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【海外ビルボード】ドレイク『For All The Dogs』収録曲が米&Global 200で大挙トップ10入りを達成

現地時間の10月16日月曜に発表された、最新10月21日付米ビルボードソングチャート(集計期間10月6~12日)。前週まで通算3週首位を獲得したドージャ・キャット「Paint The Town Red」は4位に後退、ドレイク feat. J. コール「First Person Shooter」が初登場で首位に立ちました。ドレイクはトップ10内に7曲、うち6曲を初登場にて送り込んでいます。

ビルボードソングチャート65年の歴史において1,157曲目、初登場での首位獲得は72曲目となるドレイク feat. J. コール「First Person Shooter」はストリーミングが4220万(同指標首位)、ダウンロードが4,000(同指標7位)およびラジオが430万(同指標50位未満)を記録しています。

First Person Shooter」により、ドレイクの首位獲得曲数はマイケル・ジャクソンに並びました。また初登場での首位獲得は9曲目となり、最多を更新しています。

<米ビルボードソングチャート 首位獲得曲数>

・20曲 ザ・ビートルズ

・19曲 マライア・キャリー

・14曲 リアーナ

・13曲 ドレイク、マイケル・ジャクソン

・12曲 マドンナ、ザ・シュープリームス

・11曲 ホイットニー・ヒューストン

・10曲 ジャネット・ジャクソンスティーヴィー・ワンダー

<ドレイク 米ビルボードソングチャート首位獲得曲一覧>

・「What's My Name?」(リアーナ feat. ドレイク 2010年11月20日付 1週)

・「Work」(リアーナ feat. ドレイク 2016年3月5日付以降 9週)

・「One Dance (feat. ウィズキッド & カイラ)」(2016年5月21日付以降 10週)

・「God's Plan」(2018年2月3日付(初登場)以降 11週)

・「Nice For What」(2018年4月21日付(初登場)以降 8週)

・「In My Feelings」(2018年7月21日付以降 10週)

・「Toosie Slide」(2020年4月18日付(初登場) 1週)

・「What's Next」(2021年3月20日付(初登場) 1週)

・ 「Way 2 Sexy (feat. フューチャー & ヤング・サグ」(2021年9月18日付(初登場) 1週)

・「Wait For U」(フューチャー feat. ドレイク & テムズ)(2022年5月14日付(初登場) 1週)

・「Jimmy Cooks (feat. 21サヴェージ)」(2022年7月2日付(初登場) 1週)

・「Slime You Out (feat. シザ)」(2023年9月30日付(初登場) 1週)

・「First Person Shooter (feat. J. コール)」(2023年10月21日付(初登場) 1週)

First Person Shooter」にてフィーチャーされたJ. コールは72曲目の100位以内エントリーにして初の首位到達。これまでの最高位は21サヴェージおよびモーレイと共演した「My.Life」(2021年5月)およびリル・ダークに客演参加した「All My Life」(2023年5月)における2位。J. コールのトップ10ヒットは12曲となりました。

ドレイクに話を戻すと、2020年代における首位獲得は今回で7曲となり、BTSを抜き単独トップに。なお2010年代は6曲を首位に送り込み、リアーナの9曲、ケイティ・ペリーの8曲、ブルーノ・マーズの7曲に続いています。

<米ビルボードソングチャート 各年代における最多首位獲得歌手>

2020年代:ドレイク (7曲)

・2010年代:リアーナ (9曲)

・2000年代:アッシャー (7曲)

・1990年代:マライア・キャリー (14曲)

・1980年代:マイケル・ジャクソン (9曲)

・1970年代:ビー・ジーズ (9曲)

・1960年代:ザ・ビートルズ (18曲)

※1958年8月4日付開始の米ビルボードソングチャートにおいて、1950年代(1958-1959年)はフランキー・アヴァロンおよびフリートウッズが最多となる2曲を首位に送り込んでいます。

 

