イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

二宮和也版「君と僕の挽歌」をデジタルで触れる…今後増えるであろうフィジカル/デジタルのリリース手法を考える

嵐の二宮和也さんによるソロアルバム、『◯◯と二宮と』が6月17日にフィジカルリリースされました。

嵐のファンクラブで4月26日までに予約された方のみがフィジカル購入可能だったこのカバー作品が、本日よりダウンロードおよびストリーミングにて解禁されています。自分は下記のツイートにてその旨を知ることができました。

このリリース手法、今後日本でも採り入れられる予感がします。

 

二宮和也『◯◯と二宮と』の配信リリースは、フィジカル発売日であり二宮さんの誕生日でもある6月17日にアナウンスされています。

配信をチェックし気になったとしても今になってはフィジカルを購入することはできませんが、歌手のコアファンへと昇華すればファンクラブへの加入、そして今後のリリース作品を積極的に購入するようになるかもしれません。またフィジカルを購入した方にとってはその作品へのプレミアム感やコアファンとしての思い入れがより高まるはずです。

フィジカルの購入先を限定すること、そしてデジタルをきちんと解禁することでライト層にも満足感を与える手法は、米で顕著という印象があります。米ではCDショップは多くありませんが歌手のホームページにてフィジカルが積極的に展開され、売上は米ビルボードチャートのカウント対象となります。チャートを定点観測すると、ホームページでの売上が万単位となった作品も確認できます。

日本では、たとえば「W / X / Y」がヒット中のTani Yuukiさんは、昨年末にリリースしたアルバム『Memories』を当初はホームページ限定で発売していましたが、4月以降はタワーレコード(→こちら)でも取り扱いを可能としています。フィジカルの販売先限定や後発等の手段には懐疑的な見方もなくはないのですが(宇多田ヒカルだけではない、フィジカル後発施策を採る歌手が増加していることへの私見(2月22日付)参照)、デジタルを解禁しライト層にも届けているならばこの手法は今後増えていくことでしょう。

 

 

さて、自分が二宮和也『◯◯と二宮と』の配信リリースに反応したのには、アルバムの冒頭を飾る「君と僕の挽歌」への思い入れの強さという私的な理由も存在します。

さかいゆうさんによる「君と僕の挽歌」は、2012年の私的邦楽ベストソングスに選出したほど好きな作品。ゴスペルを歌った経験のある自分は、様々な角度からゴスペル的と言えるJ-Popに関心が高いのですが、親友の死に接して生まれたこの曲に宿るゴスペル感は、自分が見聞きした中でも特段強いと感じずにはいられません。とりわけライブ披露時、大サビ後のアカペラには胸を掴まされるのです。

さかいゆうさんがこのようなトレーニングをしたことを知らず、この曲に宿る思いの強さを再認識させられました。そしてこの曲の歌詞は二宮和也さんを介して、戻ってくる仲間への思いの深さという側面がより前面に打ち出されたように思います。二宮さん自身の歌ヂカラもまた、強く実感した次第です。

 

 

二宮和也「君と僕の挽歌」をデジタルで触れ、感銘を受けるに至りました。デジタルを解禁したことに感謝します。また、より多くのライト層に届けられるデジタルを活用し、このカバーとオリジナルとをチェックしていただきたい意味でも、今回J-Popのゴスペルアプローチ曲をまとめたプレイリストをリニューアルして用意しましたので、是非チェックしてください。