(※追記(12月18日8時05分):エントリー公開後、米ビルボードはYouTubeの声明に関する記事を発信しています。つきましてはその記事を掲載しています。)
日本時間の昨日朝、米ビルボードはアルバムチャートおよびソングチャートにおけるストリーミング指標のウエイト付けを変更するとのチャートポリシー(集計方法)変更を発表しています。その旨は昨夜のエントリーにて掲載しました。
その1日後、YouTubeはビルボードに対し"データを提供しない"との声明を発表しています。
YouTubeのチャートからの撤退が米のみか、ビルボードジャパンを含む世界中の"ビルボード"と冠したチャートに対するものかは現時点で読み取れないというのが私見ですが、YouTubeにおいては無料会員による1回再生が有料会員のそれより軽んじられることが、(ウエイト付けは以前からであり、且つ今後のチャートポリシー変更によって無料会員のウエイトが高まるとしても)"過小評価である"との考えが、撤退の背景にあります。
YouTubeは撤退日を2016年1月16日金曜からとしており、同日を集計期間初日とする1月31日付米ビルボード各種チャートにてその影響が初めて及びます。
YouTubeの声明を読む限り、米ビルボードとYouTubeとでファンエンゲージメントの考え方が大きく異なるというのが自分の見方です。YouTubeにも有料会員制度はあるもののその大半が無料会員による再生と考えられます。他方米ビルボードは"お金を支払って音楽に触れる"人をより重視するものと考えるに、その隔たりが今回の決別に至った可能性が考えられます。
ただし現時点にて、米ビルボードがYouTubeの声明を認め、YouTubeをストリーミング指標から外すという発表を(ブログエントリー執筆時点で)行っていません(ともすれば今回の声明は米ビルボードにとって寝耳に水だったかもしれません)。今後の米ビルボードによる発信に注目すると共に、仮に撤退が事実ならば、それが米にとどまるのか、グローバルチャートやビルボードジャパン等ではどうなのかを発表することを求めます。
最後に私見。有料会員と無料会員との1回再生におけるウエイト付は以前からのことであり、このタイミングでのYouTubeの声明は稚拙だというのが厳しくも自分の見方です。音楽チャートに大きな影響を持っていることを自認し、その影響力を盾に(米ビルボードではなく広く世間へ)アピールしたという点に強い違和感を抱いています。1回再生におけるウエイト付けの議論は必要だとして、しかし一方的な主張は看過できません。
YouTubeが撤退することも、米ビルボードがストリーミング指標において有料会員と無料会員のウエイトを等しくすることも違うと考えます。
※追記(12月18日8時05分)
このエントリー公開後、米ビルボードがYouTube撤退に関する記事を発信しています。
現時点での私見を以下に。ビルボードジャパンが翻訳記事を用意すること、そしてソングチャートにおける動画再生指標がどうなるかについて発信することを願います。
YouTubeがビルボードへのデータ提供をやめるとした件について、米ビルボードが記事に。この部分を読む限り、撤退は事実と考えていいでしょう。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ『imaoto on the Radio』) (@Kei_radio) 2025年12月17日
さらにはグローバルチャートからも、YouTubeは撤退する模様です(ただしビルボードジャパンのソングチャートも該当するかは不明)。 https://t.co/gHHtnIbUxq pic.twitter.com/E55Bq6nirP