ドレイクは最新10月21日付アルバムチャートにて『For All The Dogs』が首位に初登場。それに伴い収録された作品が上位に初登場を果たしています(先行曲でシザをフィーチャーした「Slime You Out」を除く)。アルバムチャートの翻訳記事は下記ポスト掲載のリンク先をご参照ください。

『For All The Dogs』からは7曲がソングチャートでトップ10入りし、トップ3も独占しています。このソングチャートトップ3独占はドレイクにとって2021年3月20日付、同年9月18日付に続く3度目となり、ドレイクおよびザ・ビートルズ(1964年 5週)の2組がトップ3独占を複数週にて果たしています。なおアリアナ・グランデおよびテイラー・スウィフトは1週のみこの記録を達成しています。ドレイク『For All The Dogs』収録23曲のソングチャート動向は以下のポストおよびリンク先をご参照ください。

「IDGAF」にフィーチャーされたイートにとっては初のトップ10入りとなり、また「Calling For You」に参加した21サヴェージは15曲目に(うち10曲はドレイクとのコラボレーション)。

ドレイクは2位以内に通算23曲を送り込み、ザ・ビートルズおよびマライア・キャリーと並び最多タイとなりました。なおザ・ビートルズは1位が20曲および2位が3曲、マライアは1位が19曲および2位が4曲、ドレイクは1位が13曲および2位が10曲となり、ドレイクにおける2位の10曲は最高記録更新となります。

またトップ5においてはドレイクが41曲となりザ・ビートルズ(29曲)、マドンナ(28曲)を引き離しています。加えてトップ10においてはドレイクが76曲となりテイラー・スウィフト(42曲)、マドンナ(38曲)との差を拡げています。

ドレイク feat. J. コール「First Person Shooter」はストリーミングを制し、ドレイクは最多記録を更新。19曲の同指標制覇はジャスティン・ビーバーおよびテイラー・スウィフトの6曲を大きく上回っています。またJ. コールは「Interlude」が2021年5月に首位を獲得して以来となる2曲目の同指標制覇となります。

また「First Person Shooter」はソングチャートと同様の計算方法によるホットR&B/ヒップホップソングチャートおよびホットラップソングチャートでも首位に。前者においてドレイクは30曲目の首位となり、アレサ・フランクリンおよびスティーヴィー・ワンダーの20曲を引き離し最多を更新しています(なお客演参加のJ. コールは3曲目の首位に)。また後者ではドレイクが最多更新となる30曲目、J. コールは3曲目の首位に立っています。

曲名関連では以下の記録も誕生しています。

<タイトルに"First"がつく曲の米ビルボードソングチャート制覇一覧>

ロバータ・フラック「The First Time Ever I Saw Your Face」(1972年4月15日付以降 6週)

・サーフィス「The First Time」(1991年1月26日付以降 2週)

・モニカ「The First Night」(1998年10月3日付以降 5週)

・ジャック・ハーロウ「First Class」(2022年4月23日付以降 3週)

・ドレイク feat. J. コール「First Person Shooter」(2023年10月21日付 1週)

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (初登場) ドレイク feat. J. コール「First Person Shooter

2位 (初登場) ドレイク feat. イート「IDGAF」

3位 (初登場) ドレイク「Virginia Beach」

4位 (1位) ドージャ・キャット「Paint The Town Red」

5位 (初登場) ドレイク feat. 21サヴェージ「Calling For You」

6位 (18位) ドレイク feat. シザ「Slime You Out」

7位 (2位) シザ「Snooze」

8位 (初登場) ドレイク「Daylight」

9位 (3位) テイラー・スウィフト「Cruel Summer」

10位 (初登場) ドレイク「Fear Of Heights」

トップ10は7曲が入れ替わりましたが、とどまった3曲のうちシザ「Snooze」(総合7位)はラジオ指標が前週比3%アップの7790万を記録し、同指標2週目の首位を獲得しています。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。10月21日付ではGlobal 200でドレイク feat. イート「IDGAF」が、Global 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.ではBLACKPINKのJENNIE(ジェニー)による「You & Me」が、共に初登場で首位を獲得しています。

