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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】ケンドリック・ラマー「Not Like Us」が米およびGlobal 200で首位返り咲き

現地時間の7月15日月曜に発表された、最新7月20日付米ビルボードソングチャート(集計期間:7月5~11日)。前週キャリア初の首位を獲得したシャブージー「A Bar Song (Tipsy)」は2位へ後退、ケンドリック・ラマー「Not Like Us」が首位に返り咲いています。

ケンドリック・ラマー「Not Like Us」はストリーミングが前週比20%アップの5380万(同指標通算5週目の首位)、ダウンロードが同16%アップの8,000(同指標4位)、ラジオが同9%アップの4000万(同指標9位)を記録。ストリーミング5千万超えは通算5週目となり、今年において最多を更新しています(トミー・リッチマン「Million Dollar Baby」が3週で続いています)。なおストリーミング週間5千万超えは2024年において述べ17週発生した一方、2023年において複数週で5千万超えを達成したのはマイリー・サイラス「Flowers」のみとなっています。

ケンドリック・ラマー「Not Like Us」は9週前に首位に初登場を果たした後、最新チャートに至るまで2~6位の間に滞在し、直近の2週間は3位を記録。直近の上昇においてはライブにおける同曲の複数回披露が影響したほか、当週は集計期間前日に公開されたミュージックビデオが首位到達の原動力となっています。

なお、8週ぶりの首位返り咲き記録は、クリスマス関連曲を除けば歴代2位に。マイリー・サイラス「Wrecking Ball」(2013)およびオリヴィア・ロドリゴ「Vampire」(2023)がクリスマス関連曲以外では歴代最長となる9週ぶりの首位獲得記録を保持しています。

また「Not Like Us」が首位に返り咲いたことで、ケンドリック・ラマーは主演曲で初となる複数週首位を記録しています。

<ケンドリック・ラマーによる米ビルボードソングチャート首位獲得曲>

・「Bad Blood (テイラー・スウィフト feat. ケンドリック・ラマー)」(2015年6月6日付 1週)

・「Hamble.」(2017年5月6日付 1週)

・「Like That (フューチャー、メトロ・ブーミン & ケンドリック・ラマー)」(2024年4月6日付以降 3週)

・「Not Like Us」 (2024年5月18日付以降 2週)

 

モーガン・ウォレン「Lies Lies Lies」が7位に初登場。ストリーミング2700万、ダウンロード14,000およびラジオ450万をそれぞれ記録しています。この曲は昨年12月にレコーディングされ、『Abbey Road Sessions』として3月3日にYouTubeで公開された7曲のうちのひとつであり、7月5日にデジタル全般でリリースされています。

モーガン・ウォレンにとって「Lies Lies Lies」は10曲目のトップ10ヒットとなり、初登場でのトップ10入りは7曲目となります。

<米ビルボードソングチャート 2020年代において10曲以上トップ10ヒットを獲得した歌手>

43曲 ドレイク

34曲 テイラー・スウィフト

16曲 21サヴェージ

13曲 フューチャー

11曲 ジャスティン・ビーバー

11曲 リル・ベイビー

11曲 トラヴィス・スコット

10曲 バッド・バニー

10曲 メトロ・ブーミン

10曲 モーガン・ウォレン

10曲 ザ・ウィークエンド

 

前週キャリア初の首位を獲得したシャブージー「A Bar Song (Tipsy)」は2位へ後退。一方でダウンロードは前週比8%ダウンしながらも21,000を記録し同指標9週目の首位を獲得したほか、ラジオは前週比16%アップの6950万となりトップエアプレイゲイナーに輝いています。

一方でラジオ指標を制したのはポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」(総合3位)。前週比2%アップの8100万を記録し、同指標3週目の首位を獲得しています。また米ビルボードが毎夏実施するソング・オブ・ザ・サマーチャート(Songs Of The Summer)において、今年度の開始以降7週連続で首位に立っています。

 

最新のトップ10はこちら。

1位 (前週3位) ケンドリック・ラマー「Not Like Us」

2位 (1位) シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」

3位 (2位) ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」

4位 (5位) トミー・リッチマン「Million Dollar Baby」

5位 (4位) サブリナ・カーペンター「Espresso」

6位 (6位) サブリナ・カーペンター「Please Please Please」

7位 (初登場) モーガン・ウォレン「Lies Lies Lies」

8位 (7位) ホージア「Too Sweet」

9位 (8位) ベンソン・ブーン「Beautiful Things」

10位 (9位) テディ・スウィムズ「Lose Control」

同じ単語を三度用いた2曲(サブリナ・カーペンター「Please Please Please」およびモーガン・ウォレン「Lies Lies Lies」)が共にトップ10入り、また並んでランクインしたのは、米ビルボードソングチャートにおいて共に初となる記録達成です。

 

なお当週は、ザック・ブライアンのアルバム『The Great American Bar Scene』から17曲がソングチャートに登場しています。

これは『The Great American Bar Scene』が今回の集計期間の前日にあたる7月4日にリリースされ、当週初めて1週間フル加算されたことに伴うもの。同作品は前週の米ビルボードアルバムチャートにおいて集計期間1日のみで17位に初登場し、最新7月20日付では2位に上昇しています。

 

 

続いてグローバルチャートを紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。7月20日付ではGlobal 200でケンドリック・ラマー「Not Like Us」が前週の6位から、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではサブリナ・カーペンター「Espresso」が前週の2位から、共に首位返り咲きを果たしています。

ケンドリック・ラマー「Not Like Us」はGlobal 200でストリーミングが前週比33%アップの1億350万、ダウンロードが同25%アップの9,000を記録し、通算2週目となる首位を獲得。これは先述したライブでのパフォーマンス、ならびに当週の集計期間前日にミュージックビデオが公開されたことが影響しています。

なお同曲はGlobal Excl. U.S.において13→5位に上昇し、これまで7位だった同曲最高位を更新。ストリーミングは前週比49%アップの5170万、ダウンロードは同79%アップの2,000を記録しています。この曲により、ケンドリック・ラマー自身もこのチャートで初のトップ5入りを果たしました(これまでは自身単独の「N95」(2022)、およびフューチャーとメトロ・ブーミンの作品に客演参加した「Like That」(2024)が共に6位を記録)。

Global Excl. U.S.ではサブリナ・カーペンター「Espresso」が前週の2位から首位返り咲き。ストリーミングは前週比4%ダウンの6230万、ダウンロードは同11%ダウンの3,000を記録し、同チャート通算7週目の首位を獲得しています。なお「Espresso」はGlobal 200にて前週の首位から2位に後退しています。