昨日放送の『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 毎週日曜13時)に初登場もしくは再登場した曲が引っ掛かったのでメモ。どちらも80年代を想起させる、懐かしくも新しい曲なのです。
まずは66位に初登場した、カーリー・レイ・ジェプセン「Higher」。
昨年のJ-WAVE年間チャートを制した「I Really Like You」を収録したアルバム、『E・MO・TION』の収録曲に選ばれなかった曲の中から8曲をまとめた配信アルバム『E・MO・TION Side B』からの先行曲。アルバムは先月末に配信リリースされています。
非常にキャッチーで、なぜこの曲が昨年のアルバムに収録されなかったのかと首を傾げるほど。ちなみに最終選考に残ったのはおよそ40曲なので、"Side Dまで出るのでは?"というのは番組ナビゲーター、クリス・ペプラーさんの弁。「Higher」は個人的に、昨年のヒット曲だったジェイソン・デルーロ「Want To Want Me」を想起させました。
そして90位に再登場したのは、クロエ・ローズのデビュー曲、「For Me」。
EDMやハウスというよりは80年代ポップに近い感触。クリス・ペプラーさんも懐かしいと語っていたと記憶していますが、この曲のプロデュースはなんとマイク・ストック。80年代の音楽業界を席巻したプロデューサーチーム、ストック・エイトキン・ウォーターマンの一員なのです。たしかに当時の質感が漂っているといえるかもしれませんね。
ストック・エイトキン・ウォーターマンについては弊ブログでも以前から触れていますが、彼らの近年を調べていなかったなあと反省し調べてみると...マイク・ストックは、イギリスのオーディション番組『The X-Factor』出身、シェイン・ワードの4枚目となるアルバム『Closer』(2015)を全面的に手掛けています。先行シングル「My Heart Would Take You Back」はシェインの大好きなスタイリスティックス等に敬意を示し制作されたバラードですが、アルバム巻頭を飾る「Moving Target」に、ストック・エイトキン・ウォーターマン時代の片鱗を見ることが出来ます。
そしてマイク・ストックはあのニッキー・フレンチの大ヒット曲に貢献。ニッキーといえば1995年、ボニー・タイラーのカバーである「Total Eclipse of the Heart」で世界的に大ヒットを記録したことで知られる(というかヒット曲はこの曲のみといっても過言ではない)方ですが、その曲のプロデューサーがストックおよびマット・エイトキン...つまりウォーターマン以外のふたりだったのです。
そのニッキーが昨年リリースしたシングル、「This Love」で、ニッキーは再度ストックを招聘したという次第。歌い出しでのピアノが奏でるビートに、「Total...」っぽい!と嬉しくなってしまいました。
ちなみに今回紹介した、カーリー・レイ・ジェプセンを除く3組はいずれも、MPG(Modal Production Group) Records所属。このレーベルにはイギリスで子供向けの冠番組を持つGo!Go!Go!という男女混合グループも所属しているのですが、彼らの曲「Back In The Day」は完全なストック・エイトキン・ウォーターマン仕様。クレジットは確認できなかったものの、この曲が今回紹介した中で最も80年代感全開ではないかと。レーベル設立にスコットが関わっている模様ゆえ、この曲もほぼ間違いなくスコットが手掛けているものと思われます。
ここにきてマイク・ストックはふたたび何か大きなことを仕掛けようとしているのではないかと思うのですが如何でしょう。次にレーベルに所属するのがリック・アストリーだったら面白いかもしれませんね。