サブスクサービスのSpotifyには、世界中の最新曲からおよそ100曲をまとめた"New Music Friday"プレイリストが毎週用意されています。
米東部標準時の金曜午前0時に更新、現時点で428万を超えるユーザーが保存するSpotifyのNew Music Fridayプレイリストに日本の楽曲が登場するかどうかを最近確認しているのですが、直近2週続けて日本の楽曲がリストインされなかったことに対し、大げさかもしれませんが深く憂慮しています。
今回のSpotify #NewMusicFriday プレイリストへの日本の楽曲の未リストイン、かなり大きな問題だと個人的には感じています。前週も同様の事態でした、#米津玄師 さん、#MrsGREENAPPLE、#Number_i、#星野源 さん、#HANA 等の作品のうちどれかリストインしてもおかしくなかったはずです。 https://t.co/3MJhAzqgYm
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2025年1月31日
まずは昨年10月以降におけるリストイン状況をまとめます。
<Spotify "New Music Friday"プレイリスト 日本の楽曲のリストイン状況>
・10月4日付 なし
・10月11日付
XG「IYKYK」(19曲目)
・10月18日付 なし
・10月25日付
ONE OK ROCK「Dystopia - International Version」(89曲目)
・11月1日付 なし
・11月8日付
XG「HOWLING」(10曲目)
・11月15日付 なし
・11月22日付 なし
・11月29日付 なし
・12月6日付
ONE OR EIGHT with ビッグ・ショーン「KAWASAKI」(17曲目)
(客演ながら、ブラッディウッド feat. BABYMETAL「Bekhauf」が91曲目に登場。)
・12月13日付
(確認を失念しております。大変失礼いたしました。)
・12月20日付 なし
・12月27日付 なし
・1月3日付 なし
・1月10日付
LiSA feat. Felix (Stray Kids)「ReawakeR」(54曲目)
・1月17日付 なし
・1月24日付 なし
・1月31日付 なし
SpotifyによるNew Music Fridayプレイリストへの日本の楽曲のリストイン状況には、いくつかの特長がみられます。海外活動の比重が大きい歌手の作品(ONE OK ROCKやBABYMETAL)、海外歌手とのコラボレーション曲(ONE OR EIGHT、BABYMETALおよびLiSAさん)、また韓国法人に所属するXGやエイベックスが送り出したONE OR EIGHTといったダンスボーカルグループによる曲もリストインする傾向にあります。
一方で、昨年「Bling-Bang-Bang-Born」が日本のみならず世界で大ヒットし、米ビルボードによるグローバルチャートではGlobal 200で8位、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.では2位を記録したCreepy Nutsの、同じくアニメテーマ曲にしてGlobal 200にも登場した「オトノケ」は、配信日である10月4日に公開されたNew Music Fridayプレイリストにリストインしていません。
【ビルボード】Creepy Nuts「オトノケ」グローバル・ジャパン・ソングス16連覇達成 https://t.co/ecV0SatuMz
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年1月30日
Creepy Nuts「オトノケ」は日本の楽曲の中でも世界で高い人気を誇ることがGlobal Japan Songs Excl. Japan(Global 200を基に日本市場分を除いた上で日本の楽曲を抽出したチャート)からみえてきますが、その「オトノケ」のみならず最新1月30日公開分の同チャートで20位以内に入っている作品を輩出した歌手による新曲等が直近のNew Music Fridayプレイリストでは未選出という状況です。
この2週におけるSpotifyのNew Music Fridayプレイリストにおいては、1月24日公開分では米津玄師「Plazma」やONE OK ROCK「Puppets Can't Control You」、1月31日公開分では米津玄師「BOW AND ARROW」やXG「WOKE UP x XDM」、ONE OR EIGHT with pH-1「KAWASAKI」等がリストインしてもおかしくなかったと考えます。
またGlobal 200にランクインしたMrs. GREEN APPLE「ダーリン」や、HANA「Drop」も可能性はあったでしょう。加えて、「恋」等の大ヒット曲を輩出した星野源さんによる「Eureka」や、Stationheadの活用等もあって日本では特にSpotifyで人気の高いNumber_iによる「GOD_i」もリストインしておかしくなかったと感じています。
『ロングテール的に世界各国で聴かれるJ-POP楽曲やアーティストは増えている可能性』は自分も感じています。であれば日本の楽曲をSpotify(のプレイリスト選曲)側が考慮し、Global Japan Songs Excl. Japanで実績のある米津玄師さん等を #NewMusicFriday プレイリストに入れてよかったはずと考えます。 https://t.co/tWVo693IhS
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2025年1月31日
最新曲プレイリストのSpotify #NewMusicFriday については選出背景が不明ながら、最近では #XG や #ONEOREIGHT がリストインした実績があります。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2025年1月31日
ともすればレコード会社からの働きかけも有効に作用するものと考えるに、CEIPA等が率先してアプローチしていくことも必要ではと感じ、ポストしました。
ただ、徒然研究室さんが仰るように #CreepyNuts「#オトノケ」の勢いが落ち着いてきていること(Global Japan Songs Excl. Japanでも首位を保ちながら数値は徐々に後退)を踏まえれば、日本の楽曲が優先してリストインという状況に至りにくくなっているとも考えます。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2025年1月31日
とはいえ、Spotify #NewMusicFriday プレイリストが、必ずしも直近の実績を主軸にリストインや順番が決まるということではないと考えます。ならば尚の事、日本の音楽業界が総じて意識し、アプローチしていくことが重要というのが私見です。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ経験者) (@Kei_radio) 2025年1月31日
上記は冒頭にて掲載したポストについて徒然研究室さんが反応してくださったこと(ポストはこちら)に対し、掲載した内容です。SpotifyのNew Music Fridayプレイリストにおける選曲ロジックは不明ながら、しかし直近の傾向を踏まえればダンスボーカルグループによる作品は選ばれておかしくなかったでしょう(ただしXGはリミックス、ONE OR EIGHTは既発曲の別バージョンリリースゆえ選ばれにくかったかもしれないのですが)。
一方で、Creepy Nuts「オトノケ」の勢い低下が直近のNew Music Friday未リストインに影響しているだろうとして(Global 200では最新2月1日付で174位(最高37位)、Global Japan Songs Excl. Japanでは最新1月30日公開分でストリーミング645万回再生(最高1272万回))、それでも直近2週における日本の楽曲の未リストインへの疑問は拭えません。そして、Global Japan Songs Excl. Japanの影響力は大きくないのではとも感じています。
プレイリストにリストインしてもヒットは確約されませんが、K-POP作品がほぼ毎週リストインすることがK-POP全体の勢いを示すと考えれば、日本の楽曲はもっと選出される必要があるでしょう。そして日本の楽曲の世界進出はGlobal Japan Songs Excl. Japanを立ち上げたビルボードジャパン、そしてMUSIC AWARDS JAPANを創設したCEIPA(一般社団法⼈カルチャー アンド エンタテインメント産業振興会)の願いであるはずです。
歌手側のみならずCEIPA等の働きかけが可能ならば、Spotifyへアプローチするに越したことはないでしょう。そのCEIPAがMUSIC AWARDS JAPANの影響力を高められるよう努めるのもさることながら、ビルボードジャパンがGlobal Japan Songs Excl. Japanについてもっと海外に訴求すること、加えて米ビルボードによるグローバルチャートを国内に発信することで日本の歌手や音楽ファンに世界を意識させることが必要と考えます。