イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

シングルCDセールスのみに特化し他指標を伴わない曲は社会的なヒットといえない…この春以降のチャート登場曲から提示する

以前紹介したブログエントリーに関して、その後を追いかけます。

シングルCDセールス初加算週とその翌週の2週分をチェックすることでその楽曲が真のヒットかを見極めることが出来、翌週の急落は他指標でシングルCDセールスの下落を補填出来なかったことを意味するためCDセールスのみのランキングが流行の鑑に成り得ないと前回結論付けました。果たしてその時から状況は変化しているのか、シングルCDセールスに特化した楽曲でこの結論を覆すものはあるのかをチェックすべく、前回のブログエントリー以降に登場した作品の状況を追いかけてみます。2019年5月20日付以降にソングスチャートでトップ5にランクインした曲のうち、シングルCDセールス指標のみトップ10入りした楽曲を抽出すると。

 

・ONE N' ONLY「Dark Knight」(1位→100位圏外(300位以内))

f:id:face_urbansoul:20190930054346p:image

f:id:face_urbansoul:20190930054354p:image

 

・BOYS AND MEN「頭の中のフィルム」(3位→100位圏外(300位以内))

f:id:face_urbansoul:20190930054404p:image

f:id:face_urbansoul:20190930054412p:image

 

MONSTA X「Alligator」(2位→100位圏外(300位以内))

f:id:face_urbansoul:20190930054420p:image

f:id:face_urbansoul:20190930054428p:image

 

祭nine.「ゴールデンジパングソウル」(3位→100位圏外(300位以内))

f:id:face_urbansoul:20190930054441p:image

f:id:face_urbansoul:20190930054448p:image

 

・BEYOOOOONDS「眼鏡の男の子」(2位→59位)

f:id:face_urbansoul:20190930054454p:image

f:id:face_urbansoul:20190930054459p:image

 

FANTASTICS from EXILE TRIBE「Dear Destiny」(5位→100位圏外(300位以内))

f:id:face_urbansoul:20190930054505p:image

f:id:face_urbansoul:20190930054511p:image

 

作品数は6曲と少ないながらも、シングルCDセールス加算2週目にトップ100に残っていたのはわずか1曲という状況。【チャート構成比に占めるシングルCDセールスの割合が極めて高く他指標が伴っていなければ翌週急落する】楽曲が【社会的なヒットとは言えない】ことは、これらの例からやはり証明されたと言っていいでしょう。一部楽曲はその後突発的にシングルCDセールスが急上昇していますが持続性に欠け、他指標を伴わないことから局地的な盛り上がりと分析可能。コアなファンへの所有を求めることは運営にとって必要なことですが、ファンというわけではないものの歌手や楽曲に興味はあるライト層を拡充しない限り、今以上の成果を挙げるのは厳しいものと考えます。

米ビルボードが情報公開の大半を制限したことに強い違和感を覚える

もう表題の通りなのですが。開いてみて驚きました。米ビルボードチャートのうち、ソングスチャート(Hot 100)やアルバムチャートはそれぞれ100位、200位まで確認出来るものの、ソングスチャートを構成するストリーミング、ダウンロードおよびラジオエアプレイの各種チャートが有料での公開のみに制限されたのです。

f:id:face_urbansoul:20190925053721p:image
f:id:face_urbansoul:20190925053729p:image

(上記は9月25日朝に確認した、9月28日付米ビルボードソングスチャート(上)と、同ストリーミングチャート(下)。3位以降は"PRO…"表示で隠れてしまっています。)

各ジャンルのチャートも、1位と2位は見えるもののそこから先は一切分からない状態。おそらく今月半ばからこの措置が採られていると思われるのですが、納得出来ない自分がいます。ちなみに確認するためにはBillboard Proというサービスへの加入が必要。月10ドル99セント、印刷する場合は24ドル99セントかかるようです。

f:id:face_urbansoul:20190925053732p:image

有料化の狙いを想像するに理解は出来るものの、日本より無料での公開範囲を著しく狭めるその動きには、米ビルボードは"チャートは文化である"ことを理解していないのではと強い違和感を覚えます。Spotifyが順位を付けて国別等のチャートを公開しているのとは対照的であり、その姿勢を疑問視します。とにかく、非常にやりにくくなってしまった…というのが本音です。

