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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】アリアナ・グランデ「Yes, And?」が米およびグローバルを初登場で制覇

現地時間の1月22日月曜に発表された、最新1月27日付米ビルボードソングチャート(集計期間:1月12~18日)。前週首位のジャック・ハーロウ「Lovin On Me」は2位に後退、アリアナ・グランデ「Yes, And?」が初登場で首位を獲得しました。

ビルボードソングチャート65年の歴史において1,162曲目となる首位を獲得したアリアナ・グランデ「Yes, And?」は、初登場での首位獲得曲としては史上74曲目に。なお、初登場首位獲得曲の一覧はこちらで確認できます。

「Yes, And?」はストリーミングが2720万(同指標首位)、ダウンロードが53,000(同指標首位)およびラジオが2480万(同指標28位)を記録。ダウンロードのうち41,000はデジタルでの売上となります。なおアリアナ・グランデにとって、ストリーミングでは5曲目、ダウンロードでは9曲目の首位獲得曲となりました。

「Yes, And?」は集計期間中に14種(オリジナル版、エディット版、エクステンデッドミックス、アカペラ版、スロウミックスおよびスピードアップミックスがそれぞれエクスプリシットおよびクリーンバージョンにて、またオリジナル版およびエクステンデッドミックスのインストゥルメンタル)がリリースされ、集計期間終盤に69セント(0.69ドル)にて安価販売が実施されていました。

 

アリアナ・グランデは「Yes, And?」が8曲目の首位獲得曲に。ザ・ウィークエンド「Die For You」のリミックス版参加に伴い首位を獲得した昨年3月11日付以来、またアリアナ(主体)による作品での首位獲得は2020年11月における「Positions」以来となります。なおアリアナ・グランデは今作にて初登場での首位獲得が6曲目となり(初の首位獲得から「Positions」までの5曲はすべて初登場にて制覇)、女性歌手ではテイラー・スウィフトと並んで最多タイに。なお最も多く初登場にて首位を獲得した歌手はドレイクの9曲となります。

アリアナ・グランデビルボードソングチャート首位獲得曲>

「Thank U Next」(2018年11月17日付以降 7週)

「7 Rings」(2019年2月2日付以降 8週)

「Stuck With U (with ジャスティン・ビーバー)」(2020年5月23日付 1週)

「Rain On Me (with レディー・ガガ)」(2020年6月6日付 1週)

「Positions」(2020年11月7日付 1週)

「Save Your Tears (with ザ・ウィークエンド)」(2021年5月8日付以降 2週)

「Die For You (with ザ・ウィークエンド)」(2023年3月11日付 1週)

「Yes, And?」(2024年1月27日付 1週)

首位獲得曲数ではアリアナ・グランデビヨンセと並び、女性ソロ歌手では歴代8位タイとなる8曲に。最多はマライア・キャリーの19曲となり、以下リアーナ(14曲)、マドンナ(12曲)、ホイットニー・ヒューストンおよびテイラー・スウィフト(11曲)、ジャネット・ジャクソン(10曲)、ケイティ・ペリー(9曲)と続きます。

 

「Yes, And?」はアリアナ・グランデがマックス・マーティンおよびイリヤ・サルマンザデー(米ビルボードの記事では"ILYA"と表記)と共同にてプロデュースおよびソングライトを手掛けた作品であり、アリアナは今作にてソングライターとして8曲目、プロデューサーとしては初の首位を獲得。イリヤにとってはソングライター/プロデューサーの双方において、サム・スミス & キム・ペトラス「Unholy」(2022 1週首位)以来2曲目となる首位に。

そしてマックス・マーティンにおいてはプロデューサーとして24曲目の首位を獲得。これはジョージ・マーティンの23曲を上回り、単独にて史上最多記録を達成しました。なおジョージによる23曲のうち、ザ・ビートルズによる作品は19曲を占めています(ザ・ビートルズ全体では20曲が首位に)。

<プロデューサーによる最多首位獲得曲数>

・24曲 マックス・マーティン

・23曲 ジョージ・マーティン

・18曲 ドクター・ルーク

・16曲 ジミー・ジャム

・16曲 テリー・ルイス

またソングライターとして、マックス・マーティンは首位獲得曲数が26曲となりジョン・レノンに並び史上2位タイに。ポール・マッカートニーが32曲で最多となります。なおポールおよびジョンはザ・ビートルズによる首位獲得20曲すべてを書いています。

<ソングライターによる最多首位獲得曲数>

・32曲 ポール・マッカートニー

・26曲 ジョン・レノン

・26曲 マックス・マーティン

・18曲 マライア・キャリー

・18曲 ドクター・ルーク

マックス・マーティンによる最初の首位獲得曲はブリトニー・スピアーズのデビュー曲「...Baby One More Time」。プロデューサー/ソングライターの双方に関わったこの曲は1999年1月30日付、ちょうど四半世紀前の同月に制しています。

マックス・マーティンによるプロデューサーとしての新記録達成については別途記事が用意され、また米ビルボードのチャート専用アカウントでは首位獲得の全曲についてポストしています(全曲については記事にも掲載)。

 

