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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】オリヴィア・ロドリゴ「Good 4 U」がBTS「Butter」に一矢報いる

ビルボードソングスチャート、現地時間の6月14日月曜に発表された最新6月19日付ソングスチャート(Hot 100)。BTS「Butter」が初登場から3連覇を達成しました。

BTS「Butter」はストリーミングが前週比19%ダウンの1540万(同指標19位)、ダウンロードが同1%ダウンの138400(同指標1位)、ラジオが同10%アップの2460万(同指標28位)。主にダウンロードがキープできたのは、デジタル2指標の集計期間初日となる6月4日金曜に”Cooler”と”Sweeter”のふたつのリミックスが解禁されたため。オリジナルやインストゥルメンタル、Hotterリミックス等はすべて69セント(0.69ドル)で安価販売されており、これらが功を奏した形です。またBTSのホームページで販売されたレコードおよびカセットテープは6月18日にカウントされる予定で、再来週のダウンロード指標に影響する模様です。

さらにBTSは、「Butter」をCDでもリリースするとアナウンス。いずれこの影響も出てくることでしょう。なお、新曲の登場も噂されています。

「Butter」の3週首位は、BTSにとって「Dynamite」と並ぶ記録に。3連覇は今回が初ですが、次週は自身初となる同一楽曲での4週首位という記録に挑みます。

 

オリヴィア・ロドリゴ「Good 4 U」が首位初登場後、3週連続で2位をキープ。ストリーミングは前週比15%ダウンの4210万(同指標1位)、ダウンロードは同5%ダウンの11100(同指標5位)、ラジオは2週目となるトップエアプレイゲイナーを獲得し前週比38%アップの2780万(同指標21位)を記録。BTS「Butter」とはストリーミングで3倍近い差を、ラジオでも300万以上の差をつけながら、ダウンロードが大差となり逆転勝利を収めることができませんでした。

BTS「Butter」とオリヴィア・ロドリゴ「Good 4 U」のワンツーフィニッシュはこれで3週連続。これはロディ・リッチ「The Box」とフューチャー feat. ドレイク「Life Is Good」が2020年1月から3月にかけて8週続けてワンツーフィニッシュとなって以来となる連続記録となります。

 

バッド・バニー「Yonaguni」が10位に初登場。ストリーミングは2730万(同指標2位)、ダウンロードは4800(同指標18位)を記録しています。バッド・バニーにとってはカーディ・BおよびJ・バルヴィンとの「I Like It」(2018 1位)、ドレイクをフィーチャーした「MIA」(2018 5位)、 ジェイ・コルテスとの「Dákiti」(2020 5位)に続く4曲目のトップ10入りにして、客演や共演なしでは初。この”Yonaguni”とは日本最西端の与那国島を指し、歌詞には日本語も登場します。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) BTS「Butter」

2位 (2位) オリヴィア・ロドリゴ「Good 4 U」

3位 (3位) デュア・リパ feat. ダベイビー「Levitating」

4位 (6位) ジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」

5位 (4位) シルク・ソニック(ブルーノ・マーズ & アンダーソン・パーク)「Leave The Door Open」

6位 (5位) ザ・ウィークエンド & アリアナ・グランデ「Save Your Tears」

7位 (7位) ドージャ・キャット feat. シザ「Kiss Me More」 

8位 (9位) マスクド・ウルフ「Astronaut In The Ocean」

9位 (8位) オリヴィア・ロドリゴDeja Vu

10位 (初登場) バッド・バニー「Yonaguni」

ジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン「Peaches」が2ランクアップした要因として、リミックスの投入が考えられます。デジタル2指標の集計期間前半、「Peaches」の客演陣を差し替えたリミックスが登場しました。

新たな客演はリュダクリス、アッシャーそしてスヌープ・ドッグという、2000年頃の雰囲気をさらに強めた布陣となりましたが、ソングスチャートの客演名義が変わっていないことから、リミックスバージョンがオリジナルよりもポイントを稼げなかったということになります。

なお、ラジオ指標のトップは引き続きシルク・ソニック「Leave The Door Open」(総合5位)が、9週連続でその座をキープ。前週比2%ダウンの8900万を獲得しています。

 

 

昨年秋に新設されたグローバルチャート、その速報も紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。6月19日付ではGlobal Excl. U.S.でBTS「Butter」が3連覇を達成した一方、Global 200ではオリヴィア・ロドリゴ「Good 4 U」が3週ぶりに首位に返り咲きました。

オリヴィア・ロドリゴ「Good 4 U」はGlobal 200において、ストリーミングが前週比11%ダウンの1億950万、ダウンロードが同5%ダウンの17600を獲得。8週首位を記録した「Drivers License」以来2曲目となる、複数週での首位を達成しています。一方Global Excl. U.S.では「Good 4 U」は2位に。

そのGlobal Excl. U.S.ではBTS「Butter」が3連覇を達成(一方のGlobal 200では2位に)。ストリーミングは前週比30%ダウンの1億610万、ダウンロードは同12%ダウンの36600を記録。Global 200での数値は明らかになっていませんが、同様のペースでダウンしているものと思われます。

バッド・バニー「Yonaguni」がGlobal 200で3位、Global Excl. U.S.で4位に初登場。Global 200ではストリーミングが1億120万、ダウンロードが5800を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが7420万、ダウンロードが1000を記録。バッド・バニーにおいてはジェイ・コルテスとの「Dákiti」(Global 200、Global Excl. U.S.共に1位)、「La Noche De Anoche」(Global 200 7位、Global Excl. U.S. 8位)に次ぐトップ10入りを果たしています。

 

 

来週はBTS「Butter」の動向が気になります。オリヴィア・ロドリゴ「Good 4 U」との差をストリーミングやラジオで詰めていくことができるか、それとも強みである所有指標を伸ばすことを第一義とするか…これがゆくゆくはグラミー賞にも影響を及ぼすものと個人的には捉えています。