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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

Spotifyで好調のCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」、直近の動向およびヒット加速に向けての提案

6日前のエントリーにて、Spotifyにおける気になる動向をふたつ取り上げました。

その後、キングリー(KingLee)についてはチャートから、そしてSpotify自体からも2曲が削除されています。

この2曲についてはチャートを追いかける方から報告もいただきましたが、まずはSpotify側からの声明が必要だと考えます。

 

 

さて今回、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」をメインに取り上げます。J-POPにおける新たなグローバルヒットとなりそうな気配です。

 

テレビアニメ『マッシュル-MASHLE-』第2期、"神覚者候補選抜試験編"(TOKYO MXほか)のオープニングテーマとなるCreepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」は1月7日にリリースされると、そこから程なくしてヒットのフェーズに突入しています。

デイリー200位までの数値を可視化しているSpotifyにて、「Bling-Bang-Bang-Born」は1月13日付のグローバルチャートで200位以内に初めて登場すると、直近となる1月20日付では76位/1,713,234回再生を記録。これまでの最高位は69位(1月18日および19日付)、最高再生回数は1,813,826回(1月19日付)となりますが、これは近年グローバルヒットしたJ-POPと遜色ない動向といえるでしょう。

 

また、X(旧Twitter)にてSpotifyの注目動向を紹介するSpotify Statsによる、Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」の1月18日付までのデータからは、興味深い流れがみえてきます。

注目は、200位以内にランクインしていく国や地域の推移。既に1月13日付Spotifyデイリーチャートの段階ではウクライナカザフスタン共和国等、東ヨーロッパや西~中央アジアで人気だった「Bling-Bang-Bang-Born」は、その後ヨーロッパ全土や東南アジア、そして東アジアへと勢いを拡げていきます。

データを分かりやすく視覚化する徒然研究室さんによるShazamのランキングデータからは、中南米の人気もみえてきます。「Bling-Bang-Bang-Born」のサウンドを『ジャージークラブのビートとアジア~中東~ヨーロッパ的といえる音やコーラスの融合』と形容しましたが(『』内は1月16日付エントリー(→こちら)より)、曲の人気はまさにそのサウンドの如く中東やヨーロッパで人気となり、そこから波及したものと考えます。

 

そして日本のメディアでも取り上げ始めたことで、「Bling-Bang-Bang-Born」は日本でも音楽好きを越えたライト層人気につながりました。Spotifyでは1月18日付で初の首位を獲得、最新1月20日付では首位キープに加えて再生回数が387,455回に達し、右肩上がりとなっています(下記グラフ参照)。日曜の再生回数が伸びる傾向を踏まえるに、「Bling-Bang-Bang-Born」が日本のSpotifyデイリーチャートにおいて昨年11月5日付以来となる40万回超え(クリスマス関連曲を除く)を達成する可能性も十分です。

Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」は"#BBBBダンス"というチャレンジ系の人気も相まってTikTok等にてブレイクしたことがメディアによる記事等で紹介されていますが、TikTokにおいては下記サービスが昨年末に日本でも始まっており、この機能も短尺動画人気のサブスクへの導線を太くしたものと捉えています。

 

 

さてこのブログでは、複合指標によるグローバルチャートでの動向に注目します。米ビルボードは2020年9月に、世界200位以上の国や地域における主要なデジタルプラットフォームでのダウンロードおよびストリーミングに基づくチャートを新設。Global 200および(Global 200から米の分を除く)Global Excl. U.S.については下記エントリーにて解説しています。

またビルボードジャパンはGlobal 200をベースに、日本市場の分を除いた上で日本の曲を抽出した、いわば海外でヒット中の日本の曲を可視化したGlobal Japan Songs Excl. Japanを昨秋立ち上げています。このチャートについてもブログで解説しているほか、(1月20日付のGlobal 200を基とする)最新1月18日公開分チャートについては下記エントリー/リンク先にて確認が可能です。

「Bling-Bang-Bang-Born」は1月20日付Global 200では200位以内に入っていませんが(日本の曲における順位はポストにて紹介しています→こちら)、Global Japan Songs Excl. Japanにおける8位初登場という状況から、同曲がGlobal 200にて200位未満ながら高位置にランクインしているものと考えます。日本時間の明日発表される1月27日付Global 200、および1月25日公開分のGlobal Japan Songs Excl. Japanの動向に注目です。

 

 

今後の注目点はグローバルチャートの動向もさることながら、Creepy Nuts側がグローバル(日本も含む)において曲を拡げる施策を徹底できるかにあるというのが私見です。

その施策のひとつが公式YouTube動画の発信。テレビアニメ『マッシュル-MASHLE-』のノンクレジットオープニングムービーはビルボードジャパンソングチャートの動画再生指標で加算されないものと思われます。またグローバルチャートにおけるストリーミング指標(グローバルチャートや米ビルボードソングチャートではYouTubeの動画再生はストリーミング指標に算入)にも加算されないものと考えていいでしょう。

上記エントリー群ではその問題を紹介した上で、公式オーディオ公開の重要性を説きました。後者のエントリーで記したように、『チャートアクションにかかわらず、YouTubeを音楽サブスク的に用いる方にとっては公式オーディオの存在がありがたいのでは』と考えるに、Creepy Nuts側が「Bling-Bang-Bang-Born」の公式オーディオ等様々な動画を早急に用意することが重要でしょう。