イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

TOKYO FM、秋からの平日生ワイド『THE TRAD』の肩書に対する違和感

一昨日はラジオに関して、このようなブログエントリーを記載しました。

上野(うわの)由加里さんから感じられる柔らかな雰囲気、全国区で活躍しているDJに例えるならばクリス智子さんでしょうか。クリス智子さんは現在J-WAVEで『GOOD NEIGHBORS』(月-木曜13時)を担当中、また長きに渡りJ-WAVEで活躍している方。そして『GOOD NEIGHBORS』は今年の日本民間放送連盟賞、ラジオ生ワイド番組部門で優秀賞を受賞しました。受賞理由は『ナビゲーターがゲストの魅力を引き出し伝えている。どのシチュエーションでも気持ちよく聞くことのできる選曲が優れている』ため(『』内は表彰番組・事績 | 一般社団法人 日本民間放送連盟より)。1回の放送で2組のゲストを生で招き、収録でもゲスト紹介パートがあるという出演者の多い番組ですが、その全てに心から興味を持ちまた敬意を払い、魅力を伝えんとする姿勢は見事だと思います。

そのクリス智子さんが休みの際、『GOOD NEIGHBORS』で代打を務めることが多かったのがOKAMOTO'Sのハマ・オカモトさん。ですがしばらく代打はなさそうです。というのもこの秋からハマさんは真裏に回ることに。おそらくは『GOOD NEIGHBORS』を聴いたTOKYO FM側が打診したのだろうと思われます。

月-木曜を通して吉田明世さんがアシスタントを務め、月・火曜を”店長”の稲垣吾郎さんが、水・木曜を”副店長”のハマ・オカモトさんがメインを担当。『さまざまなジャンルの流行に左右されない上質な音楽、ゲストを招きながら、文学、グルメ、アート、映画などのカルチャー情報を発信』(日刊スポーツの記事より)というコンセプトは『GOOD NEIGHBORS』っぽいなと。 

ただ気になるのは、なぜ稲垣さんとハマさんとで肩書に差をつけるのかという点。年齢やキャリアの差ゆえかもしれませんし、たしかに稲垣さんがラジオレギュラーを務めるというインパクトは稲垣さんが独立した直後から、旧態依然とした芸能界やメディアからの逆風(的扱い)を受けてきたことを踏まえれば大きいとはいえ、TOKYO FMや番組コンセプトには納得いかない自分がいます。店長副店長という肩書を付けることは、格上格下を作るかのようでなんだかなあと思うのです。

 

ラジオもテレビも、受け手に”この人が出ているから聴く(見る)”という行動を促すべく、知名度の高い方を用意するのはごく自然なことです。しかしラジオについて言えば、特に平日帯の放送は聴取の習慣化が大事であり、知名度の高さよりも優れた喋り手かどうか(それこそ上野由加里さんについてのブログエントリーで触れた、優れたラジオ人の条件を満たす方)や番組コンセプトが聴き続けるか否かを最終的に決定するものではないでしょうか。『THE TRAD』が永く愛されていくかは、稲垣さんハマさん吉田さんがラジオの技量を磨いたりラジオへどれだけの愛情を注いでいるか次第だと考えます。そして、店長等の番組初期設定は早い段階で廃してほしいというのが私見です。

同日朝のテレビ番組で取り上げられたNovelbrightとみゆなの明暗を分けたキャッチコピー問題

先日Real Soundに寄稿したこちらの記事について。

偶然にも、この公開日が『めざましテレビ』(フジテレビ 月-金曜5時25分)でNovelbrightが取り上げられた直後だったこともあり、多くの方にシェアされた模様です。感謝申し上げます。

