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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

Kis-My-Ft2「Two as One」に新たな指標が加算…デジタルの重要性をジャニーズ事務所側に提示する

昨日のブログエントリーでは、最新9月14日公開分(9月19日付)ビルボードジャパンソングスチャートにおいてフィジカル関連指標初加算に伴い総合トップ10入りした3作品の、いわば強くない部分について紹介しました。その際、デジタルの高値安定が社会的ヒットに至る鍵と示しています。

さて、最新のビルボードジャパンソングスチャートでは興味深い事象が発生。フィジカル関連指標加算4週目となるKis-My-Ft2Two as One」は総合100位以内から脱落してしまいましたが、このタイミングでダウンロード指標が初加算されたのです。

上記CHART insightにおいて、ダウンロード指標は紫で表示。最新9月14日公開分(9月19日付)ではこの指標が47位となり、同週の獲得ポイントの4分の1を占めていることが解ります。

 

Kis-My-Ft2のダウンロード解禁先は限られ、iTunes Storeでは未配信の一方でレコチョクでは解禁されています。レコチョクにはジャニーズ事務所所属歌手の作品をまとめた特設サイト(→こちら)もありますが、このサイトでは「Two as One」等最新曲は登場しておらず特設サイト自体が未更新のまま。一方で歌手名検索すると、「Two as One」を含むKis-My-Ft2の代表曲が登場します。

レコチョクダウンロードサイトでは、King & Prince以降のデビュー組は登場せず、またジャニーズWESTは短尺版で公開されている等ばらつきがあり、フルバージョンで解禁しているジャニーズ事務所所属歌手は限られている模様です。

 

Kis-My-Ft2のダウンロード指標加算で思い出したのが「Luv Bias」(2021)。こちらもフィジカル関連指標加算4週目にダウンロード指標が初加算され、総合31→13位に再浮上を果たしています。そのタイミングでブログエントリーを記載し、CHART insightも掲載していますので下記リンク先をご参照ください。

(上記はライブバージョンですが、フルバージョンにて公開。)

Kis-My-Ft2のサブスク解禁(LINE MUSIC限定)は昨年夏であり、「Luv Bias」のフィジカル加算初期のタイミングではストリーミング指標が加算されていませんが、主題歌に起用されたドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS)のヒットも相俟ってヒットが持続。その後ダウンロード指標が加算されたことで、トップ10目前まで再浮上する形となりました。

Kis-My-Ft2Two as One」については、フィジカル初加算週にLINE MUSIC再生キャンペーンも実施したことが功を奏し、8月24日公開分(8月29日付)ビルボードジャパンソングスチャートでは2位に登場。Ado「新時代」には及ばなかったものの、1万ポイント超え達成は2010年代前半以前のジャニーズ事務所デビュー歌手では珍しい記録となっています。

仮に8月24日公開分(8月29日付)ビルボードジャパンソングスチャートでKis-My-Ft2Two as One」にダウンロード指標が加算、つまりフィジカルリリース週にダウンロードも解禁されていたならば、ダウンロード数自体も増え、Ado「新時代」にもう少し迫れたことでしょう。Kis-My-Ft2のコアファンではなくとも、主題歌に起用されたドラマ(『NICE FLIGHT!』(テレビ朝日))のファンが所有行動を起こした可能性があります。

 

Luv Bias」ほどではないにせよ、「Two as One」もダウンロード指標の加算が確認されたことでデジタルがチャート上でも有効に作用することが判明しました。ならばKis-My-Ft2サイドは今後デジタル関連指標をどう活かしていくのかが課題となります。

一方で、Kis-My-Ft2側にはデジタルに関する制約が存在しているのかもしれません。ダウンロードで大きなシェアを誇るであろうiTunes Storeでの未解禁や、サブスクではLINE MUSIC限定という状況に、解禁したくてもできないというジレンマを感じる自分がいます。言い換えれば、その制約の中でなんとかデジタルに食らいついているという姿勢も感じられます。

徐々に解禁するならば、ダウンロード解禁日をレンタル解禁同様フィジカルリリース週の土曜に設定することを提案します。仮にフィジカルセールスを鈍化させると考えダウンロードの解禁を遅らせたのならば、なぜレンタルの解禁日はフィジカル発売の3日後であり、サブスクは発売と同日の解禁なのでしょう。ダウンロードを同週解禁しても問題ないはずであり、その際iTunes Storeの解禁は必須だと考えます。

仮に今回の「Two as One」をフィジカルリリース週の土曜にデジタル解禁していたならば、金曜深夜放送の『NICE FLIGHT!』視聴者が「Two as One」をダウンロードする流れが生まれていたことでしょう。ドラマの次回予告と合わせてデジタル解禁の旨を伝えたならば、所有/接触双方の指標を刺激しデジタルが増幅されることで、フィジカル初加算週における「Two as One」がAdo「新時代」を逆転した可能性も生まれたはずです。

 

Kis-My-Ft2Two as One」におけるデジタル解禁は、制約の存在を思わせながらもデジタルをどうやって味方にするかを所属歌手毎に模索している姿勢が伺えます。ライト層にもリーチでき、チャート上でも有効になる以上、デジタルをやらない手はないというのが私見。実際、チャート上で有効に作用した例は少なくないゆえ、ジャニーズ事務所側の柔軟な対応を強く願います。ライト層や海外ファンの獲得にもつながるはずです。