米ビルボードによる最新11月8日付グローバルチャートでは、米津玄師「IRIS OUT」がGlobal 200で11→8位、Global Excl. U.S.では4→6位となり、前者ではトップ10内に返り咲きを果たしています。
この点については一昨日付ブログエントリーにてその背景を分析していますが、ビルボードジャパンが昨日発表した内容からはその読みが間違いではなかっただろうことを感じています。
ビルボードジャパンは昨日、最新のGlobal Japan Songs Excl. Japanを発表しています。11月6日公開分のこのチャートは米ビルボードによる11月8日付Global 200を基に、日本市場分を除いた上で日本の楽曲のみ抽出するものとなっており、そこで米津玄師「IRIS OUT」が7連覇を達成したことが報じられています。
Global 200や(Global 200から米の分を除く)Global Excl. U.S.、そしてGlobal Japan Songs Excl. Japanはいずれもストリーミング(動画再生含む)とダウンロード(フィジカルセールス除く)で構成。「IRIS OUT」においてストリーミング再生回数が上昇していることに注目です。
「IRIS OUT」は、劇場版『チェンソーマン レゼ篇』主題歌として米津玄師が書き下ろした楽曲。今週は映画の北米公開がスタートした影響で、ビデオとオーディオを合算したストリーミング数が前週比132%を記録。チャートイン7週目にして本楽曲最多となる1813万回を記録し、7連覇を達成した。
【ビルボード】米津玄師「IRIS OUT」グローバル・ジャパン・ソングス7連覇 https://t.co/TnNSLbTzSh
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年11月6日
実は前週10月30日公開分のGlobal Japan Songs Excl. Japanでは「IRIS OUT」のストリーミング再生回数が記事に掲載されていませんでした(その点については冒頭掲載のエントリーにてビルボードジャパンに対し違和感を提示しています)。つきましては直近2週分のストリーミング再生回数判明を受け、一昨日掲載した表を最新版に修正した上で再掲します。

米津玄師「IRIS OUT」はGlobal Japan Songs Excl. Japanにて、ストリーミング再生回数が535万→1136万→1412万→1530万→1565万→1373万→1813万と推移。また海外主要地域での日本の楽曲人気を示すビルボードジャパンのJapan Songs (国/地域別)チャートでは、最新11月6日公開分にて「IRIS OUT」の首位獲得が7→10に上昇しています。下記記事では映画公開効果と紹介されており、映画の海外進出はやはり大きいといえます。
【ビルボード】米津玄師「IRIS OUT」10の国と地域で首位獲得 牛尾憲輔が上昇 https://t.co/EEiS5XULjU
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年11月6日
さらに、「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」サウンドトラックに収録された牛尾憲輔「in the pool」が、最新11月6日公開分のGlobal Japan Songs Excl. Japanにて99→5位に急上昇。ストリーミング再生回数は前週比463%を記録したことが記事にて紹介されていることも、海外での映画公開の賜物でしょう。
最後に、改善提案を記します。
牛尾憲輔「in the pool」の公式動画はYouTubeで見当たりませんでしたが、仮に公式オーディオが登場していたならば同曲はさらに伸びたはずです。もっといえば、「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」で挿入歌に使用されたマキシマム ザ ホルモン「刃渡り2億センチ (全体推定70%解禁edit)」はサブスク解禁自体行われず、以前公開されていたテレビアニメ版のショートサイズについてもサブスクから削除されている模様です。
(「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」関連曲についてはMUSIC | 劇場版『チェンソーマン レゼ篇』公式サイトにて確認できます。)
米津玄師「IRIS OUT」の大ヒットはYouTubeに因るところも大きいゆえ、デジタル展開が徹底されているとはいえないサウンドトラック、そしてデジタル展開していない挿入歌は、厳しい物言いですが機会損失と言っても過言ではないでしょう。映画を機に日本のエンタテインメントに関心を持った海外の方が、しかし日本コンテンツのデジタル不徹底に触れて不信感を抱く可能性もあると考えるに、デジタル展開は必須と考えます。