イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

キンプリ、A.B.C-Z、WEST…半月で3組のジャニーズ事務所所属歌手がTikTokアカウントを開設、そこから見えてくるものとは

ジャニーズ事務所所属歌手によるTikTokアカウント開設が続いています。この半月ちょっとの間に3組が登場しました。

@kingandprince_j_universe #ichiban を付けて、新曲「ichiban」でハッシュタグチャレンジ投稿しよう! 6/29 4thアルバム「Made in」発売 #kingandprince #Made_in ♬ ichiban - King & Prince

@abcz_zproject #どこでも5stars チャレンジ、みんなもやってみてね⭐️まずは基本編をA.B.C-Zメンバーがやってみました🤩#ABCZ#ざえび ♬ Za ABC~5stars~ (アウトロVer.) - A.B.C-Z

@wearewest7 8月3日「 #星の雨 」発売を記念して、#ジャニーズWESTTikTokに登場🌈 #TOBEKANSAICOLOR のステージ上で、#神山智洋誕生祭2022 とWサプライズで発表された瞬間です💚踊って楽しい #SOUL2SOUL をはじめ、過去のシングル曲も一斉配信スタート🎶これからたくさん盛り上げていく予定なので、 #Everybody集合 ♬ SOUL 2 SOUL - ジャニーズWEST

TikTok Japanによるアカウント開設紹介ツイートに続いて、King & PrinceとジャニーズWESTは最初の、A.B.C-Zは2番目の投稿動画を掲載しましたが、ジャニーズWEST以外はいわゆるチャレンジ企画が用意されています(King & Princeは"#ichiban"、A.B.C-Zは"#どこでも5stars")。

またジャニーズWESTは今年リリースのアルバム『Mixed Juice』収録の「しらんけど」を用いたショート動画を作成し、所属レコード会社の公式YouTubeチャンネルにアップしていました。これはTikTok的アプローチと言えますし、実際にTikTokアカウントを用意したならば同種のチャレンジ企画を用意することでしょう。

 

TikTokを開設した3組はいずれも新作のリリース前後に実施。King & Princeはニューアルバム『Made in』が今週水曜にリリースされ、チャレンジモノとなった「ichiban」はリード曲としてテレビでも披露されています。

A.B.C-Zはニューシングル「Graceful Runner」が『Made in』と同じ今週水曜にリリース。またジャニーズWESTは「星の雨」が少し先となる8月3日にリリースされますが、この曲が主題歌となりメンバーの重岡大毅さんが主演を務めるドラマ『雪女と蟹を食う』(テレビ東京)が今月8日にスタートします。

フィジカルリリース前、遅くともリリースタイミングまでにTikTokアカウントを開設し、リリースの機運を高めようという狙いが見て取れます。そして一足早くTikTokアカウントを開設したなにわ男子は、7月13日リリースのファーストアルバム『1st Love』に収録される「ちゅきちゅきハリケーン」を用いた"ちゅきちゅきダンス"を披露。ハッシュタグにもなっており、アルバム推進の強力な武器にしようとしています。

@naniwadanshi_jstorm みんな"ちゅきちゅき"って知ってる?? #ちゅきちゅきダンス 爆誕したよ🫶 #なにわ男子 #1stLove #ちゅきちゅきハリケーン ♬ ちゅきちゅきハリケーン - なにわ男子

 

ジャニーズ事務所所属歌手がTikTokに熱心になるのはフィジカルリリースの認知浸透もさることながら、動画のヒットが音楽チャート、そして社会的ヒットに大きく影響を及ぼしていることが判ったことで各歌手が前向きに動き出したということも考えられます。

今年度のビルボードジャパンソングスチャートにおけるジャニーズ事務所所属歌手のシングル表題曲における、フィジカル関連指標初加算からの3週間の動向をまとめたものを上記に。フィジカル関連指標初加算の2週後も総合50位以内をキープしているのは3曲のみとなっています。そのうちSnow Manブラザービート」はフィジカル関連指標初加算以降7週、さらには加算前は4週、100位以内に入っていたのです。

11週連続総合100位以内登場はデジタル未解禁のジャニーズ事務所所属歌手による作品では珍しいのですが、「ブラザービート」は動画再生(上記CHART insightでは赤で表示)が強く、同指標初登場時から総合でも100位以内に登場しています。サブスク未解禁ながらYouTubeのオーディオストリーミングが多いことで、ストリーミング指標も加算されていたのが大きな特徴です。

