イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

TBSラジオの秋改編は金曜のプレミアム化と平日の時間認識強化にある

TBSラジオがこの秋、大改編を実施します。

有馬隼人とらじおと山瀬まみと』(金曜8時30分)が終了、『ジェーン・スー 生活は踊る』(月-金曜11時)が月-木曜に変更し、この2枠を用いて『金曜ボイスログ』がはじまります。

また『ACTION』(月-金曜15時30分)が終了し、同枠には『荻上チキ・Session-22』(月-金曜22時)が『荻上チキ・Session』として移動。

荻上チキ・Session-22』の後枠には新番組『アシタノカレッジ』が登場。『ACTION』金曜担当の武田砂鉄さんが同曜日を、月-木曜をキニマンス塚本ニキさんが担当します。

他にも新番組が登場するものと思われますが、何よりこれら生放送枠の改編は非常に大きいと思われます。

 

TBSラジオの今回の改編の目的は、【平日における金曜のプレミアム化】そして【月-木曜のメインパーソナリティ固定】という2つの目的があると考えます。後者についても、金曜の特別感を演出する意味で前者を補強していると言えそうです。

【平日における金曜のプレミアム化】については、聴取率で追随するJ-WAVEが月-木曜と金曜がほぼ完全に別番組(6-27時が別)となっており、金曜は他の平日と異なることを強く訴求しています。ニッポン放送においては明日開始の新番組に伴い、8時28分から夕方までが異なる形に。そしてNACK5では小林克也さんによる長時間番組『FUNKY FRIDAY』が四半世紀以上放送されています。首都圏ラジオ局の多くは金曜を他の平日とは異なる編成にしているのですが、TBSラジオは今回の改編で8時30分から15時半枠を変更する形となり、ラジオ局の全体の流れに合わせてきたと言えそうです。

他方、『ACTION』の終了も大きな意味を持ちます。それは同枠に報道番組が帰ってくるということでもありますが、大事なのは月-木曜においてメインパーソナリティが全て統一されるということ。『ACTION』全曜日に出演していた幸坂理加さんはアシスタントの位置付けであり、秋以降金曜夜枠を担当する武田砂鉄さんが(メイン)パーソナリティという立場となります。『たまむすび』でも月-木曜と金曜で(メイン)パーソナリティが異なることから、TBSラジオは改編のタイミングで【月-木曜のメインパーソナリティ固定】という形を採ります。

このふたつの変更により、TBSラジオを金曜に聴くと”(土日休みの方にとっては)明日は休み”という意識が高まり、また平日の(メイン)パーソナリティが固定されることでリスナーに”今だいたい○時だ”という認識がより強まることになるでしょう。この認識は、日々の生活に寄り添うメディアにとって重要なものであるはずです。

 

ラジオ局は、テレビ局の平日生ワイド番組ではほぼ見られない金曜プレミアムシフトを徹しつつあります。あたかもプレミアムフライデーと形容されるかもしれないその仕様は、ラジオが聴取者にとって、他メディア以上に寄り添っているからこそ生まれたのではと感じています。無論、番組の成功がなければまた元に戻るのかもしれませんが、その推移を見守っていきましょう。