さて、Novelbrightについては特筆すべき事態が発生しました。

このOA翌日、彼らの楽曲「Walking with you」が遂にSpotifyバイラルチャートを制したのです。

SNSで楽曲がシェアされた回数を示すバイラルチャートを制したのは、「Walking with you」が『めざましテレビ』で取り上げられた影響もさることながら、Novelbrightが積極的にSNSを活用していることの証拠。今の時代ならではのヒットの仕方とバンド側は評していましたが、まさに新しいヒットの形と言えます。最新10月7日付ビルボードジャパンソングスチャートでも63位につけており、次週のさらなる上昇が期待されます。

 

一方、同じ日に真裏の番組で取り上げられながら、明暗が分かれてしまったのがみゆな「ユラレル」ではないかと。

みゆなさんを”椎名林檎2世”と(キャッチコピーを付けて)紹介したことで、”どちらにも失礼”等の声が多く寄せられ、その一部の声が鋭くなってしまったことでいわゆる炎上状態になったそう。みゆなさん側は悪くないのではと思うのですが。

みゆなさんは現在、先月リリースしたミニアルバム『ユラレル』の表題曲がヒット中。ビルボードジャパンソングスチャート100位以内には登場していないものの、ラジオエアプレイでは2週連続トップ10入りし、ダウンロードも最新週で300位以内に初登場を果たしています。

イントロの不穏さはビリー・アイリッシュ「Bad Guy」を匂わせつつ、その模倣に決して陥らない楽曲。宮崎県在住とのことで九州地方でラジオエアプレイが突出し偏りはあるものの、吉岡里帆さん主演映画『見えない目撃者』主題歌に起用されたこともあり、徐々に認知度を高めていくことは間違いないでしょう。

しかしながら「ユラレル」は先週金曜のSpotifyバイラルチャート、50位以内に登場していません。タイアップやラジオエアプレイ等ヒットの下地は十分なのですが、おそらくは『ZIP! 』の取り上げ方が好くなかったために「ユラレル」を積極的に聴きたいと思った方が少ないのではないでしょうか。バイラルチャートに登場しないのは口コミが少ないということであり、キャッチコピーの設定ミスがSpotifyユーザー等の反感を買ってしまったのではないかと思うと、『ZIP! 』の今回のミスはみゆなさんにとって実に勿体ないと思わざるを得ません。

元青森放送アナウンサー、上野由加里さんのラジオ番組が先月で終了していた件

弊ブログエントリーで最近アクセス数を伸ばしているのが青森放送(RAB)の元アナウンサー、上野(うわの)由加里さんに関連したものでした。昨年春に退社し、同年秋からSTVラジオにて洋楽番組『playlist』を担当していたのですが、ナイターシーズンになり日曜22時からの30分番組として枠移動(とはいえ時間は半減)したものの、この秋から以前のように土曜17時台1時間番組に戻ることはありませんでした。なるほど、最終回を機に彼女の動向を探そうとして弊ブログにたどり着いた方が多かったのですね。

番組最終回は9月29日。明日までradikoタイムフリー機能にて確認出来ます(北海道以外に住む方は有料会員のみ聴取可能)。終了の理由は自身の体調の変化に因って家族との生活を優先するため。体調の変化と聞いて一瞬心配になりましたが、悪い意味は何もないとのこと、そして上野さんのラジオ再開の意思を確認出来て安堵した次第です。

上野由加里さんについては以前も書きましたが、イントロ乗せや滑舌等の技術力、音楽への知識や愛情も素晴らしく、青森県でラジオを担当していた頃からそのレベルは県内一、二を争ったと言っても過言ではありませんし、全国に通用するレベルだと思っています。ゆえにその不在は残念ですし、30分枠は短すぎるというのが本音ですが、またいつの日かマイクの前に立ち、洋楽やラジオ好きを増やしてくれることを願っています。

星野源新EP『Same Thing』、日本と世界を共に見据えたリリースタイミング

今朝、驚きのニュースが飛び込んできました。

『Pop Virus』(2018)以降の音楽観がどうなるか気になっていたのですが、スーパーオーガニズムとのコラボレーションとは!と、いい意味で驚かされます。EPにはその表題曲の他、PUNPEEとの「さらしもの」、そしてさらなるコラボ曲「Ain't Nobody Know」等全4曲が収録され、10月14日にデジタル解禁。「Same Thing」は日本時間の午前1時にApple Musicのラジオ、Beats 1で解禁された後Apple Music独占でストリーミング解禁されています。

