イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【マイベスト】2023年10月の私的トップ10ソングス、選びました

2020年1月にスタートした【私的トップ10ソングス+α】企画、今回は2023年10月分です。前の月にリリースされた曲を中心に選出しています。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。

過去の私的トップ10ソングス等についてはこちらに。Spotifyを利用し、New Music WednesdayNew Music Friday JapanNew Music FridayおよびMonday Spinといったプレイリストを毎週チェックしています。

 

なお、"私的トップ10ソングス"とあるように、月イチで紹介するこのエントリーは完全な私見に基づくベストソング選出企画となります。音楽チャート紹介時には個人的な作品への思い入れを乗せないよう心掛けています。

 

 

10位 BIN「Hollow

ボーカルを務める"山上"とは、ソロ歌手として活動するyamaさんのこと。その声はバンドサウンドとも調和しながら他のバンドとは少し異なり、疾走感溢れるサウンドに浮遊感とさらなる奥行きをもたらしているかのよう。個人的には2番Aメロ以降に挿入されるボンゴのような音を興味深く感じています。

 

 

9位 ブリタニー・ハワード「What Now」

アラバマ・シェイクスのボーカルを務めるブリタニー・ハワードの来るべきセカンドアルバムからの先行曲は、バンド時代の「Don't Wanna Fight」を彷彿。少しエレクトリック寄りな激しめのロックサウンドと唯一無二の彼女のボーカルはとても相性が良く、惹き込まれます。

 

 

8位 ザ・キッド・ラロイ、ジョングク & セントラル・シー「Too Much」

ジャスティン・ビーバーとの「Stay」が世界的に大ヒットしたザ・キッド・ラロイ、デイヴとの「Sprinter」が英でヒップホップ曲として最長首位記録を樹立したセントラル・シー、そしてラトーとの「Seven」で今夏世界的なヒットを放ったBTSのジョングクという2020年代を代表する3組の邂逅。純粋に格好良く、特にセントラル・シーおよびジョングクがこの曲を経て米でどこまで人気を獲得するか、注目しています。

 

 

7位 DJ TAMA a.k.a. SPC FINEST feat. 笠原瑠斗「Free」

肩の力を抜いて楽しめるような、シンセのリズムが気持ちいいブギーサウンド。笠原瑠斗さんのボーカルおよび多重コーラスが曲の心地よさを増幅させ、ただただ身を委ねたくなります。"ポッケ"という格好悪く感じられそうなワードも可愛く聴こえるのは、曲の魅力ゆえでしょう。

 

 

6位 レカン「Pray For Me」

今年デビューした模様の新人R&B歌手による、シンプルなアレンジが美しい逸品。シンプルであればあるほど歌手の実力がはっきり映し出されるのですが、まるでビロードのようなレカンの歌声はギターの音に寄り添い、心にスッと入り込んでくる印象です。

 

 

5位 サンファ「Suspended」

冒頭のファルセット、声のハーモニー…冒頭の数秒で既にサンファしか創り出せない世界を築き上げることに成功。そしてアウトロにおける短いながらも遊び心溢れるアレンジから、J-POPにおける中村佳穂「きっとね!」を思い出した次第。いつか両者の邂逅があったならばと感じています。

 

 

4位 トリップ・リー feat. カーク・フランクリン「Mercy」

クリスチャンヒップホップに客演として招かれたカーク・フランクリンによるクワイアに注目。特に三連符のメロディライン。そもそも三連符の適用自体ゴスペルでは珍しい気がしますがその多用によって生まれる、ふわりとした印象もまた従来のゴスペルにはなかなかない新しさではないでしょうか。

 

 

3位 GOOD BYE APRIL「サイレンスで踊りたい」

シティポップを現代に蘇らせた立役者の一組といっても過言ではないであろうGOOD BYE APRILの新曲は、そのシティポップ(曲名もまさに、という感じですが)にアース・ウィンド・アンド・ファイアー的なディスコティークを見事にブレンド。この融合はいい意味でずるく、彼らにしかできないサウンドといっていいでしょう。

 

 

2位 上白石萌音「ひかりのあと」

10月に届けられた作品には、いわゆるエバーグリーンなポップスを踏襲した作品が少なくないと言う印象です。上白石萌音さんの良い意味で朴訥な歌い方がこの曲に立体感を与えているのみならず、2番の後にアレンジが大きく変わる状況は、主人公の状況を示すのに有効に機能しています。

 

 

1位 藤井風「花」

ドラマ「いちばんすきな花」(フジテレビ)主題歌として書き下ろされた作品は、宇多田ヒカルさんの最新作にも関わったA・G・クック(A.G.クックと表記するメディアも有り)によるプロデュース。エバーグリーンなサウンドと共に紡がれるメッセージは、藤井風さんだからこそより説得力が高まっているように感じます。

 

 

以下、次点として10曲。

・Kroi「暴走」

・賽「ILa」

・brkfstblend「2am」

YOUR SONG IS GOOD feat. ジョリーン「You're Young」

・バルミング・タイガー「Buriburi」

・チェリー22 feat. オフセット「Favorite Girl」

・ガラント & スニーク feat. テラス・マーティン、ロバート・グラスパー & キー四・ハロルド「311!」

・ジョン・ビニール「Let This Go」

・テラス・マーティン & アレックス・アイズレー「Glad I Found You」

ティンバランド with アンナ・マーゴ「My Way」

 

ティンバランドがアンナ・マーゴを迎えた「My Way」は一聴してアリーヤ「Are You That Somebody?」(1998)を感じさせ、思わずニヤリ。これもY2Kムーブメントの流れゆえかもしれません。1990年代半ばから頭角を現したティンバランド自らが当時のサウンドを完全に再現しており、アップデートされた音像と1990年代らしさとの高次元での融合が癖になります。

 

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。