イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2020年8月の私的トップ10ソングス+α、選びました

1月からはじめた【私的トップ10ソングス+α】企画。前の月にリリースされた曲を中心に、しかしその縛りは出来る限り緩くした上で選んでみました。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。過去の私的トップ10ソングス、および2020年上半期の邦楽ベストソングスについてはこちらをご参照ください。

ちなみに個人的に毎回チェックしているプレイリストは現時点において主に、New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spinとなっています。

 

 

10位 Negicco「午前0時のシンパシー」

アレンジをPARKGOLFさんが、ソングライトを一十三十一さんが担当したNegiccoの新曲。十一さんにセルフカバーしてほしいという思いも強く抱きつつ、しかしアイドルソングとして不思議と違和感がありません。これはひとえにNegiccoの持つ変わらない鮮度ゆえにあらゆる曲をアイドルらしい瑞々しさに昇華できるゆえでしょう。

 

9位 PJ・モートン feat. J・モス「Repay You」

マルーン5のメンバーとしても活躍するR&B歌手、PJ・モートンの初となるゴスペル作『Gospel According To PJ』収録曲。牧師でゴスペルシンガーでもある父の流れを受け継いだかの如き作品はカーク・フランクリンやクラーク・シスターズ等客演も豪華。R&Bプロデュースも行うJ・モスを迎えた曲はJ・モスらしいコーラスワークが活き、特に終盤の高揚感が堪らない一曲。

 

8位 カルヴィン・ハリス feat. ザ・ウィークエンド「Over Now」

ジャンルの壁がいい意味で壊れたこの数年の音楽を代表する2組のコラボレーション。カルヴィン・ハリスの傑作アルバム『Funk Wav Bounces Vol.1』(2017)の流れを組むと思しきこの曲で、同作の第2弾を期待せずにはいられません。なにより、1980年代シンセポップの要素が活きた「Blinding Lights」で米ラジオソングスチャート首位記録を更新中のザ・ウィークエンドをフィーチャーしたこの曲が悪い訳ないのです。

 

7位 バイ・アレクサンダー feat. Tanerélle「Stalling」

(※”Tanerélle”についてはカタカナ表記が不明のため英語にて記載しています。)

イマジン・ドラゴンズやエミネム等を手掛けたプロデューサー、アレックス・ダ・キッドがバイ・アレクサンダー名義でジャズアルバムをリリース。ジャンルにとらわれない活躍も素晴らしいながら、ジャズに馴染みがない方でもヒップホップ的ドープな質感に身震いすること間違いありません。アウトロの展開も見事。

 

6位 fox capture plan feat. おかもとえみ「甲州街道はもう夏なのさ」

Lantern Paradeによる2005年曲のカバー。フレンズのおかもとえみさんの気怠げなボーカルとジャズになりすぎないfox capture planのアレンジが絶妙。そして歌詞にはいい意味で驚かされます。 

 

5位 蓮沼執太フルフィル「FULLPHONY IV : Faces」

蓮沼執太フィルに公募による10名を加えた総勢26名のフルフィルとして生まれたアルバム『FULLPHONY』収録。同名の4楽章の最後を飾るこの曲におけるオーケストラとヒップホップの豊かな融合よ。この曲を楽章の最後に据えたセンスの良さにも脱帽です。

 

4位 (G)I-DLE「Tung-Tung - Empty」

ザ・チェインスモーカーズ feat. ホールジー「Closer」的なサウンドをより内省的にした感があるこの曲は、K-Popアクトの(G)I-DLEによる日本向けミニアルバム『Oh My God』に収録された日本オリジナルナンバー。個人的にはK-Popアクトに、J-Pop特有の歌謡曲的落とし込みが一切ない曲を求めていたので、この曲の登場を心から嬉しく思います。日本語の発音も流麗であり、一方で韓国語的発音が感じられるラップパートではその発音が説得力を高めプラスに作用しているというのも素晴らしいですね。

 

3位 レデシー feat. サー・ロック「Wake Up」

R&Bやゴスペル界において、8月28日はベテランの新譜が多数リリースされた重要日。先月上位に登場したケム、そのケムに客演参加したトニ・ブラクストン、先に取り上げたPJ・モートン等…そしてレデシーもそのひとり。3年ぶりのアルバム『The Wild Card』からの先行曲は攻めのジャジーなナンバーで、インディ時代にジャズアルバムをリリースしたことのあるレデシーにとっては余裕とすら言える歌声を披露しています。ピアノはロバート・グラスパーとのことで、音のふくよかさに納得。

 

2位 ビリー・アイリッシュ「My Future」

リリースは7月末。本来当該月に選ぶべきでしたが、一度手放したもののその曲の良さが忘れられなかったこと、R&Bに精通した音楽評論家の林剛さんの賞賛コメントを読み納得したこと、この曲そして彼女のスタンスに共感したこと等によりこの位置にて選出した次第。政治について真剣に考え、より良い未来を選ぼうとするスタンスについては下記をご参照ください。

 

1位 リアン・ラ・ハヴァス「Please Don't Make Me Cry (Jordan Rakei Remix)」

オリジナル版は先月の7位に選出していますが、リミックスはそれをさらに上回る素晴らしさ。リミックスを1位に据えたのは他が優れていないというわけではなく、この曲があまりに見事だったから。別エントリーにて取り上げていますのでよろしければ。

 

 

以下、次点として10曲。

・Gorilla Attack「隔世 gorilla」

坂本真綾「躍動」

・BAD HOP feat. T-Pablow, Tiji Jojo & Benjazzy「Bayside Dream」

・BBHF「君はさせてくれる」

・デュア・リパ&ザ・ブレスド・マドンナ feat. グウェン・ステファニー「Physical (Mark Ronson Remix)」

ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー「Kill My Time」

・アイコナ・ポップ「Feels In My Body」

・ジェイデン with ジャスティン・ビーバー「Falling For You」

・ジェフ・ブラッドショウ feat. マーシャ・アンブロージアス「I Do (Sincerely)」

ザ・ロックス feat. T-ペイン「Miss You」

タイトルに狙った感を抱きつつも、何らいやらしく感じさせないBBHFの心地よさ。遂に音楽活動本格復帰と思しきあの方が所属する(一応正体は濁しておきますが)Gorilla Attackのその人らしさ全開のトラック。そして以前記しましたがジャスティン・ビーバーの客演の見事さ…8月も良曲に溢れていました。

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。