リリースが10月14日月曜、そして先行曲が一部サブスクリプションサービス限定ながら本日金曜解禁というスケジュールの策定は見事だと思うのです。

月曜解禁は未シングルCD化ながらビルボードジャパンソングスチャートを2連覇した「アイデア」(2018)をなぞるかのよう。

「アイデア」はシングルCDセールスとルックアップ、当時未解禁のストリーミングという3指標が加算不可の状況でチャートを制しています(ちなみにカラオケは今年度よりはじまった指標)。ビルボードジャパンソングスチャートが月曜からの1週間を集計期間とするため、1週間フルでカウントするべく月曜リリースしたことに。EP『Same Thing』も「アイデア」の手法を意識していると言えるでしょう。

そして、一部ではありますが「Same Thing」を金曜に先行公開したのは、日本を除く世界の楽曲リリースが金曜標準となっているためではないかと。たとえば米ビルボードソングスチャートにおいてはダウンロードおよびストリーミングが金曜からの1週間、ラジオエアプレイはその3日後の月曜からの1週間が集計期間となるため、チャート上で有利にすべく金曜リリースが基本となり、だからこそ海外では歌手がリリース直前にSNSでサプライズ告知するスタイルが定番化。そして今回、星野源さんもInstagramで同種の告知を行っています。特にストーリー機能を活用しているのは巧いですね。

「Same Thing」は先行公開をApple Musicに限定しているため世界のチャートを駆け上がるかは不明ですし、日本のチャートでも集計期間3日間のみであるため次週発表のチャートでは思ったほど伸びないかもしれません。しかし、世界ツアーを回ることやSNSの活用、海外歌手とのコラボレーション等を考えれば、星野源さんは世界を見据えた活動を行っていると言えるでしょう。下記ティーザーが出ていることを踏まえれば、リリース日に合わせてミュージックビデオが公開されることも予想出来、そうなれば動画再生指標も1週間フルカウントされることで10月28日付のビルボードジャパン各種チャート(10月23日発表)で存在感を示すでしょう。

 

今回のリリースにおいては”水曜解禁”が一切ありません。水曜といえば日本におけるCDリリース日ですが、デジタルが主流となればその前提も崩れていくことでしょう。尤も、世界を見据えた音楽活動を行うならば水曜にこだわるのは正しくないかもしれません。

シングルCDセールスのみに特化した曲は真のヒットと言えるか? カラオケ指標への私見、そして新しいヒットの形…10月7日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

9月23~29日を集計期間とする、10月7日付のビルボードジャパン各種チャートが昨日発表されました。こちらを踏まえ、毎週木曜はソングスチャートを中心に、最新チャートを押さえていきます。

まずは前週ソングスチャートを制したこの曲について。

 

AKB48サステナブル」は真のヒットに至らず

ここ最近のAKB48の動向を踏まえ、前週首位に立った際に今週の動向を注視せよと書きました。

次週、前週比5%未満且つ2週先行でシングルCDがリリースされた乃木坂46「夜明けまで強がらなくてもいい」(今週8位)を下回るならば、AKB48サステナブル」は社会的なヒットとは言えないというのが私見です。

その結果。

初週のシングルCDセールスは前作「ジワるDAYS」に勝ったものの、2週目のCDセールス前週比は0.5%でこちらも2018年度以降の作品では最低に。初週の爆発力の反動、そして他指標が伴わないこともあり(2018年度以降の作品で、シングルCDセールス加算2週目において全指標トップ10未ランクインは今作が初)、「サステナブル」が社会的なヒット曲とは言えないというのが私見です。

