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【海外ビルボード】ハリー・スタイルズ「As It Was」米で首位返り咲き、アルバムから複数が米&グローバルで初登場トップ10入り

現地時間の5月30日月曜が祝日のため翌31日火曜に発表された最新6月4日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。ハリー・スタイルズ「As It Was」が首位に返り咲き、また3曲を初登場にてトップ10内に送り込みました。

ハリー・スタイルズ「As It Was」はストリーミングが前週比58%アップの3560万(同指標2週目の1位)、ラジオが同5%アップの7370万(同指標3週目の1位)を獲得し、通算4週目の首位に(なおダウンロードは記事未掲載)。同曲におけるストリーミングは、初登場時の4月16日付における4380万以来の高い水準となっています。

「As It Was」の首位返り咲きは、アルバム『Harry's House』が最新の米ビルボードアルバムチャートで初登場首位を獲得したことが要因。また今作からは3曲が初登場でトップ10入りを果たし、いずれもストリーミング指標が大きく影響しています。総合4位には「Late Night Talking」(ストリーミング2700万 同指標3位)、総合8位には「Music For A Sushi Restaurant」(ストリーミング2080万 同指標4位)、総合9位には「Matilda」(ストリーミング2040万 同指標5位)が登場。「Late Night Talking」はラジオ指標で610万を記録しました。

活動休止中のワン・ダイレクションのメンバーのひとり、ハリー・スタイルズは今回の3曲初登場トップ10入りに伴いソロでのトップ10ヒットが7曲に。ワン・ダイレクションがトップ10内に送り込んだ6曲を上回りました。

またハリー・スタイルズによる4曲同時トップ10入り記録は、イギリス出身のソロ歌手として初の快挙達成。これまでの最高はドレイクの9曲(2021年9月18日付)で、次いで5曲がジュース・ワールド(2020年7月25日付)およびザ・ビートルズ(1964年4月4日付および4月11日付)となり、4曲同時トップ10入りは今回のハリー・スタイルズの他にケンドリック・ラマー、バッド・バニー、フューチャー、J. コール、ポスト・マローン、リル・ウェイン、T-ペインそして50セントが記録しています。

ここにきて新曲が一気にソングスチャートでトップ10入りするようになりました。1月から4月9日付までにトップ10入りした26曲のうち2022年リリースの作品はわずか2曲でしたが、その後の8週間でハリー・スタイルズ、ジャック・ハーロウ、モーガン・ウォレン、フューチャー、リゾ、バッド・バニーそしてケンドリック・ラマーによる今年リリースの作品が20曲、トップ10入りを果たしています。特にこの4週においては、フューチャー、バッド・バニー、ケンドリック・ラマーそしてハリー・スタイルズが、ニューアルバムから4曲をトップ10内に送り込んでいます。

 

前週まで通算3週首位を記録したジャック・ハーロウ「First Class」は2位に後退したものの、6週連続でトップエアプレイゲイナーを記録。ラジオ指標は前週比14%アップの6800万を獲得しました。6週連続でのトップエアプレイゲイナーはイマジン・ドラゴンズ & J.I.D「Enemy」(2月~4月)に並び、今年最長記録となります。

 

リゾ「About Damn Time」が9→5位となり、「Truth Hurts」(2019年9月 7週1位)、「Good As Hell」(2019年11月 3位)、カーディ・Bをフィーチャーした「Rumors」(2021年8月 4位)に続く自身4曲目のトップ5入りを達成(なおトップ10入りした4曲はすべて5位以内に到達)。ラジオは前週比25%アップの3530万を記録しています。この「About Damn Time」はダウンロードが前週比14%ダウンしたものの、11900を記録し同指標首位に。リゾによるダウンロード指標首位獲得は「Truth Hurts」(2019 5週)、「Good As Hell」(2020 1週)に続く3曲目となります。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (2位) ハリー・スタイルズ「As It Was」

2位 (1位) ジャック・ハーロウ「First Class」

3位 (4位) フューチャー feat. ドレイク & テムズ「Wait For U」 

4位 (初登場) ハリー・スタイルズ「Late Night Talking」

5位 (9位) リゾ「About Damn Time」

6位 (12位) グラス・アニマルズ「Heat Waves

7位 (10位) ラトー「Big Energy」

8位 (初登場) ハリー・スタイルズ「Music For A Sushi Restaurant」

9位 (初登場) ハリー・スタイルズ「Matilda」

10位 (14位) バッド・バニー feat. チェンチョ・コルレオーネ「Me Porto Bonito」

 

ハリー・スタイルズ『Harry's House』収録の13曲はすべて、30位以内にエントリーを果たしました。

ハリー・スタイルズはドレイクに次いで2組目となる、13曲以上を30位以内にランクインさせた歌手となりました。なおドレイクは2018年7月14日付で17曲、2021年9月18日付で19曲を30位以内に送り込んでいます。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。6月4日付ではハリー・スタイルズ「As It Was」が双方のチャートで8週連続の首位を獲得しています。

ハリー・スタイルズ「As It Was」は、Global 200においてストリーミングが前週比33%アップの1億1690万、ダウンロードが同18%アップの19300を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比24%アップの8300万、ダウンロードが同13%アップの9500を獲得。Global 200において「As It Was」は、初登場した4月16日付での1億2210万以来二度目となる、ストリーミング指標1億超えを達成しています。

当週はアルバム『Harry's House』初登場につき、ハリー・スタイルズは5曲をGlobal 200でトップ10内に送り込みました。2位に「Late Night Talking」(ストリーミング6600万、ダウンロード4900)、5位に「Music For A Sushi Restaurant」(ストリーミング4950万、ダウンロード2200)、6位に「Matilda」(ストリーミング4950万、ダウンロード2100)、10位には「Little Freak」(ストリーミング4350万、ダウンロード1400)がそれぞれランクイン。Global 200において5曲以上を同時トップ10入りさせたのはドレイク(2021年9月18日付 8曲)、バッド・バニー(2022年5月21日付 7曲)に続く3組目となります。なおそのバッド・バニーも今週、Global 200で4曲がトップ10入りを果たしています。

 

Global Excl. U.S.においては、ハリー・スタイルズ「As It Was」はアデル「Easy On Me」(2021年10月30日付以降 7週)を抜き、イギリス出身歌手で単独最長となる8週首位を達成。8週首位はBTS「Dynamite」(2020~2021)に並びました。なおGlobal Excl. U.S.での最長首位獲得記録はゲイル「Abcdefu」(2022年1月以降)、ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」(2021)およびオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」(2021)の9週となります。

ハリー・スタイルズはGlobal Excl. U.S.にて3曲が初登場でトップ10入り。3位に「Late Night Talking」(ストリーミング3980万)、8位に「Matilda」(ストリーミング2910万)、10位に「Music For A Sushi Restaurant」(ストリーミング2870万)がそれぞれランクインを果たしました。

またバッド・バニーはトップ10内に4曲、5位以内には3曲が登場。「Tití Me Preguntó」は8→5位となり初のトップ5入りを果たしたことで、Global Excl. U.S.におけるバッド・バニーのトップ5入り作品は6曲に。BTSの7曲に続く歴代2位の記録となりました。