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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり)【海外ビルボード】フューチャーとメトロ・ブーミンのコラボアルバムから5曲が米トップ10入り

(※追記(8時32分):米ビルボードのチャート専用Xアカウントにてグローバルチャートのトップ10ランクイン曲を掲載した画像が遅れてポストされたことを踏まえ、そのポストを貼付しました。)

 

 

 

現地時間の4月1日月曜に発表された、最新4月6日付米ビルボードソングチャート(集計期間:3月22~28日)。前週初の首位を獲得したテディ・スウィムズ「Lose Control」は4位に後退、フューチャー、メトロ・ブーミン & ケンドリック・ラマー「Like That」が初登場で首位を獲得しました。

ビルボードソングチャート65年の歴史において通算1,168曲目の首位を獲得したフューチャー、メトロ・ブーミン & ケンドリック・ラマー「Like That」は、ストリーミング5960万(同指標1位)、ダウンロード9,000(同指標2位)、ラジオ560万(同指標50位未満)を記録しています。

「Like That」におけるストリーミング5960万は、マイリー・サイラス「Flowers」が登場2週目となる2023年2月4日付にて記録した5970万以来となる水準。また初登場時においてはテイラー・スウィフトAnti-Hero」が2022年11月5日付で記録した5970万以来となる水準を記録しています。

 

フューチャーは3曲目にしていずれも初登場での首位獲得。ドレイクにヤング・サグ共々招かれた「Way 2 Sexy」(2021年9月18日付)、ドレイクおよびテムズを招いた「Wait For U」(2022年5月14日付)に続く記録であり、2曲はいずれも1週首位を獲得しています。

なおフューチャーは以前からドレイクと共演していますが、「Like That」にはケンドリック・ラマーによるドレイク(およびJ. コール)へのディスが含まれており、そのディスが曲のバズを増幅させた形です。米ビルボードではディスソングにおける首位獲得作品について、その攻撃対象も記載した記事を別途用意しています。

ケンドリック・ラマーの首位獲得は、テイラー・スウィフトに客演参加した「Bad Blood」(2015年6月6日付)、自身単独による「Humble.」(2017年5月6日付)に続く3曲目に。

そしてメトロ・ブーミンはレコーディングアーティスト名義では初の首位獲得となり、ソングライターおよびプロデューサー名義では3曲目となります(「Like That」は単独プロデュースの一方で、ソングライターはメトロを含め7名がクレジット)。これまでは共同プロデュースおよび共同ソングライト作品として、ミーゴス feat. リル・ウージー・ヴァート「Bad And Boujee」(2017 3週)およびザ・ウィークエンド「Heartless」(2019 1週)が首位を獲得。なお、「Like That」ではフューチャーおよびケンドリック・ラマーがソングライターの一員となっており、またそれぞれの首位獲得曲はすべて(共同にて)執筆しています。

 

「Like That」はフューチャーとメトロ・ブーミンによるコラボアルバム『We Don't Trust You』収録曲であり、同作品は最新4月6日付米ビルボードアルバムチャートを制しています。フューチャーにとっては9作目、メトロにとっては4作目の首位獲得作品となります。

『We Don't Trust You』からは5曲がトップ10入りを果たしています。2位にはトラヴィス・スコットおよびプレイボーイ・カルティ("プレイボーイ・カーティ"と表記するメディアもあり)が参加した「Type Shit」(ストリーミング3490万)、6位にはトラヴィス・スコットが参加した「Cinderella」(ストリーミング2590万)、8位には共演者を伴わない「We Don't Trust You」(ストリーミング2470万)、9位にはザ・ウィークエンドが参加した「Young Metro」(ストリーミング2400万)がランクイン。これによりトップ10ヒットはフューチャーが15曲、メトロ・ブーミンがレコーディングアーティストとして10曲、ザ・ウィークエンドが18曲、トラヴィス・スコットが17曲、ケンドリック・ラマーが13曲、プレイボーイ・カルティが4曲となりました。

今回の記録達成を踏まえ、ソングチャートトップ10の半数以上を占めた歌手の一覧はこちら。フューチャーとメトロ・ブーミンは、『Her Loss』(2022)におけるドレイクおよび21サヴェージ以来2組目となる同時達成を果たしています。なお、ザ・ビートルズは60年前の当週、この記録を達成しています。

<ソングチャートトップ10 5曲以上を占拠した歌手>

・10曲 テイラー・スウィフト (2022年11月5日付)

・9曲 ドレイク (2021年9月18日付)

・8曲 テイラー・スウィフト (2023年11月11日付)

・8曲 ドレイク (2022年11月19日付)

・7曲 ドレイク (2023年10月21日付)

・7曲 21サヴェージ (2022年11月19日付)

・7曲 ドレイク (2018年7月14日付)

・5曲 フューチャー & メトロ・ブーミン (2024年4月6日付)

・5曲 モーガン・ウォレン (2023年3月18日付)

・5曲 ジュース・ワールド (2020年7月25日付)

