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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

Kis-My-Ft2「Two as One」が1万ポイント突破…好調の理由、そしてロングヒットに至れるかを考える

最新8月24日公開分(8月29日付)ビルボードジャパンソングスチャートでは、Kis-My-Ft2Two as One」が2位に初登場。玉森裕太さん主演ドラマ『NICE FLIGHT!』(テレビ朝日)主題歌のことの曲は1万ポイント超えを達成しました。2022年度におけるジャニーズ事務所所属歌手の1万ポイント超えは、2010年代前半以前デビュー組に限ればジャニーズWEST「星の雨」(8月10日公開分(8月15日付)に次いで2曲目となります。

Kis-My-Ft2はこの1年の間に4曲を総合30位以内に送り込み、いずれもストリーミング指標を獲得しています。

(「Fear」は「SO BLUE」とのダブルAサイドとなっていますが、ビルボードジャパンソングスチャートにおけるフィジカル関連指標は1曲のみに加算されます。)

これは独占解禁しているLINE MUSICでの再生キャンペーンが功を奏した形。ストリーミング再生回数が可視化された週の動向をみると、「A10TION」は6,293,654回再生(2021年8月18日公開分(8月23日付))、「SO BLUE」は4,776,395回再生(2021年9月8日公開分(9月13日付))、「Fear」は2,810,064回再生(2021年9月15日公開分(9月20日付))、「Two as One」は3,540,956回再生(8月24日公開分(8月29日付))をそれぞれ記録しています。

LINE MUSIC再生キャンペーンのハードルはすべての曲において100回と高くはなく、期間も1週間と短いのが特徴。「A10TION」のみ火曜開始ですが、他の3曲は水曜からの1週間となっており、「Fear」や「Two as One」のフィジカルリリースと同日にサブスクが解禁され、その日から1週間がキャンペーン対象期間に設定されています。

LINE MUSIC再生キャンペーンを主体としたと言えるストリーミング再生回数は減少傾向が続いていましたが「Two as One」で持ち直し。フィジカルセールス上昇、ラジオ指標5位等の好成績と合わせて、同曲はフィジカルおよびストリーミングの初加算週に1万ポイント超えを達成しました。Ado「新時代」との逆転を目指したコアファンの意志もTwitter指標等から感じますが、この1万ポイント超えは大きいのではないでしょうか。

 

重要なのはフィジカル関連指標加算2週目、ならびにLINE MUSIC再生キャンペーン終了後の動向。後者においてはキャンペーン終了後にストリーミング指標が急落しており、キャンペーンに頼らない再生回数の獲得が求められます。そうなると、LINE MUSIC以外のサブスクサービスでの解禁も考える必要があるでしょう。

今回の「Two as One」でプラス材料となりそうなのが、ストリーミング同様に接触を示す動画再生。最新チャートにおいて100位以内エントリーを果たしました。

上記ミュージックビデオは"YouTube ver."と銘打たれていますが実際はフルバージョン(の模様)であり、これも接触指標上昇に寄与したものと思われます。「SO BLUE」はフルバージョンでの公開でしたが「A10TION」および「Fear」はショートバージョンとなっていたため、ともすればKis-My-Ft2側が方針転換を図った可能性もあります。

そしてKis-My-Ft2は、今夏の東京ドーム公演での「Two as One」パフォーマンス映像を昨夜YouTubeで公開しました。前作に比べて好調に推移する動画再生指標をより強固にするものでもあり、公開の巧さに唸らされます。そして同時に、Kis-My-Ft2側がきちんとデジタルを意識している姿勢を垣間見ることができるのです。

 

 

Kis-My-Ft2は、メンバーの玉森裕太さんが出演したドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS)の主題歌「Luv Bias」(2021)がダウンロードを一部限定ながら解禁し、ビルボードジャパンソングスチャートでは実際に効果が出ています。ドラマのヒットも考えれば、当時サブスクを解禁していたならばより大きく、且つロングヒットになったでしょう。デジタル解禁の必要性は下記等のブログエントリーにて示しています。

全サブスクサービスでの解禁も含め、Kis-My-Ft2がデジタルにさらに前向きになることを願うばかりです。