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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】米でビヨンセ「Break My Soul」が2連覇、DJキャレドやベニー・ブランコ、BTS&スヌープがトップ10初登場

現地時間の8月15日月曜に発表された最新8月20日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。ビヨンセ「Break My Soul」が2週連続で首位を獲得しました。

(上記は公式ヴィジュアライザー。)

ビヨンセ「Break My Soul」はストリーミングが前週比23%ダウンの1450万(同指標7位)、ダウンロードは同174%アップの36000(同指標2位)、ラジオは同7%アップの6520万(同指標3位)を記録し、ダウンロードについては2週連続でトップセールスゲイナーを獲得しました。

(上記は公式ヴィジュアライザー。)

「Break My Soul」がダウンロード指標を大きく伸ばしたのは、集計期間初日にリリースされた同曲の"The Queens Remix"登場に因るもの。マドンナ「Vogue」をサンプリングし黒人女性エンターテイナーを称えるというこのリミックスが大きく影響しました。このバージョンはビヨンセとマドンナの共同名義となっていますが、「Break My Soul」の獲得ポイント全体に占めるリミックスの割合が過半数に達しなかったため、マドンナはソングスチャートで未クレジットとなっています。「Break My Soul」についてはこのバージョン、オリジナル版に加えて4つのリミックス、アカペラおよびインストゥルメンタルがリリースされています。

 

DJキャレド feat. ドレイク & リル・ベイビー「Staying Alive」が5位に初登場。ストリーミングは2350万(同指標1位)、ダウンロードは5000(同指標6位)、ラジオは1010万(同指標50位未満)を記録しています。ストリーミング首位はドレイクにとって史上最多となる14曲目、リル・ベイビーは4曲目、DJキャレドにとっては2曲目となります。

総合ソングスチャートにおいて、「Staying Alive」はDJキャレドにとって7曲目、リル・ベイビーは10曲目、そしてドレイクは59曲目のトップ10入りとなりました(なおDJキャレドとドレイクが共に参加した作品では4曲目、ドレイクとリル・ベイビーとでも同様に4曲目のトップ10入り)。ドレイクは今回、自身が記録する最多トップ10入り曲数を更新しています。さらにトップ5ヒットでは、ドレイクは初となる30曲輩出を達成です。

<ソングスチャート最多トップ10輩出歌手>

59曲 ドレイク

38曲 マドンナ

34曲 ザ・ビートルズ

31曲 リアーナ

30曲 マイケル・ジャクソンテイラー・スウィフト

28曲 マライア・キャリーエルトン・ジョンスティーヴィー・ワンダー

27曲 ジャネット・ジャクソン

<ソングスチャート最多トップ5輩出歌手>

30曲 ドレイク

29曲 ザ・ビートルズ

28曲 マドンナ

27曲 マライア・キャリー

24曲 ジャネット・ジャクソン

23曲 リアーナ

21曲 エルヴィス・プレスリー

(ただしソングスチャートが開始した1958年8月より前にランクインし終えた曲は含まない)

20曲 ジャスティン・ビーバーマイケル・ジャクソンスティーヴィー・ワンダー

「Staying Alive」には、1978年に4週首位を獲得したビー・ジーズ「Stayin' Alive」が引用されています。この「Stayin' Alive」はビー・ジーズの3名のメンバー(バリー・ギブ、モーリス・ギブおよびロビン・ギブ)がソングライトを手掛けていますが、バリーおよびロビン・ギブはソングライターとして、サマンサ・サングへの提供曲をデスティニーズ・チャイルドがカバーした「Emotion」が2001年12月に10位を獲得して以来、ソングスチャートトップ10入りを果たしました。なお「Stayin' Alive」は、1978年に24週アルバムチャートを制した『サタデー・ナイト・フィーバーサウンドトラックに収録。この映画向けに録音されたものサウンドトラック未収録となったサマンサ・サング「Emotion」は1978年に3位を記録しています。

なおモーリス・ギブのソングライターとしてのトップ10入りは、ビー・ジーズにとって最後のトップ10ヒットとなった「One」で、1989年9月に7位を記録。ビー・ジーズの歌手としてのトップ10ヒットは15曲となります。

なおビー・ジーズ「Stayin' Alive」はN-トランス & ワイクリフ・ジョン feat. レフュージー・オールスターズによってリワークバージョンがリリースされ、1996年に62位、翌年に45位を記録しています。

 

ベニー・ブランコ、BTSスヌープ・ドッグ「Bad Dicisions」が10位に初登場。ストリーミングは1010万(同指標28位)、ダウンロードは66,000(同指標1位 内訳はデジタルが45,000、CDが16,000およびカセットが5000)、ラジオは310万(同指標50位未満)を記録しています。ダウンロード指標首位はスヌープ・ドッグが5曲目、ベニー・ブランコは初、そしてBTSは2名以上のグループでは最多となる11曲目となります。

