イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【ビルボードジャパン最新動向】9週目の首位を獲得したAdo「唱」、次週ポイントが伸びる可能性

最新11月29日公開分ビルボードジャパンソングチャート(集計期間:11月20~26日)ではAdo「唱」が5週連続、通算9週目の首位を獲得しました。

Ado「唱」はCHART insight↑では好調に推移しているようにみえる一方で、ポイントは10,532→9,702となり前週比92.1%を記録。これはYOASOBI「アイドル」(総合2位 前週比104.5%)、同「勇者」(総合4位 同97.7%)、King Gnu「SPECIALZ」(総合5位 同102.5%)等と比べて低く、当週トップ10入りした曲の中で前週も50位以内に入った作品(すなわちポイント前週比が計算可能な曲)の中では「唱」の下げ幅が最大となっています。

当週は集計期間4日目が祝日であり平日が1日少ない状況。日本では土日および祝日のストリーミングが伸びる傾向にあり、ロングヒット曲(の中でピークを越えた作品)においては総合ポイントの下げ幅が小さくなる傾向にあるのですが、Ado「唱」はハロウィーン関連タイアップ曲ゆえかイベント後の反動が大きいといえるでしょう。それでも強力なライバルが不在であり、次週以降も首位の座をキープする可能性は高いといえます。

 

そのAdo「唱」については、次週以降ポイントを伸ばすかもしれません。

明後日放送される『ベストアーティスト2023』(日本テレビ)にてAdoさんは2曲をパフォーマンス。テレビ初歌唱という話題性もさることながら、テレビでの話題はソングチャートに寄与します。

 

(上記はスキマスイッチ「奏 (かなで)」の直近60週分におけるCHART insight。)

2004年リリースのスキマスイッチ「奏 (かなで)」はカラオケ指標が長らく安定しているのですが、先月以降は三度に渡って総合ソングチャート100位以内に登場しています。そのうち10月25日公開分および最新11月29日公開分ではダウンロード指標(上記CHART insightでは紫で表示)が急上昇し、前者で22位、後者で21位を記録しているのです。

スキマスイッチ「奏 (かなで)」は10月19日および11月23日放送の『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』(TBS)にて本人が歌唱を披露。これが曲のステップアップにつながったといえます。

この番組がきっかけとなり再ヒットした例としては他にも、Novelbright「Walking with you」(2018)が挙げられます。10月26日放送回にてボーカルの竹中雄大さんが歌唱したことを機に、「Walking with you」は11月1日公開分にてダウンロード指標10位に急伸、ストリーミングも100位以内に返り咲き、結果的に総合ソングチャートでは11月1日公開分以降5週続けて100位以内にランクインしています。

(上記はNovelbright「Walking with you」の直近60週分におけるCHART insight。)

 

テレビパフォーマンスにおいては、その印象(インパクトや感動度)がより強いほどダウンロードを中心に総合ソングチャートに影響するのではと考えます。ゆえに、ともすれば音楽番組よりもバラエティにてその傾向が強いかもしれませんが、Adoさんは明後日放送の『ベストアーティスト2023』において"テレビ初歌唱"を果たします。その強力なインパクトが、「唱」のチャートアクションに大きく寄与するかもしれません。