ゆえに、今年の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)でAKB48が出場する可能性は高くない、その枠は日向坂46が担うものと考えていたのですが、先週日曜に放送された『NHKスペシャル』に秋元康さんが大きく関わっていることを踏まえれば、今年の出場はあるかもしれません。非常に興味深い分析をされているブログエントリーを勝手ながら紹介させていただきます(問題があれば削除いたします)。

 

・IZ*ONEの日本向けシングル、極端なチャートアクションが心配

秋元康さん関連でいえば、IZ*ONEの動向も気掛かりなのです。今週のソングスチャートを制した日本向けサードシングル「Vampire」(秋元康さん作詞)のチャートアクションをみると。

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シングルCDセールスは日本デビュー曲の「好きと言わせたい」以降およそ2万ずつ増加しているのですが、今作におけるルックアップは29位と大きく乖離。シングルCDセールスと実際のCD購入者数(ユニークユーザー数)が著しく異なるものとみられます。このチャート構成比をみると、前週のAKB48サステナブル」に似ています(前週のブログエントリー参照。上記にリンク先を掲載)。おそらくは次週、他指標で補完出来ない限り失速することは間違いありません。「好きと言わせたい」は2→9位、「Buenos Aires」は1→10位でしたが果たして。ちなみに「Buenos Aires」でもシングルCDセールスに特化、ルックアップが弱いという状況がみられました。

それにしても、K-Popアクトが日本上陸すると日本独自の作品をリリースする傾向がありますが、韓国をはじめ世界向けの楽曲が接触主体でポイントを稼ぐのに対し、日本向けのは所有、それもシングルCDセールスに特化しています。日本向けの楽曲も日本のアイドル的なそれであり、そのような売り方をすることが果たして歌手のためになるのか、考えてしまいます。以前私見を記載しましたのでよろしければ。

 

・似た動きの2曲、明暗を分けたのは”デジタルに明るいか否か”

7位のAqours「未体験HORIZON」が5699ポイント、8位のA.B.C-Z「DAN DAN Dance!!」が5226ポイント。この両者、各指標の順位は拮抗しているものの、勝敗を分けたのはダウンロード。「DAN DAN Dance!!」はカウントされず、「未体験HORIZON」は20位に。

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「未体験HORIZON」のチャート構成比に占めるダウンロードの割合は10%強。仮に10%とするとおよそ570ポイントをダウンロードで稼いだことで「DAN DAN Dance!!」を逆転。デジタル解禁/未解禁が明暗を分けました。

 

・ソングスチャート構成指標で最も動きの鈍いカラオケ、トップ3が3ヶ月ぶりに動く

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(上記2曲のCHART insightはカラオケ指標のみ掲載。下記「Lemon」も同様。)

ソングスチャートを構成する8指標において最も動きが鈍いのがカラオケ。今回「Pretender」が「マリーゴールド」を逆転したことで、およそ3ヶ月ぶりにトップ3内で変動があったことになります。しかしトップは米津玄師「Lemon」が、同指標が加算開始となった2018年12月10日付以降、全ての週を制しています。

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「Lemon」のチャート構成比におけるカラオケの比率は25%弱であり、今週は978ポイント程度が同指標から生まれています。この指標が現在のウェイトで加算されるならば「Lemon」は総合でトップ10落ちしたとはいえしばらく安泰かもしれません。が、他指標に比べ著しく動きのないことを踏まえればウェイトをもう少し下げてもいいのではないかというのが私見です。カラオケの上位20曲で総合100位以内に入っていないのが7曲あり、ラジオエアプレイに次いで総合チャートと乖離していると言えるため尚の事。とはいえカラオケは社会に広く親しまれている曲を端的に示したものでもあるため、仮にウェイトは下げたとしても必要不可欠な指標であることは間違いありません。そしてこの指標においてOfficial髭男dismが台頭してきているのは、大ブレイクの確たる証拠と言えます。

 

