11月15~21日を集計期間とする11月24日公開(11月29日付)ビルボードジャパンソングスチャートでなにわ男子「初心LOVE」が連覇を達成したことについては先週木曜のブログエントリーにて紹介しました。
この連覇の原動力となったTikTokにおいても、「初心LOVE」は遂に首位を射止めました。11月15~21日を集計期間とするTikTok週間楽曲ランキングは先週金曜に発表されています。
【TikTok週間楽曲ランキング】なにわ男子「初心LOVE」初の首位 大橋ちっぽけ「常緑」が続く https://t.co/TSiTFymcvC pic.twitter.com/4sEKIDsFyS
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2021年11月26日
(上記動画はミュージックビデオのショートバージョンとなります。)
『TikTokではチャレンジ“#うぶらぶダンス”が展開中、ドラマのキャスト陣によるチャレンジ動画も公開されているほか、なにわ男子「初心LOVE」公式アカウントではメンバーたちも登場しており、ファンに向けたコンテンツを発信』していたことが影響し、『9位で初登場し、その後6位、4位、2位を着実に順位を上げ、当週ついにトップに躍り出た』という経緯となっています(『』内は上記記事より)。
@oshidora_ex ##うぶらぶダンス ##青木 と ##井田 で踊ってみた💃🕺 ##初心LOVE ##消えた初恋 ##毎週土曜よる11時30分 放送📺✨ ##道枝駿佑 ##目黒蓮 ##SnowMan ##なにわ男子 ##うぶらぶダンスチャレンジ
♬ 初心LOVE(うぶらぶ)#うぶらぶダンスver. - なにわ男子
さらに、なにわ男子「初心LOVE」は11月19~25日を集計期間とする日本におけるYouTube楽曲ランキングでも首位に。集計期間中にアメリカン・ミュージック・アワードで3冠を達成し且つグラミー賞にもノミネートされたBTS「Butter」の猛追をかわしました。この記録の凄まじさは、チャート分析や予想に長けたあささんのツイートでも示されています。
【YouTubeチャート(楽曲)】#なにわ男子「#初心LOVE」1位浮上
— あさ (@musicnever_die) 2021年11月28日
ジャニーズ事務所所属アーティストの本チャート首位は史上初#BTS「#Butter」39%増
American Music Awards 2021出演動画新規加算#Official髭男dism「#CryBaby」2%増
夜のひと笑いによるUGC等が話題https://t.co/Nyle9PuF9K https://t.co/QvxCvQRRX0 pic.twitter.com/YLh0DHgAtC
ともすればTikTokは、ユーザーか否かで同サービスおける人気曲の浸透度が大きく異なるかもしれません。
2021年のTikTokトレンドがわかる
— TikTok Japan【公式】ティックトック (@tiktok_japan) 2021年11月9日
『TikTok流行語大賞2021』ノミネート30選を発表🏆
皆さんの知ってるトレンドはありましたか?
ノミネートワードはこちらから🔽https://t.co/etMKfiriLk pic.twitter.com/hoyXA6Ghrg
(上記画像は2021年のTikTokトレンド総まとめ!『TikTok流行語大賞2021』ノミネート30選を発表!|Bytedance株式会社のプレスリリース(11月9日付)より引用しました。問題があれば削除いたします。)
TikTok週間楽曲ランキングを細かく追っていなかった自分は、TikTok流行語のうち楽曲が源となったものが実際は半数以上だったことに驚き、且つ猛省した次第です。言い換えればそれだけTikTokがヒットに欠かせない要素になったと言えますし、その中でもTikTok人気と世間一般への浸透度が特に強くリンクしたのが、ノミネートされたAdo「うっせぇわ」であり、そして今回のなにわ男子「初心LOVE」ではないでしょうか。
さらに、最新のTikTok週間楽曲ランキングでは大橋ちっぽけ「常緑」が2位、マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」が6位に。この2曲は最新11月24日公開(11月29日付)ビルボードジャパンソングスチャートにおいて、前者は初のトップ50入り、後者は2週連続でトップ20入りしており、Spotifyの急上昇を踏まえれば次週12月1日公開(12月6日付)での上昇が予想され、また気は早いですがTikTok流行語大賞2022も狙えるかもしれません。
TikTok人気と複合指標に基づくソングスチャートとがリンクしてきたと感じる一方、ビルボードジャパンは2021年度に歌ってみたや踊ってみたに代表されるユーザー生成コンテンツ(User Generated Contents。以下UGC)をソングスチャートの動画再生指標から切り離しています。それによりソングスチャートとショート動画との人気に乖離が生まれているという印象を抱く自分がいます。
UGCを動画再生指標から切り離したこと、また新たに生まれたTop User Generated Songsチャートについては9月のビルボードコラムで記載しています。このチャートで最新11月24日公開(11月29日付)において、なにわ男子「初心LOVE」が前週から21ランクアップし6位につけたことからTikTok以外でのUGC人気が把握でき、仮にUGCが動画再生指標から切り離されていなかったならばますますヒットしたと容易に想像できるのです。
【ブログ更新】
— あさ (@musicnever_die) 2021年11月20日
日本音楽ヒットチャートのCD偏重問題~2021年第4四半期時点の状況と解決案~
2021年の週間1位獲得曲や第4四半期チャートの状況分析、CD係数変更効果の検証等による@Billboard_JAPAN の現状確認
更なるCD換算率引き下げの必要性を明確化し具体的な方法を提案https://t.co/GLUfbX2HQI
UGCの再加算やTikTok等ショート動画の指標新設がおそらくは難しいだろうことも踏まえ、動画再生指標のウエイトアップを一案として提示したことがありますが、より具体的な提案は先述したあささんがブログ【Billion Hits!】の中で示されています。フィジカルセールス指標のウエイトダウンについても、あささんの提案を支持しています。
ビルボードジャパンは明後日発表の12月1日公開(12月6日付)各種チャートが2021年度の最終週となり、本日を集計開始とする12月8日公開(12月13日付)から新年度がスタートします。2021年度においては各四半期の初週にチャートポリシーを変更してきたことから、12月8日公開分でも何かしらの変更があるかもしれません。チャート分析者の提案が議題にとり上げられ、社会的ヒットをより反映された鑑となることを期待します。
最後に。あささんはブログ【Billion Hits!】の更新頻度について、『2021年12月を以て週1ペースでの新規記事投稿を一旦終了することとしました』とアナウンスされています。
2000年代後半からの十数年という、音楽チャートが適切に機能しなかったと言える時期について、当時における既存の音楽チャート以上に社会的ヒット曲の可視化を果たしたと言える【Billion Hits!】、そしてあささんの功績に賛辞を呈すると共に、今後の更新についても心待ちにしております。