また総合ソングスチャートでのトップ10入りはスヌープ・ドッグが12曲目、BTSが10曲目となり、BTSは韓国出身歌手として初となる2桁ランクインを達成しました。なおベニー・ブランコにとってはホールジーおよびカリードとの「Eastside」が2019年に9位を獲得して以来、2曲目となります。

スヌープ・ドッグは今回の10位到達により、直近の4つのディケイド連続でトップ10入りを達成しました(1990年代に2曲、2000年代に6曲、2010年代に3曲および2020年代に1曲)。これはマライア・キャリーおよびジェイ・Zに続く3組目となります。なおビヨンセデスティニーズ・チャイルド時代を含めると4つのディケイド連続でトップ10入りを達成したことになります。

スヌープ・ドッグの主演曲でのトップ10入りは、ウィズ・カリファと共演しブルーノ・マーズをフィーチャーした「Young, Wild & Free」(2012年3月 7位)以来10年ぶり。初のトップ10ヒットは1994年1月に8位を記録した「What's My Name?」となり、今回のトップ10入りはジェイソン・デルーロに客演参加し2014年6月に5位を記録した「Wiggle」以来となります(同曲は同年8月までトップ10入り)。

これによりスヌープ・ドッグは、初のトップ10入りから最新のトップ10ヒットに至るまでの期間が28年7ヶ月3週となりました(1993年12月25日付~2022年8月20日付)。これはジェイ・Zの記録(1997年3月29日付~2021年9月18日付 24年5ヶ月3週)を上回り、ラッパーでは最長記録を更新しました。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) ビヨンセ「Break My Soul」

2位 (3位) ハリー・スタイルズ「As It Was」

3位 (2位) リゾ「About Damn Time」

4位 (4位) ケイト・ブッシュ「Running Up That Hill (A Deal With God)」

5位 (初登場) DJキャレド feat. ドレイク & リル・ベイビー「Staying Alive」

6位 (7位) スティーヴ・レイシー「Bad Habit」

7位 (5位) フューチャー feat. ドレイク & テムズ「Wait For U」 

8位 (9位) ニッキー・ユーア & デイジー「Sunroof」

9位 (6位) ジャック・ハーロウ「First Class」

10位 (初登場) ベニー・ブランコ、BTSスヌープ・ドッグ「Bad Dicisions」

ラジオ指標の首位はリゾ「About Damn Time」(総合3位)。前週比4%ダウンの8850万を記録し、6週目の首位に立ちました。またこの指標ではニッキー・ユーア & デイジー「Sunroof」(総合8位)が前週比13%アップの6230万を記録し、2週目のトップエアプレイゲイナーを獲得しています。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。8月20日付ではビザラップ & ケベード「Bzrp Music Sessions, Vol. 52」がGlobal Excl. U.S.で4連覇を達成。Global 200では「Bzrp Music Sessions, Vol. 52」をハリー・スタイルズ「As It Was」が逆転し、13週目の首位を獲得しました。

ハリー・スタイルズ「As It Was」はGlobal 200において、同チャート史上最長となる13週目の首位を獲得。ストリーミングは前週比3%ダウンの6250万、ダウンロードは同7%ダウンの9,000を記録しています。

Global 200では4週連続の首位を逃したビザラップ & ケベード「Bzrp Music Sessions, Vol. 52」ですが、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.では4週目の首位に。ストリーミングは前週比30%ダウンの5760万、ダウンロードは同1%ダウンの800を記録しています。なおハリー・スタイルズ「As It Was」はGlobal Excl. U.S.では2位をキープしました。

ベニー・ブランコ、BTSスヌープ・ドッグ「Bad Dicisions」がGlobal 200で6位、Global Excl. U.S.では7位に初登場。Global 200ではストリーミングが4580万、ダウンロードが40,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが3630万、ダウンロードが21,000を記録しています。スヌープ・ドッグは両チャート開始以来初のトップ10入り、ベニー・ブランコは両チャート共に2曲目(ジャスティン・ビーバーとの「Lonely」がGlobal 200では2020年10月に5位、Global Excl. U.S.では同年11月に7位を記録)、そしてBTSにとっては双方のチャート共に10曲目のトップ10入りとなり、2名以上のグループとして、また韓国出身歌手として、双方で初の2桁ランクインとなりました。

DJキャレド feat. ドレイク & リル・ベイビー「Staying Alive」はGlobal Excl. U.S.でトップ10入りを逃したものの、Global 200では10位に初登場。ストリーミングは3500万、ダウンロードは6,000を記録しています。DJキャレドはGlobal 200で初、リル・ベイビーは6曲目、そしてドレイクにおいては同チャート史上最多となる19曲目のトップ10入りを達成しました。