流行をキャッチする力はストリーミングとラジオで大きく乖離する…アメリカと日本の場合を考える

前週、メイベル「Don't Call Me Up」のビルボードジャパンソングスチャートにおけるチャートアクションを元に、ラジオエアプレイにおける"守りの姿勢"を厳しく指摘しました。

この掲載の後、下記のエントリーが今年2月に掲載されていたことを知ったのですが、読んで色々考えさせられました。

ここ数年アメリカでヒットした楽曲の、Spotifyおよびビルボードのラジオエアプレイチャートを比較したグラフが非常に解りやすいのです。リリース時に既に知名度の高い楽曲ならばラジオエアプレイの加速も速いですが、たとえばデュア・リパにとって初の米ビルボードソングスチャートトップ10入りとなる「New Rules」(2017 最高6位)は、Spotifyチャートでトップ50入りしたその4ヶ月後にはじめてビルボードラジオエアプレイチャートで50位以内に登場したわけです。この件ひとつだけとってみても、今の音楽業界におけるストリーミングとラジオエアプレイの流行を捉える力や関係性を如実に示しているかのようです。

 翻って日本はというと、ビルボードジャパンソングスチャートのラジオエアプレイ指標では初登場で上位に登場する例が少なくなく、たとえばスピッツ「ありがとさん」は9月16日付のラジオエアプレイ指標で初登場1位を獲得しています。邦楽の場合は新鋭の歌手の作品も速やかに上位に進出することが多く、ストリーミングが十分に浸透していないだろうことなどを踏まえるに、アメリカほどストリーミングとラジオエアプレイには乖離が生まれていないように思います。しかしながら前回取り上げたメイベル「Don't Call Me Up」は輸入盤ではなく国内盤がリリースされたタイミングが最も盛り上がっており、同時にラジオエアプレイの盛り上がりが他指標(ストリーミング等)に波及していないことが、ラジオの流行をいち早く捉えたり追う力、影響力の乏しさ、さらには保守的な姿勢を物語っています。ラジオが海外の流行に乗り遅れていることや、結局はCDリリース(それも日本のレコード会社発)ありきのエアプレイになっているだろうことがリスナーにバレているかは分かりませんが。

 

日本では今後、諸外国並にストリーミングが興隆していくことが予想されます。そうなればラジオ局や番組はより流行に敏感でいないと、人々のラジオ離れが進むであろう危機感を抱かないといけないでしょう。

米ビルボードソングスチャートの新たな仕掛けはK-POPとのコラボレーションにあり

リゾ「Truth Hurts」が新しいチャート上の”仕掛け”を用意してきました。

仕掛けとは、米ビルボードソングスチャートを押し上げるべく追加投入される、新たなミュージックビデオやリミックスのこと。以前からこのチャートではよく見られていたことですが、なんといっても今年インパクトが大きかったのはリル・ナズ・X「Old Town Road」における、ベテランカントリー歌手のビリー・レイ・サイラス客演版でしょう。その「Old Town Road」の首位陥落後、リゾは「Truth Hurts」に2つのリミックスを追加投入し初のチャート制覇を成し遂げていますが、とりわけラッパーのダベイビーが参加したリミックスが「Truth Hurts」を首位へ押し上げたのみならず、最新9月28日付チャートにおいてはリル・ナズ・X「Panini」にダベイビーが参加したバージョンが1週間フルで加算されたことで、リル・ナズ・Xに2曲目のトップ10ヒットをもたらしています。

ではリゾ「Truth Hurts」の新たな仕掛けとは何でしょう。実はリゾ、新鋭アクトのAB6IX(読み:エービーシックス)を招いたバージョンを今週初めに突如公開したのです。

来月には初のフルアルバム『6ixense』が予定されているAB6IXは、新鋭ながら5月リリースのEP『B Complete』を韓国アルバムチャートで2位に送り込み、今後が期待されるK-POPアクト。全米1位のリゾと組むことは彼らのステップアップにつながるはずです。そしてリゾにとっても。