今回はGlobal 200とGlobal Excl. U.S.にて、別々に記事が用意されています。

Global 200ではドレイク feat. イート「IDGAF」が初登場で首位に。ストリーミング6550万、ダウンロード2,000をそれぞれ記録しています。ドレイクは「What's Next」(2021年3月)、21サヴェージとの「Rich Flex」(2022年11月)に続く3曲目の同チャート制覇となり、いずれも初登場で首位に至っています。なおイートは初の首位獲得を果たしています。

ドレイクはGlobal 200において、2位にJ. コールを迎えた「First Person Shooter」、4位に単独名義の「Virginia Beach」、9位に21サヴェージをフィーチャーした「Calling For You」、そして10位にバッド・バニーが客演参加した「Gently」がトップ10入り。これによりドレイクのGlobal 200におけるトップ10入りは35曲となり、2020年9月の同チャート開始以降最多を更新しています(2位はテイラー・スウィフトの17曲)。J. コールは6曲目、21サヴェージは14曲目(うち11曲はドレイクとのコラボ)、バッド・バニーは16曲目のトップ10入りとなりました。

 

Global Excl. U.S.ではBLACKPINKのJENNIEによるソロ曲、「You & Me」が初登場で首位に。ストリーミングは6000万を記録しています(ダウンロードは記事未記載)。JENNIEはGlobal Excl. U.S.2曲目のエントリーにして初の首位となり、ソロ曲としてはROSÉ(ロゼ)「On The Ground」が2021年3月に初登場で制して以来2人目に。なおBLACKPINKとしては「Lovesick Girls」(2020)、「Pink Venom」(2022)および「Shut Down」(2022)が首位を獲得しています。

「You & Me」の首位獲得に伴い、BLACKPINKは複数のメンバーがソロとして首位を獲得、且つメンバー全員がトップ10ヒットを輩出したことになります(ソロ曲のトップ10ヒットは5曲に)。先述したJENNIEおよびROSÉに加えて、LISA(リサ)は2021年に「Lalisa」が2位、「Money」が7位を、JISOO(ジス)は今年4月に「Flower」が2位を獲得しています。なおBLACKPINKのトップ10ヒットは4曲となります。

 

なおJENNIE「You & Me」はGlobal 200において7位に初登場。ストリーミングは6510万を記録しています(ダウンロードは記事未記載)。JENNIEにとってGlobal 200でのトップ10ヒットは初となり、BLACKPINKとしては4曲を送り込んでいます(うち「Pink Venom」および「Shut Down」(共に2022)は首位を獲得)。こちらでもBLACKPINKの4名すべてソロ曲でトップ10入りを果たしており、LISAは「Lalisa」が2位および「Money」が10位(共に2021)、ROSÉは「On The Ground」が2021年3月に初登場で首位を獲得、またJISOOは「Flower」が今年4月に2位を獲得しています。

 

Global Excl. U.S.ではビザラップ & ミロ・J「Bzrp Music Sessions, Vol.57」が10位に初登場。ストリーミングは3930万を記録しています(ダウンロードは記事未記載)。アルゼンチン出身のビザラップにとっては4曲目のトップ10入りにして、いずれも”Bzrp Music Sessions”シリーズでのランクインとなります(ケベードとの「…Vol.52」が2022年7月以降通算6週首位、シャキーラとの「…Vol.53」が今年1月に2位、およびペソ・プルマとの「…Vol.55」が今年6月に1週首位を獲得。なおアルカンヘルとの「…Vol.54」は今年4月に22位、ラウ・アレハンドロとの「…Vol.56」は今年7月に17位を記録しています)。またビザラップ同様アルゼンチン出身のミロ・Jにとっては今作が初のトップ10ヒットとなりました。