiziU「CLAP CLAP」が首位に到達しました。

2位から4位はロングヒットする作品が並んでエントリー。前週Official髭男dism「ミックスナッツ」を逆転したSEKAI NO OWARI「Habit」はその差を129→290ポイントへと拡大。そして4位のTani Yuuki「W/X/Y」は3位の「ミックスナッツ」との差を1,797→782ポイントと、大きく縮めています。「W/X/Y」は最新チャートにおいて、同曲最高ポイントを獲得したのです。

(上記はリリックビデオ。)

ポイント前週比8.9%アップの要因として考えられるのは、ストリーミングの堅調に加えてダウンロードやカラオケの上昇にあるといえます。ストリーミングではLINE MUSIC再生キャンペーン(再生回数キャンペーン)未実施ながら、14週ぶりに首位に到達しました。

ポイント増加の理由としては、『FNS歌謡祭』(フジテレビ 7月13日放送)や『音楽の日』(TBS 7月16日放送)といった地上波テレビ局の長時間音楽特番出演の余韻や、最新チャート集計初日(7月18日)が祝日であり土日祝日のほうがストリーミングが伸びることも考えられます。地上波テレビ局の情報番組にも出演したTani Yuukiさんですが、他にもアプローチが。それがYouTuberやTikTokerといった動画インフルエンサーとの共演です。

歌手活動も行うフォーエイトが以前「W/X/Y」をカバーしたこと(動画はこちら)も縁となって行われたドッキリ企画動画が今朝の段階で117万回再生を突破。さらには「W/X/Y」の踊ってみた動画を、しかもTaniさんの生歌唱バージョンの形にてTikTokに投稿。TaniさんのTikTokアカウントではフォーエイト「ロミエット」の踊ってみた動画が投稿され、相互交流が行われています。

@kotachumu 今日の動画、絶対チェックしてください✨ @yu___09___11 ♬ W/X/Y - Tani Yuuki

@yu___09___11 フォーエイト48(@weareteam48)の皆さんとロミエット踊ったよん✌️❤️‍🔥#フォーエイト #ロミエット#TaniYuuki ♬ Romiet - Four Eight 48

 

Tani Yuukiさんはフォーエイトとの共演を果たす前、優里さんとの共演動画もアップ。優里さんは歌手のみならず、ほぼ毎日投稿するYouTuberとしても活動しています。

優里さんのYouTuber的側面を持つYouTubeのチャンネル(優里ちゃんねる)では、優里さんのオリジナル曲「レオ」の共演版もアップされています。

優里さんとの共演版公開は7月9日以降、フォーエイトとのコラボは7月13日に公開。最新7月27日公開分(8月1日付)ソングスチャートの集計期間(7月18~24日)以前ではあるのですが、「W/X/Y」のストリーミング2週連続再生回数上昇に貢献していることは確実でしょう。また大型音楽特番視聴を機にTani Yuukiさんを調べ、YouTuberとの共演でより興味を高めた方がダウンロードに至ったことも考えられます。

 

Tani Yuuki「W/X/Y」のヒットのきっかけはTikTokであり、それもTikTokインフルエンサーであるローカルカンピオーネの振り付けをTaniさん自身が取り込んだことにありました。

今月TikTokが発表した2022上半期トレンドでは「W/X/Y」がミュージック部門を受賞。同じく今月LINE MUSICが発表した2022年上半期ランキングでは総合で4位、10代トレンドおよびBGMでは首位を獲得しています。先述の通りLINE MUSIC再生キャンペーン未実施で総合トップ5入りを果たしたのは素晴らしいことです。

TikTokのヒットは動画再生やストリーミングにまず波及し、そこから総合ヒットに至る流れが生まれます。またTikTokも含む動画インフルエンサーとのコラボレーションがヒットを増幅させた例として、今年だけでもSEKAI NO OWARI「Habit」とHIKAKINさん、Saucy Dog「シンデレラボーイ」とスカイピースやコムドットが挙げられます。

地上波テレビ局の音楽番組出演や情報番組で取り上げられることのみならず、YouTuberやTikTokといった動画のインフルエンサーの方々との積極的な交流がここ最近のヒットの鍵になっていると言えそうです。同時に動画出演において曲がより多角的に取り上げられること、そして本人が楽しむ姿勢が曲の興味を高め、勢いを増幅させると言えるでしょう。

動画の影響は1週間以上持続するという印象があります。Tani Yuuki「W/X/Y」は地上波音楽特番との合わせ技で、最新チャートにおける過去最高ポイント更新を果たしたのではないでしょうか。