TikTokからストリーミング、そして総合ソングスチャートへ…Novelbright「Walking with you」が示す新しいヒットの形

こちらについては下記Real Soundの記事をご参照ください。自分が記載した内容が、『めざましテレビ』(フジテレビ)の放送直後に公開されました。

記事の補足をするならば、ビルボードジャパンソングスチャートのストリーミング指標においてはSpotifyはカウント対象外となっています。おそらくは有償と無償とが混在するサービスであるため、有償サービスのみが扱われているものと考えます(ちなみにAmazonについては有償のAmazon Music Unlimitedがカウント対象ながら、年会費を支払ったAmazonプライム会員が無償(Amazonプライムのサービスの範囲内)で使えるAmazon Prime Musicはカウント対象外に)。しかしながら他のストリーミングサービスにもNovelbrightが波及していることを踏まえ、今回記事に取り上げました。

ちなみにビルボードジャパンが今後SpotifyおよびAmazon Prime Musicをどう扱うかは不明ですが、今後のチャートポリシー改正で何かしらの動きがあるかもしれません。個人的にはアメリカ同様、有償と無償とで1再生当たりのポイントに差を付ける方法もアリではないかと考えています。アメリカで昨夏採り入れたこの方法については下記に。

 

今週のソングスチャートトップ10はこちら。

K-Popアクトの韓国や世界向け楽曲と日本向けとの差は、4位に登場したTWICE「Feel Special」(9月23日に韓国でリリースされたミニアルバム表題曲)の動向も合わせてチェックすれば見えてくるものがあるはずです。

1指標に特化した曲は社会的なヒットといえるか? ダウンロードの場合を調べてみる

 ビルボードジャパンソングスチャートのトップ5にランクインした楽曲のうち、シングルCDセールスのみがトップ10入り(他指標は全てトップ10未ランクイン)したものはロングヒットせず翌週急落、果ては1週で100位圏外となるものが多いため、【チャート構成比に占めるシングルCDセールスの割合が極めて高く他指標が伴っていなければ翌週急落する】【そのような楽曲が社会的なヒットとは言えない】ということを、2019年度(2018年12月10日付以降)のソングスチャートから結論付けました。

このエントリーを書き上げた直後、同じ所有指標でもダウンロードの場合はどうだろうと思うように。そこで、シングルCDセールスと同様にダウンロードについても2019年度分から抽出してみることにします。

 

BUMP OF CHICKEN「Aurora」(5位→5位)

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・LiSA「紅蓮華」(5位→14位)
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菅田将暉まちがいさがし」(2位→3位→8位)
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・米津玄師「馬と鹿」(5位→2位)
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事例はわずか4曲(菅田将暉まちがいさがし」は2週分が該当ゆえ5週分)。シングルCDセールスのみの場合は16曲でしたので4分の1しかありません。そしてLiSA「紅蓮華」以外は該当週の翌週もトップ10内に在籍し、「紅蓮華」もシングルCDセールス加算週にトップ10に復帰しています。

全曲がドラマやアニメのタイアップ曲であり、歌手のコアなファンのみならずライト層も購入していることが想像出来ます。また後日ストリーミングやミュージックビデオが解禁されこれら指標群(ミュージックビデオは動画再生)が加算されることで複合指標で楽曲を補強。無論シングルCDセールスもそのひとつであり、その最たる例が米津玄師「馬と鹿」の首位獲得だったと言えます。

ダウンロードのみに特化した楽曲の場合、接触指標群や他の所有指標も後日(早ければ翌週)加算されることで、極度のランクダウンは抑えられています。この後日加算については、特に米津玄師さんの場合きっちりとスケジュールを立てて順番に解禁しているものと捉えており、他指標がトップ10に入らないとしても不安視していなかったものと思われます。

 