アリアナ・グランデ「Yes, And?」は、タイトルに"Yes"が付いた曲で初の首位を獲得。テリー・デサリオ with K.C.「Yes, I'm Ready」(1980年3月 2位)を上回り、記録達成となりました。なお"Yes"が付く歌手としては、イエス(Yes)による「Owner Of A Lonely Heart」が1984年1月に2週首位を獲得しています。

(なお、タイトルに"No"が付く曲では、ザ・ローリング・ストーンズ「(I Can't Get No) Satisfaction」(1965)からアリシア・キーズ「No One」(2007)まで、10曲がこれまでチャートを制しています。)

 

前週まで通算3週に渡り首位を獲得していたジャック・ハーロウ「Lovin On Me」は2位に後退。一方でラジオは前週比15%アップの6700万を記録し、同曲においてこの指標を初めて制しています。なおジャックにおけるラジオ指標制覇は「First Class」(2022 4週)に次ぐ2曲目となります。

 

( 21サヴェージ、トラヴィス・スコット & メトロ・ブーミン「Née-nah」は公式オーディオ。)

21サヴェージが「Redrum」を5位、トラヴィス・スコットおよびメトロ・ブーミンとの「Née-nah」を10位に、それぞれ初登場にて送り込みました。ストリーミングは順に2140万および1800万を記録しています。21サヴェージはトップ10ヒットが17曲となり、「Redrum」にて単独名義(ゲストなし)による初のトップ10ヒットを獲得しています。またトラヴィス・スコットは15曲目、メトロ・ブーミンは5曲目のトップ10ヒット輩出となります。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (初登場) アリアナ・グランデ「Yes, And?」

2位 (1位) ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」

3位 (2位) テイラー・スウィフト「Cruel Summer」

4位 (3位) テイト・マクレー「Greedy」

5位 (初登場) 21サヴェージ「Redrum」

6位 (4位) ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス「I Remember Everything」

7位 (5位) ドージャ・キャット「Paint The Town Red」

8位 (8位) テディ・スウィムズ「Lose Control」

9位 (6位) シザ「Snooze」

10位 (初登場) 21サヴェージ、トラヴィス・スコット & メトロ・ブーミン「Née-nah」

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。1月27日付ではGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.の双方にてアリアナ・グランデ「Yes, And?」が初登場で首位を獲得しています。

(上記はアリアナ・グランデ「Yes, And?」のリリックビデオ。)

アリアナ・グランデ「Yes, And?」はGlobal 200でストリーミング9440万、ダウンロード67,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミング6800万、ダウンロード26,000を記録し、双方で首位に。アリアナはGlobal 200にて「Positions」(2020年11月 初登場以降2週)およびザ・ウィークエンドとの「Save Your Tears」(2021年5月 1週)に続く3曲目、Global Excl. U.S.では「Positions」(2020年11月 初登場週)に次ぐ2曲目の首位を獲得しています。

(上記は21サヴェージ「Redrum」の公式オーディオ。)

Global 200では21サヴェージの2曲が初登場でトップ10入り。「Redrum」が5位、トラヴィス・スコットおよびメトロ・ブーミンとの「Née-nah」が8位にエントリーしています。ストリーミングは前者が4470万、後者が3380万、ダウンロードは共に1,000を記録しています。21サヴェージにとってはこのチャートでのトップ10入りは16曲となり、「Redrum」にて初めて単独名義(ゲスト歌手なし)でのトップ10ヒットに。トラヴィス・スコットは9曲目、メトロ・ブーミンは5曲目のトップ10入りとなります。なお最新1月27日付米ビルボードアルバムチャートにて、21サヴェージ『American Dream』が初登場にて首位を獲得しています。

カリ・ウチス & ペソ・プルマ「Igual Que Un Ángel」がGlobal 200で9位に初登場。ストリーミング3820万、ダウンロード1,000を記録しています。カリ・ウチスは「Telepatía」が2021年4月に10位を記録して以来となる2曲目のトップ10入り、またペソ・プルマにとっては10曲目となります。最新1月27日付米ビルボードアルバムチャートではカリ・ウチスのアルバム『Orquídeas』が2位に初登場を果たしています。

シャビ「La Victima」がGlobal 200で15→10位に、Global Excl. U.S.では18→9位に上昇。Global 200ではストリーミングが前週比44%アップの4610万、Global Excl. U.S.ではストリーミングが同51%アップの3540万を記録しています(双方のチャートにおけるダウンロードについては記事未記載)。シャビは現在Global 200で4位、Global Excl. U.S.では3位にランクインしている「La Diabla」に次ぐ、双方で2曲目となるトップ10ヒットとなります。

ビザラップ & ヤング・ミコ「Bzrp Music Sessions, Vol. 58」がGlobal Excl. U.S.で5位に初登場。ストリーミングは3680万を記録しています(ダウンロードは記事未記載)。ビザラップにとっては同チャート5曲目のトップ10入りにして、いずれも”Bzrp Music Sessions”シリーズでのランクインとなります(ケベードとの「…Vol.52」が2022年7月以降通算6週首位、シャキーラとの「…Vol.53」が2023年1月に2位、ペソ・プルマとの「…Vol.55」が2023年6月に1週首位、およびミロ・Jとの「…57」が2023年10月に10位を獲得)。ヤング・ミコはバッド・バニーとの「Fina」(2023年10月 10位)に次ぐ2曲目のトップ10ヒットとなります。