リゾ「Truth Hurts」は最新9月28日付米ビルボードソングスチャートで首位を制しながら、チャートを構成する3指標のうち唯一ダウンしたのがダウンロードでした。それも前週比12%と2桁のダウン。おそらくリゾはこのダウンロードにメスを入れたかったものと考えます。K-POPアクトはBTSやBLACKPINK等がアメリカで成功を収めていますが、アメリカにおけるK-POPアクトは接触が多くない一方所有が強いという特徴があることから、次週「Truth Hurts」のダウンロードはある程度歯止めがかかる可能性があります。実際、先述した「Old Town Road」においてはBTS のRMを迎えたバージョンが投入され、1週間フル加算で反映された8月10日付米ビルボードソングスチャートではダウンロードが前週よりアップしています(その反動ゆえか、翌週のダウンロードは前週比28%の大幅減になりましたが)。

「Old Town Road」も「Truth Hurts」も、どちらから客演のアプローチがあったのかは判りかねますし、AB6IXの知名度アメリカでどのくらいかは不明。しかしながらK-POPのチャート特性を踏まえ、ダウンロードを押し上げるべくリミックスを制作したのだとしたら戦略の巧さには唸るばかり。同時に、アメリカではK-POPが売れるということが常識となったということも理解出来ます。

真のヒットかの見極めはシングルCD加算2週目の動向を見よ、ストリーミング解禁は所有へも波及する…9月30日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

9月16~22日を集計期間とする、9月30日付のビルボードジャパン各種チャートが昨日発表されました。これを踏まえ、毎週木曜はソングスチャートを中心に、最新チャートを押さえていきます。

 

AKB48サステナブル」が”真のヒット”となるかは次週で判断が必要

サステナブル」は前作「ジワるDAYS」のシングルCDセールス初加算週時のポイントを上回る好成績を獲得。しかし気になるのはそのチャート構成比。

f:id:face_urbansoul:20190926061328p:image

次週シングルCDセールスが大きくダウンすれば、他指標が伸びない限り急落は必至。昨年の選抜総選挙投票シリアルナンバーが封入された(ことでセールスが伸びた)「Teacher Teacher」以降今回に至るまでのシングルは全て、シングルCDセールス加算初週の各指標の動向はほぼ一緒であることから、今回の「サステナブル」も同様の動きを示す可能性が高いと思われます。この動向についてはこの春記載しました。

サステナブル」のシングルCDセールス加算2週目におけるポイント前週比は5%未満の可能性大。坂道グループの20%強に比べて圧倒的な差が生じることとなるでしょう。次週、前週比5%未満且つ2週先行でシングルCDがリリースされた乃木坂46「夜明けまで強がらなくてもいい」(今週8位)を下回るならば、AKB48サステナブル」は社会的なヒットとは言えないというのが私見です。

 

・米津玄師「馬と鹿」VS 嵐「BRAVE」、2週目の動向は

前週、27.7万枚差のシングルCDセールスを逆転し総合で嵐「BRAVE」を破った米津玄師「馬と鹿」は2位に。嵐は2→5位とそれぞれダウンしました。しかしながら、シングルCDセールス加算2週目におけるポイント前週比にはちょっとした差が。

シングルCDセールス加算2週目におけるポイント前週比は、「馬と鹿」がドラマ主題歌等の共通点から比較対象となる「Lemon」に劣る一方、「BRAVE」は前作「君のうた」とほぼ変わらず。「君のうた」の2週目のシングルCDセールスが前週比6.9%に対し「BRAVE」が3.7%と、初週の好セールスの反動が生じているものの、他指標が高かったゆえか総合のポイント前週比は前作並となりました。

 

吉幾三「TSUGARU」、演歌歌手で異例のヒットの仕方

集計期間の前週にリリースされた吉幾三「TSUGARU」が総合43位に初登場。Twitter指標は51→13位となり前週から口コミはあったものの、ネットメディア等の記事が相次いで登場したことなどがダウンロードや動画再生に波及した形です。

f:id:face_urbansoul:20190926061341p:image

この曲は演歌ではありませんが、演歌歌手のヒットの図式はシングルCDの複数のバージョンをリリースしてシングルCDセールス主体に稼ぐ→翌週急落という形がほとんどだっただけに、所有と接触(口コミ含む)をバランスよく稼いでいるのは面白い動きです。一般的な演歌のシングルCDの販売手法について、および演歌に必要と思しきヒットの施策については以前書いています。