シングルCDセールスに特化した楽曲の場合、パソコン等に取り込んだ際インターネットデータベースにアクセスした回数を示すルックアップが売上と乖離している場合は特に、シングルCDセールスとユニークユーザー(実際の購入者)数に大きな隔たりがある可能性が高いと言えます。イベント参加券の同梱など、CDがグッズとしての側面を持つことも理由かもしれませんし、一方デジタルではそのような同梱が基本的に出来ないため力を入れづらい側面はあるでしょう。とはいえシングルCDに先駆けてダウンロード販売を行えば、所有への意識が高いコアなファンはデジタルもきっちり購入するのではないかと考えます。たとえ急落しても楽曲の盛り上がりを1段階から2段階に増やせばチャートにおけるインパクトは大きくなり、歌手や楽曲を認知する機会が増えライト層を生むことにもつながると思うのですが、いかがでしょう。

 

ちなみにストリーミングにおいても調べてみたのですが、総合5位以内の楽曲のうちストリーミングのみトップ10入りした楽曲はありませんでした。接触に強い曲は他の接触そして所有指標でも強いことが解ります。

リゾ「Truth Hurts」5連覇、そして影の功労者が次週トップ10入りを狙う…10月5日付米ソングスチャートをチェック

ビルボードソングスチャート速報。現地時間の9月30日月曜に発表された、10月5日付最新ソングスチャート。リゾ「Truth Hurts」が5連覇を達成しました。

リゾ「Truth Hurts」は前週、女性単独(客演なし)によるヒップホップ楽曲の最長首位記録を更新しましたが、客演ありでの女性ヒップホップアクトによる最長記録(イギー・アゼリア feat. チャーリーXCX「Fancy」(2014)まであと2週となりました。ラジオエアプレイは前週比3%アップの1億1940万を獲得し連覇、ストリーミングは同6%ダウンの2750万(同指標7位)、ダウンロードは同5%ダウンの26000(同指標2位)に。K-PopアクトのAB6IXを迎えた新リミックスを公開したことでダウンロードが上昇するものと捉えていましたが、大きな話題にはならなかった模様です。

ルイス・キャパルディ「Someone You Loved」がトップ3入り、リル・テッカ「Ran$om」がストリーミング6週目の首位を獲得して4位に浮上。そしてクリス・ブラウン feat. ドレイク「No Guidance」が5位に上昇し、同曲の最高位を更新しました。

ストリーミングは前週比1%ダウンの3280万(同指標3位)、ラジオエアプレイは同1%アップの6200万(同指標9位)、ダウンロードは同1%ダウンの6000(同指標22位)を獲得し、クリス・ブラウンにとって2008年秋の「Forever」以来となる11年ぶり5曲目のトップ5ヒットとなりました。一方ドレイクにとっては15曲目となり歴代17組目の記録達成です。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) リゾ「Truth Hurts

2位 (2位) ショーン・メンデス & カミラ・カベロ「Señorita」

3位 (4位) ルイス・キャパルディ「Someone You Loved」

4位 (6位) リル・テッカ「Ran$om」

5位 (7位) クリス・ブラウン feat. ドレイク「No Guidance」

6位 (5位) リル・ナズ・X「Panini」

7位 (3位) ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」

8位 (9位) ポスト・マローン「Circles」

9位 (8位) ポスト・マローン feat. ヤング・サグ「Goodbyes」

10位 (10位) リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」

今週はマルーン5「Memories」が22位に初登場を果たしています。

カーディ・Bをフィーチャーし全米首位を獲得した「Girls Like You」以来となる新曲。ダウンロードは27000となり同指標首位発進。マルーン5にとって22曲目のトップ40ヒット、100位以内となるとちょうど30曲目のランクインとなります。

この「Memories」を上回り、今週トップ100で最も高い位置に初登場を果たしたのがダベイビー「Intro」(17位)。

先週金曜リリースされた、ダベイビーのセカンドアルバム『Kirk』からの先行曲。ストリーミングが好調なことから次週はこのアルバムから大量エントリーを果たす可能性もあります。リゾ「Truth Hurts」に客演したことで同曲を首位に押し上げ、リル・ナズ・X「Panini」に参加し同曲にトップ10入りをもたらした影の功労者が、主演作で「Suge」以来のトップ10入りなるか注目です。