(※追記(2023年3月18日5時9分):はてなブログにてビルボードジャパンのホームページを貼付すると、きちんと表示されない現象が続いています。そのため、表示できなかった記事についてはそのURLを掲載したビルボードジャパンによるツイートを貼付する形に切り替えました。)
一昨日発表された9月7日付ビルボードジャパンソングスチャートについて、翌日になってビルボードジャパンがチャートの訂正を実施(欅坂46「誰がその鐘を鳴らすのか?」がダウンロード1→21位に訂正。これに伴い総合ソングスチャートも8→23位となり、9位以下が繰り上がり)。それに基づき、昨日のブログエントリーについてはキャプチャおよび表を一部変更しました。
さて、その9月7日付ビルボードジャパンソングスチャートより、YouTubeの取り扱いが変更となっています。
ビルボード・ジャパン・チャート、YouTubeデータの取り扱いを2020年9月より変更 https://t.co/j4uAqHvUhs pic.twitter.com/dIlHwKKkVu
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2020年8月27日
全て同じ係数で反映されていたYouTubeについて、ビデオとオーディオとに区別、また有償サービスの会員による1再生が無償会員のそれに比べてウェイトが大きくなるのが今回のチャートポリシー変更の特徴です。
この変更がはじめて反映された9月7日付ビルボードジャパンソングスチャートを紹介するポッドキャストにて、YouTube側で様々なデータの切り出し方ができるようになってきたことを踏まえて下記の詳細な説明が行われていましたので、勝手ながら文字起こしさせていただきます。詳しくは下記ポッドキャストをお聞きください。
主に語られたのはYouTubeにおける【オフィシャルコンテンツとUGC(ユーザー生成コンテンツ)との違いについて】です。
●オフィシャルコンテンツとUGC(ユーザー生成コンテンツ)の違いとは?
・オフィシャルコンテンツを決定する4つの条件
① 対象の動画がサウンドレコーディングアセットが正しく埋め込まれたミュージックビデオアセットにより申し立てされたもの。
(サウンドレコーディングアセット:日本レコード協会が出しているISRC(国際標準レコーディングコード。レコーディングの識別に用いられる唯一の国際標準コード)、アルバムのメタデータと呼ばれるもの(楽曲名やアーティスト名の情報等)、音声のマスターレコーディングで構成。ミュージックビデオアセット:音声と映像で構成された音楽コンテンツ。)
② ミュージックビデオアセットの90%以上が動画に利用され、且つ動画の90%以上がミュージックビデオアセットによって構成されているもの。
③ 動画をアップロードするのがオフィシャルチャンネル発であること。オフィシャルチャンネルはYouTubeのアルゴリズムにより決定。人的に(人が確認して承認するプロセスを経て)オフィシャルチャンネルとしているものもあるとのこと。
④ 動画が単一の楽曲で構成され、且つその動画の目的が楽曲を表現することにフォーカスされていること。この点もYouTubeがアルゴリズムで判定。
※①~④を満たさない場合でも、YouTubeが独自の判断でオフィシャルに区分する動画もあるとのこと。
UGCは ”song UGC”と”non-song UGC"の2つに区分される
・”song UGC”を決定する4つの条件
① オフィシャルコンテンツの4つの条件を満たしていない、すなわちオフィシャルコンテンツではないこと
② サウンドレコーディングアセットによって申し立てはされていること。
③ サウンドレコーディングアセットの90%以上が動画に利用され、且つ動画の90%以上がサウンドレコーディングアセットによって構成されているもの。
(※ポッドキャストでは先述したオフィシャルコンテンツの②と同様として述べられていますが、上記③においてはミュージックビデオアセットではなくサウンドレコーディングアセットとして語られています。)
④ 動画のタイトルにサウンドレコーディングアセット(メタデータ等)が一定程度適切に含まれているもの。
・”non-song UGC”を決定する条件
① サウンドレコーディングアセットやミュージックビデオアセットの申し立ては入っているものの、”song UGC”の要件を満たしていないもの。
・複数の楽曲が含まれている動画の取扱について
コンテンツIDによる申し立てが付いているものは”non-song UGC”になる可能性が高い。
YouTubeの取扱変更について取り上げた弊ブログでは、米ビルボードソングスチャートでのさらに一歩進んだ取り組みとして、今年1月18日付よりUGCを”song UGC”と”non-song UGC"とに区分し前者のウェイトを変更、後者をカウント対象から除外したことについて紹介しました。
今回のポッドキャストにおける説明の終わりに、動画の3つの区分について『これをどうチャートに活かしていこうか、みたいなところは、後々いろいろ発表させていただくことになるかもしれない』と語っていたことから、今回のチャートポリシー変更では言及されず変更の対象外であったUGCの区分化についても近いうちに改定されるものと考えます(『』内については、なるべく口語に沿って記載しています)。仮に米ビルボードソングスチャートと同じ扱いになれば、たとえば歌ってみた動画が多い作品ほどポイント獲得が抑えられるかもしれません。個人的には米に倣ったUGCの区分化は必要ではないかと感じています。
最後に、ビルボードジャパンには今回の情報を文章化してほしいと強く願います。非常に分かりにくい内容であり整理してほしいというのが理由のひとつ、また説明においてオフィシャルコンテンツの条件②と”song UGC”条件の③は同じとしながら、アセットがミュージックビデオなのかサウンドレコーディングなのかよく分からなかったのがもう一つの理由です(出演者が純粋に間違えたのか混同されていたのかは解りかねます)。おそらくテレワークでの録音のためか、音質も芳しくなく聞き取りにくい点もみられますので、尚の事文章化を切に願うばかりです。