トラックを現代風にリミックスした作品もアップされているのですが、YouTubeの動画詳細欄には楽曲がクレジットされており、動画再生の加算対象となっているものと考えられます。

個人的には吉幾三さん側に「TSUGARU」の声等のパーツを用意していただきリミックスを募るのも面白いと思うのですがいかがでしょう。そして仮に次週以降もランクインし続けるならば、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)への出場もあり得るのではないかと、割と本気で思うのです。

 

Perfume安室奈美恵…ストリーミング解禁は所有も他の接触手段も伸ばす

アルバムチャートを制したのはPerfumeのベストアルバム『Perfume The Best "P Cubed"』。アルバムチャートを構成するアルバムCDセールス、ダウンロードおよびルックアップ全てで1位となる完全制覇を達成しています。このベストアルバムリリースのタイミングで、Perfumeはストリーミングを解禁。

この解禁が、ともすればベストアルバム買い控えを起こすかもしれないという見方もあるかもしれませんが、前のアルバム『Future Pop』(2018)のCDセールス80655枚→98818枚と2万枚近く上昇しています(一方ダウンロードは7716→5428とダウン)。ベストアルバムはオリジナル・アルバム以上に売れるという特性はありますが、これはストリーミング解禁が所有や接触(ルックアップ)を刺激したとみていいのではと思うのです。その理由が安室奈美恵『Finally』の動きから見て取れます。

f:id:face_urbansoul:20190926061351p:image

9月20日Apple Music以外のサブスクリプションサービスへストリーミング解禁を果たした安室奈美恵さんの楽曲群。この影響で『Finally』の全指標が上昇に転じているのです。ストリーミングはセールスを妨げる(から解禁しない)という理由で解禁していない歌手がいるのだとしたら、もしかしたらそれは思い込みに過ぎないかもしれません。

 

Official髭男dism、ストリーミングトップ3独占&「Pretender」1億回再生突破

ストリーミングを味方に付け大ブレイクを果たしつつあるのがOfficial髭男dism。

ストリーミングチャートにおける5曲同時トップ10入りは今年3月11日付におけるあいみょんさん以来史上2組目の快挙達成。ソングスチャートでも3曲がトップ10入りを果たし、さらに「Pretender」は史上4曲目且つ最速での1億回再生を突破しました。

10月9日にはメジャーファーストアルバム『Traveler』をリリースしますが、そこからの先行カットとなる「イエスタデイ」も6位に到達。面白いのはダウンロードも4位と上位に入っていること。アニメ映画『HELLO WORLD』(9月20日公開)の主題歌でありアニメタイアップ曲は所有されやすいという特性ゆえかもしれませんが、アルバムの到着まで待てないというファンの購入が好セールスに反映されたものと考えると、『Traveler』の動向はどうなるのか楽しみで仕方ありません。

 

今週のソングスチャートトップ10はこちら。

米津玄師さんスタッフの公式Twitterアカウントがビルボードジャパンソングスチャートトップ10のツイートを用いて感謝のコメントをつぶやいていますが、こういった動きによりビルボードジャパンソングスチャートが伝わっていくならば嬉しいですね。

 

最後に、前週のソングスチャートまとめで危惧していた、手塚翔太「会いたいよ」の動画再生指標について。

f:id:face_urbansoul:20190926061400p:image

ミュージックビデオ公開を期間限定としていたことで、動画再生指標が”遮断”という結果に。これは実に勿体ない動きです。期間限定にした理由は不明ながら、仮にミュージックビデオも収録された映像盤付のシングルCDを購入してほしいというレコード会社の判断だとしたら、シングルCDセールスは6→19→36位とダウンの一途であり、その施策は必ずしも有効ではないと思うのです。

(ご報告) 音楽メディアに寄稿しました

本日はご報告。

ブログを日々書き綴ったことがひとつの形になりました。この機会を与えってくださった方々に心から感謝申し上げます。そしてReal Soundを読んでくださった方々に何かしらの気付きを与えられたならば幸いです。ブログのほうも日々更新していきますので、今後とも宜しくお願いいたします。

 

