イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2025年8月の私的トップ10ソングス、選びました

2020年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2025年8月分です。前の月にリリースされた曲を中心に選出しています。ミュージックビデオ等動画がない曲も含め、エントリーの最後に掲載したSpotifyプレイリストでチェックしてください。

これまでの私的トップ10ソングス等についてはこちらSpotifyを利用し、最新曲のみで構成されるプレイリスト(New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spin)を毎週チェックしています。

 

なお、"私的トップ10ソングス"とあるように、月イチで紹介するこのエントリーは完全な私見に基づくベストソング選出企画となります。音楽チャート等紹介の際、個人的な作品への思い入れを乗せないよう心掛けています。

 

 

10位 aimi「Magic Hour」

ジェネイ・アイコを思わせるジャケットから放たれるのは本場R&Bらしさと、特にサビでの音数の多さに代表されるJ-POP的な要素とが自然に重なり合った作品。声が力強いこともあり、いい意味でR&B的なカラーが強いと感じています。

 

9位 トラヴィス・グリーン & ジェニファー・ハドソン「Touched By Fire」

ゴスペル歌手、トラヴィス・グリーンによるニューアルバム『Made In The South』の巻頭を飾るブルージーなトラック。客演で登場するジェニファー・ハドソンのボルテージの上げ方(魅せ方)が巧く、トラヴィスの力強いボーカルも良し。熱量の高いボーカリストの共演を望む者として、大好物な作品です。

 

8位 ジェシー・J「Believe In Magic」

1990年代後半に散見されたような、ドリーミーさを持ち合わせたR&Bジェシーの歌声が程よく強く、さらにはエレガントさも持ち合わせていることで、ドリーミーながらもそれとは矛盾しない強靭さがあり、曲の印象を強めることに成功しています。

 

7位 ヨルシカ「修羅」

イントロ後すぐに登場するコケティッシュな音の可愛らしさ、そして全体に流れるオーガニック的なサウンドが、いかにもヨルシカだと思わせるサウンドに。メロディはほんの少しミニマムにまとまっているようにも感じますが、それも含めてやはりヨルシカらしいといえるかもしれません。

 

6位 クレイグ・デイヴィッド「Rain」

2ステップ全盛期にブレイクしたクレイグが、その頃のアルバムに収録していたようなメロウ度の高いミディアムバラードを彷彿。つまりは今においても、あの頃の新鮮さを失っていないことがよく解ります。ゴスペルをかつて歌っていた自分には、この曲から「Lord, I Lift Your Name On High」も想起した次第です。

 

5位 paris match「Your Morning Glory」

良質なサウンド…その一言に尽きます。チャカ・カーン「Through The Fire」の香りも感じつつ、日本であらためて人気が定着したシティポップを強く実感します。paris matchもまた、そのサウンドは不変といえるかもしれません。

 

4位 blend house「すだち」

(公式動画はありません。)

エドブラック(edbl)が手掛けた、あまりにも心地の良いダンスサウンド。失恋後のブルーな感情がうまく盛り込まれたアップチューンで、”すだち”という言葉の韻の踏み方、鳴門海峡等のフレーズを用いて主人公の出自をさりげなく匂わせる等の歌詞にも巧さを感じます。

 

3位 大黒摩季「別れません私から消えませんあなたから」

(公式動画はありません。)

ヒット曲の続編と呼べる作品は時折みかけますが、セルフパロディと格好良さをここまで高い次元で合わせ持った作品はそう多くないはず。特にオリジナル版(「別れましょう私から消えましょうあなたから」での”灰になった恋心”と今作での”貝になった下心”の対比には、いい意味で笑ってしまいます。オリジナル版のイントロにおけるあのフレーズが今作でどうなっているかもまた注目です。

 

2位 さとう。「逃避行ハイウェイ」

5分間の素晴らしいドラマ。主人公の、おそらく失恋者と思しき相手への気持ち、守ろうとする思いの強さ、そして葛藤…歌唱の濃淡も詞の世界を増幅させ、聴き応え溢れる作品に仕上がっています。

 

1位 ケラーニ「(un)Folded」

元々はこの夏リリースされたシングル「Folded」(YouTubeこちら)のリミックスなのですが、昇華とも呼べるようなあまりにも美しいサウンド(これぞリミックスの妙)に驚かされ、8月の首位に。最近は(ダンス)ボーカルグループが増えた中、しかしながらハーモニーの美しさやしなやかさの面で個人的に納得できる作品が多くないこともあり、多重録音ながらこのような曲の登場を切望しているということも選出の要因です。

 

 

以下、次点として10曲。

Galileo Galilei「青陽潮」

・Daiki Tsuneta「WHEN YOUR OWN INITIALS ARE ENOUGH」

矢沢永吉「真実」

・アマリア「Dream Of You」

・カーラ・ジュネーヴ「Better Believe It」

・ダウル feat. アンバーリリー「Virtue」

・ケイトラナダ「Space Invader」

・ケシ「Wantchu」

・テヤナ・テイラー feat. ラッキー・デイ「Hard Part」

・タキシード feat. ノット・ソー・バッド「Always」

矢沢永吉「真実」はニューアルバムからの先行曲で、ドラマ『最後の鑑定人』(フジテレビ)の主題歌。イントロも含めた短縮化が好まれるとされる現代にあって、矢沢永吉さんならではのメロウネスが溢れる4分半に痺れます。平成以前のサウンドが人気を博す中、その時代を彷彿とさせるバラードが今後脚光を浴びるかもしれません。

 

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。