動画再生指標の強さは上記ミュージックビデオやダンスプラクティス動画(→こちら)をフルバージョンで投稿したことも大きく影響していますが、TikTokの存在も大きいことが解ります。

ブラザービート」2番出だしの"イーアルサンスー"がハッシュタグ化され人気となり、TikTokは上半期のトレンド30選のひとつに挙げています。Snow Man自体はTikTokを現時点で開設していないものの、この曲が主題歌に使われた映画『おそ松さん』にはTikTokアカウントが存在し、Snow Manも出演。とはいえ彼らがこのハッシュタグを積極的に用いたわけではない模様であり、自発的な拡がりと言えるかもしれません。

この曲の人気については、今年度上半期のビルボードジャパン各種チャートについて紹介した際にも触れています(下記ブログエントリーの"⑥ ジャニーズ事務所所属歌手はデジタルの前向きな解禁を急ぐべき"をご参照ください)。

上記ブログエントリーでも紹介したZ総研による『Z世代が選ぶ2022上半期トレンドランキング』(→こちら)ではSnow Manブラザービート」、そしてなにわ男子「初心LOVE」が流行った曲にランクインし、歌手別ランキングでも2組が登場しています。

「初心LOVE」はフィジカル関連指標初加算以降15週連続、現在までに計18週100位以内に入っており、動画再生指標も好調。なにわ男子の公式TikTokアカウントでは発信がみられないものの、メンバーの道枝駿佑さんが出演したドラマ『消えた初恋』(テレビ朝日)を放送した枠のTikTokアカウントでは"うぶらぶダンス"というハッシュタグを用いた投稿がみられます。曲も「うぶらぶダンスver.」となっており、興味深い動きです。

@oshidora_ex #うぶらぶダンス #青木#井田 で踊ってみた💃🕺 #初心LOVE #消えた初恋 #毎週土曜よる11時30分 放送📺✨ #道枝駿佑 #目黒蓮 #SnowMan #なにわ男子 #うぶらぶダンスチャレンジ ♬ 初心LOVE(うぶらぶ)#うぶらぶダンスver. - なにわ男子

またマイナビティーンズラボによる2022年上半期ティーンが選ぶトレンドランキングでは道枝駿佑さんが首位に立ち、この点も「初心LOVE」、そしてなにわ男子の人気につながったと言えるでしょう。

【ヒト篇(TOP3)】

1位:道枝駿佑(なにわ男子)(30.3%)

大人気グループであるなにわ男子のメンバー。

圧倒的なビジュアルの良さと可愛らしいキャラクターが、10代女子から絶大な人気を集めており、見事1位に輝く。4月から放送中のドラマ「金田一少年の事件簿」では主演に抜擢されるなど、俳優としても活躍中。TVで見ない日がないくらいマルチに活動しており、人気が爆発している。

マイナビティーンズラボのランキングにはSnow Manブラザービート」や映画『おそ松さん』も流行ったコトとしてランクイン。TikTokから火がついたのか、それとも流行がTikTokに飛び火したのかは定かではありませんが、TikTok→ミュージックビデオ(動画再生指標)→他指標への波及によりビルボードジャパンソングスチャートでヒットしたことは間違いありません。ゆえにサブスク解禁していれば尚の事…とも思うのです。

 

 

ジャニーズ事務所はデジタル解禁について今も消極的な姿勢を採っていますが、この状況は今後も続くのではと考えるに至っています。というのも、Snow Man佐久間大介さんがCDレコの新CMキャラクターに選ばれたゆえ。スマートフォンで音楽を聴くためにCDを買って取り込むというスタイルをジャニーズ事務所側が貫こうとしていると考えるのは穿った見方かもしれませんが、可能性はゼロではないでしょう。

とはいえ、動画に関しては力を入れており、この半月ちょっとの間に3組もの歌手がTikTokにアカウントを開設しています。これはSnow Manブラザービート」やなにわ男子「初心LOVE」の成功を分析した結果、動画訴求の重要性、TikTokが火付け役になることが判明したとジャニーズ事務所側が捉えたからではないでしょうか。ジャニーズ側が複合指標に伴うチャートを意識しているだろうことも推測できます。

動画のヒットがCDセールスの上昇につながるかを見極め、サブスク解禁を前向きに検討することを願いながらも、この動きは注目すべきことだと感じています。