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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ビルボードジャパン最新動向】ソングチャートのポイント増加に寄与する3つの影響源について

最新12月13日公開分のビルボードジャパンソングチャート(集計期間:12月4~10日)では、フィジカルセールス初加算に伴い乃木坂46「Monopoly」が同曲初の首位を獲得しました。

乃木坂46「Monopoly」はフィジカルセールス691,515枚を記録し、総合100位未満(300位圏内)から首位へ浮上。前作「おひとりさま天国」の初週フィジカルセールス(713,642枚)からはダウンするものの、同曲はYOASOBI「アイドル」に及びませんでした。乃木坂46の週間チャート制覇は2022年3月30日公開分における「Actually...」以来となります。

 

その乃木坂46「Monopoly」は10,390ポイントを獲得していますが、Ado「唱」は2位に後退しながらも10,084ポイントと僅差に。ポイント前週比110.6%となり、3週ぶりに1万ポイントを突破しています。

Ado「唱」については前週、ポイント自体はダウンするもダウンロード指標が伸びたことを紹介しました(下記エントリー参照)。前週の集計期間中にAdoさんが初のテレビパフォーマンスを行ったことが、特にダウンロード指標を刺激したと捉えています。

実際、最新チャートの集計期間中には『2023 FNS歌謡祭 第1夜』(フジテレビ 12月6日放送)でもパフォーマンスしており、ダウンロード指標のさらなる増加につながったものと思われます。さらに最新週においてはストリーミング、そして動画再生の回数が共に増加。ビルボードジャパンの記事によれば動画再生は前週からおよそ5%伸びています。

 

 

さて、最新12月13日公開分のビルボードジャパンソングチャートにおいては前週よりポイントを伸ばした曲が少なくありません。そのうち、ビルボードジャパンが12月8日金曜に発表した年間ソングチャートにてトップ10入りした曲の大半が伸びているのです。

最新12月13日公開分におけるポイント推移は、年間ソングチャートトップ10の首位曲から順にYOASOBI「アイドル」が103.7%、Official髭男dism「Subtitle」が102.4%、Vaundy「怪獣の花唄」が105.4%、米津玄師「KICK BACK」が103.4%、10-FEET「第ゼロ感」が107.5%、Ado「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」が106.6%、Mrs. GREEN APPLEダンスホール」が96.0%、Tani Yuuki「W / X / Y」が99.5%、スピッツ「美しい鰭」が104.4%となっています。なお、なとり「Overdose」は当週60位であり、ポイントが可視化されない週間50位未満ゆえポイント前週比は不明です。

(上記は2023年度ビルボードジャパン年間ソングチャートでトップ10入りした曲の、最新12月13日公開分における最大60週分のCHART insight。)

2023年度のビルボードジャパン年間ソングチャートでトップ10入りした曲のうち7作品がポイント前週超えを果たしていることに注目。実際この動向は2022年度にも発生しているのですが(下記リンク先参照)、2023年度においてもポイント上昇曲の多く(「アイドル」「Subtitle」「怪獣の花唄」「第ゼロ感」および「美しい鰭」)は、CHART insightにて黄緑で表示されるラジオ指標の順位がはっきり上昇していることが見て取れます。

ビルボードジャパンにおける最新チャートの記事ではYOASOBI「アイドル」について他指標も上昇していることが紹介されいるため、ラジオ以外の指標にも年間チャート紹介効果が波及したものと思われますが、ラジオ指標の伸びからはエンタテインメント業界(メディアを含む)のビルボードジャパンに対する注目度の高さが感じられます。そしてメディアでの紹介を経て、聴き手の行動にも波及しているものと考えられます。

 

 

接触指標群が強い曲はロングヒットしながら、ポイントは緩やかながら着実にダウンする傾向にあります。その流れを止める一助となるのがテレビパフォーマンスに加えて、今回紹介したような年間チャート発表であることがみえてきました。

さらに、たとえばSpotifyにおいて、"Spotify まとめ 2023"という年間チャートやユーザー毎にまとめられたプレイリストの登場が再生回数増加に影響しています。これはarne代表の松島功さんが述べていることですが(日本における11月30日付のSpotifyデイリーチャートについては自分もポストしています→こちら)、年間のトレンド発信や(ユーザー毎に付与された)プレイリストの存在もチャートに寄与することが理解できます。

 

テレビパフォーマンス、年間チャート発表および年間まとめのプレイリストはいずれもイレギュラーなものゆえ毎週のポイント増加にはつながりませんが、昨年同時期のチャート振り返り時に提案したようなラジオでのチャート紹介(そのような番組の制作)は必要ではないかとあらためて感じています。

もしくは米ビルボードが制作、発信するような動画(下記参照)をビルボードジャパンが用意することを前向きに検討すべきではないかと考えます。ショート動画ならばなお好いでしょう。