米津玄師「IRIS OUT」において海外再生率が高まっていることを、Spotifyを用いて先日紹介しました。
そこからわずか2日しか経過していませんが、その動向がさらに顕著になっているため今一度採り上げます。

先日のエントリー(→こちら)では10月25日付までのSpotifyデータを用いて紹介していますが、その2日後には米津玄師「IRIS OUT」の国内再生率が4割弱に。言い換えれば、海外再生率は直近10月27日付にて6割強に達しています。
Spotifyにおいて、日本では土日祝日より平日の再生回数が低くなる一方、米等海外では平日が高くなる傾向にあります。音楽の聴かれ方(習慣)の違いと捉えていますが、その結果が10月25~26日付→27日付にて如実に反映され、結果的に海外再生率が高まったという形です。10月24~26日の米興行収入ランキングにて「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」が首位初登場を果たしており、今後の海外再生率にも注目です。
加えて、世界200以上の国や地域における主要デジタルプラットフォームでのストリーミング(動画再生含む)およびダウンロード指標から成る、米ビルボードのGlobal 200(Global Excl. U.S.に米の分を含む)では最新11月1日付にて米津玄師「IRIS OUT」がトップ10目前に迫っています。

グローバルチャートの最新動向は(追記あり)【海外ビルボード】米はテイラー・スウィフトが3連覇、グローバルはHUNTR/Xが首位返り咲き(10月28日付)にて掲載。「IRIS OUT」がGlobal Excl. U.S.で4位をキープしていることも重要ですが、テイラー・スウィフト『The Life Of A Showgirl』収録曲の後退も作用しているとはいえ「IRIS OUT」がGlobal 200で再びトップ10入り目前に迫っていることは注目すべきといえるでしょう。
今回の集計期間は米等での「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」公開前日までとなっていることから、次週は映画公開効果が「IRIS OUT」の動向にはっきり反映されることでしょう。Global 200においては日本の楽曲として週間最高位をマークした同曲ですが、仮に次週以降トップ10内に返り咲いた場合、トップ10入り週数はYOASOBI「アイドル」(2023)に次ぐ単独2位となります。
米津玄師「IRIS OUT」においては今後の海外動向や、Global 200から日本市場分を除いた上で日本の楽曲のみを抽出したビルボードジャパンによるGlobal Japan Songs Excl. Japanの結果(とりわけストリーミング再生回数)に注目です。なお10月30日公開分のGlobal Japan Songs Excl. Japanは11月1日付Global 200が基となります。
最後に。米津玄師「IRIS OUT」は最新10月27日付Spotifyデイリーチャートにおいて、ウクライナで185位にランクイン。この国で同曲初の200位以内エントリーを果たしています。下記リンク先にて"UA"と表示されているのがウクライナを指します。
ウクライナのSpotify動向については、ロシアによる軍事侵攻直後にこのブログで紹介したことがあります(ウクライナの現状をSpotifyやSNSで理解する - イマオト - 今の音楽を追うブログ -(2022年3月4日付)参照)。その際、日本のアニメ作品をサンプリングした曲もランクインしたことを紹介していますが(サンプリング許可が出ているかは不明)、ウクライナでの日本のアニメ人気の高さが「IRIS OUT」の動向からもみえてきます。
(ウクライナでは米津玄師「KICK BACK」もSpotifyにてデイリー最高88位を獲得した実績があります。またウクライナがCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」(2025 テレビアニメ『マッシュル-MASHLE-』第2期「神覚者候補選抜試験編」オープニングテーマ)のグローバルヒットの礎と成ったことについては「Bling-Bang-Bang-Born」なぜ東欧から?海外ヒットの構造をデータ可視化で探る|徒然研究室 Tsurezure Lab(2024年12月21日付)で詳しく分析されています。)
未だ軍事侵攻が続き不安な状況にあって、ウクライナの国民は日本から届いたアニメやアニメソングに触れて心を落ち着かせているのかもしれません。一刻も早くロシアが撤退し、ウクライナ国民が安心してアニメに没頭できるようになるよう願うばかりです。