・5曲 ザ・ビートルズ (1964年4月11日付)

・5曲 ザ・ビートルズ (1964年4月4日付)

 

男性ソロ歌手3組が主演名義となった作品による首位獲得は、「Like That」が4曲目となります。

<男性ソロ歌手3組主演名義による米ビルボードソングチャート首位獲得曲>

ブライアン・アダムスロッド・スチュワート & スティング「All For Love」 (1994年1月22日以降 3週)

・ネリー、P. ディディ & マーフィー・リー「Shake Ya Tailfeather」 (2003年9月6日付以降 4週)

エミネムドクター・ドレー & 50セント「Crack A Bottle」 (2009年2月21日付 1週)

・フューチャー、メトロ・ブーミン & ケンドリック・ラマー「Like That」 (2024年4月6日付 1週)

 

ホージア「Too Sweet」が5位に初登場。ストリーミング2880万、ダウンロード4,000およびラジオ268,000を記録しています。同曲は3月6日配信開始の"How Long Gone"ポッドキャストでティザー(ティーザー)が公開され、3月22日リリースのEP『Unheard』に収録。EPは最新4月6日付米ビルボードアルバムチャートで10位に初登場を果たしています。

ホージアによるソングチャートトップ10入りは2014年12月に2位を記録した「Take Me To Church」以来2曲目。「Take Me To Church」以降ソングチャート100位以内に登場していなかったものの、直近1年間では3曲がランクイン。昨年4月に「Eat Your Young」が最高67位、11月にはノア・カーン「Northern Attitude」のリミックス版にホージアが参加したバージョンが37位に初登場(最高位も同じ)を記録しています。

ホージアによるソングチャートトップ10返り咲きは、ザ・ビートルズが昨年11月に「Now And Then」にて記録した27年10ヶ月と2週以来となる長さとなります。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (初登場) フューチャー、メトロ・ブーミン & ケンドリック・ラマー「Like That」

2位 (初登場) フューチャー、メトロ・ブーミン、トラヴィス・スコット & プレイボーイ・カルティ「Type Shit」

(※ "プレイボーイ・カーティ"と表記するメディアも)

3位 (2位) ベンソン・ブーン「Beautiful Things」

4位 (1位) テディ・スウィムズ「Lose Control」

5位 (初登場) ホージア「Too Sweet」

6位 (初登場) フューチャー、メトロ・ブーミン & トラヴィス・スコット「Cinderella」

7位 (4位) ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」

8位 (初登場) フューチャー & メトロ・ブーミン「We Don't Trust You」

9位 (初登場) フューチャー、メトロ・ブーミン & ザ・ウィークエンド「Young Metro」

10位 (3位) アリアナ・グランデ「We Can't Be Friends (Wait For Your Love)」

 

前週からトップ10内をキープしたのは4曲。ベンソン・ブーン「Beautiful Things」(3位)はラジオが前週比19%アップの4100万となり、トップエアプレイゲイナーを獲得。またダウンロードは同11%ダウンの10,000を記録し、同指標通算2週目の首位となっています。

ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」(7位)はラジオにおいて前週比5%ダウンの6990万となり、同指標通算11週目の首位を獲得しています。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。4月6日付ではGlobal 200にてフューチャー、メトロ・ブーミン & ケンドリック・ラマー「Like That」が初登場で首位を獲得。Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではベンソン・ブーン「Beautiful Things」が通算6週目の首位を獲得しています。

Global 200ではフューチャー、メトロ・ブーミン & ケンドリック・ラマー「Like That」がストリーミング9100万、ダウンロード10,000を記録し、初登場で首位を獲得。またフューチャー & メトロ・ブーミン『We Don't Trust You』からは、トラヴィス・スコットおよびプレイボーイ・カルティとの「Type Shit」が6位(ストリーミング5610万)、トラヴィス・スコットとの「Cinderella」が8位(ストリーミング4320万)に、いずれも初登場を果たしています。

フューチャー、メトロ・ブーミンおよびケンドリック・ラマーの3組はいずれもGlobal 200初制覇。トップ10ランクイン数ではトラヴィス・スコットが10曲、フューチャーが8曲、ケンドリック・ラマーが4曲、プレイボーイ・カルティが3曲、メトロ・ブーミンが初となりました。

またGlobal Excl. U.S.ではフューチャー、メトロ・ブーミン & ケンドリック・ラマー「Like That」が6位に初登場。ストリーミングは3190万を記録しており、このチャートにおいて3組の歌手すべて2曲目のトップ10ヒットとなりました。

 

Global Excl. U.S.ではベンソン・ブーン「Beautiful Things」が通算6週目の首位を獲得。ストリーミングは前週とほぼ変わらず6410万、ダウンロードは前週比18%アップの8,000を記録。なおGlobal 200では2位に後退しています。

 

ホージア「Too Sweet」がGlobal 200で7位に初登場。ストリーミング4300万、ダウンロード5,000を記録しています。ホージアによるGlobal 200でのトップ10入りは今回が初となります。