ちなみに、このタイミングで遅ればせながら気付いたこと。

Apple Music利用の理由はゴスペルジャンルに強い(だろう)こと、およびiTunesiPhoneを用いていたからなのですが、Web版のSpotifyは本当に楽ですし楽しいですね。これは病みつきになりそうです。

リゾ「Truth Hurts」4連覇、リル・ナズ・X「Panini」トップ10入り…2曲の共通点は? 9月28日付米ソングスチャートをチェック

ビルボードソングスチャート速報。現地時間の9月23日月曜に発表された、9月28日付最新ソングスチャート。リゾ「Truth Hurts」が4連覇、またリル・ナズ・X「Panini」が初のトップ10入りを果たしました。

リゾ「Truth Hurts」はラジオエアプレイで前週比4%アップの1億1640万を獲得し同指標初の1位を獲得。ヒップホップが同指標で首位を獲得したのは1年以上前、カーディ・Bがバッド・バニー&J・バルヴィンと共演した「I Like It」以来となります。ダウンロードは同12%ダウンの27000(同指標1位)、ストリーミングは同1%アップの2940万(同8位)に。「Truth Hurts」は今回4週目の首位獲得となり、女性単独(客演なし)によるヒップホップ楽曲の最長首位記録を更新しました(これまでの記録はこちらもカーディ・Bによる「Bodak Yellow (Money Moves)」(2017)の3週)。

前週はポスト・マローンがアルバム『Hollywood's Bleeding』を初めてチャートに送り込んだ影響でソングスチャート100位以内に全曲がランクイン、トップ10には4曲が登場したのですが今週は2曲にとどまっています。その中でルイス・キャパルディ「Someone You Loved」が抜け出し、前週から5ランクアップし4位に到達。ダウンロードは前週比20%アップの21000(同指標3位)、ラジオエアプレイは同10%アップの8690万(同5位)、ストリーミングは同9%アップの2420万(同13位)といずれも高成長。次週はトップ3入りの可能性も充分です。

そして5位にはリル・ナズ・X「Panini」が初のトップ10入りを果たしています。EP『7』に収録され7月16日付で16位に初登場したもののその後は22~40位を彷徨っていました。9月5日にミュージックビデオが登場した効果で前週14位まで上昇したのですが、今週さらに上昇した要因はダベイビー参加版の投入。

ダベイビーは「Suge」を今年最高7位に送り込んだほか、先のリゾ「Truth Hurts」に新たに参加し同曲を1位に押し上げる効果を果たしています。

ダベイビーの客演は、「Truth Hurts」に次いで「Panini」にとっても大きな"仕掛け"となったわけです。事実、ストリーミングでは前週比22%アップの4370万(同指標2位)、ダウンロードは同56%アップの9000(同17位)、ラジオエアプレイは同30%アップの2220万(同50位未満)と全指標大幅アップしています。

またこの曲はニルヴァーナの1993年作「In Bloom」を用いているのですが、ニルヴァーナが引用され、曲を書いたカート・コバーン(コベイン)がクレジットされた楽曲がトップ10入りしたのはジェイ・Z feat. ジャスティン・ティンバーレイク「Holy Grail」(2013 4位)以来となります。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) リゾ「Truth Hurts

2位 (2位) ショーン・メンデス & カミラ・カベロ「Señorita」

3位 (5位) ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」

4位 (9位) ルイス・キャパルディ「Someone You Loved」

5位 (14位) リル・ナズ・X「Panini」

6位 (6位) リル・テッカ「Ran$om」

7位 (7位) クリス・ブラウン feat. ドレイク「No Guidance」

8位 (3位) ポスト・マローン feat. ヤング・サグ「Goodbyes」

9位 (4位) ポスト・マローン「Circles」

10位 (11位) リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」

Truth Hurts」および「Panini」にダベイビーがクレジットされていないのは、ダベイビー参加版よりもオリジナルのほうが人気のため。また前週紹介した、アリアナ・グランデマイリー・サイラスラナ・デル・レイ「Don't Call Me Angel」は初登場13位という結果に。ダウンロードは26000(同指標2位)、ストリーミングは2630万(同11位)となり、初週に強くないラジオエアプレイ(750万、同指標50位未満)をデジタル2指標でカバー出来ませんでした。