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KAT-TUN、ニューアルバム『Honey』をフィジカル/デジタル同日解禁、ジャニーズ歌手ではシングルに次ぐ初の事例に

藤井風『LOVE ALL SERVE ALL』、中村佳穂『NIA』が同日リリースとなった今週に続き、次週も注目の作品が登場。昨日デビューシングルのリリースから丸16年となったKAT-TUNがニューアルバム『Honey』をリリースします。そして記憶が正しければ、この作品がジャニーズ事務所所属歌手で初となるアルバムでのフィジカル/デジタル同日解禁となるのです。

デジタルでリリースされる『Honey (Selected Edition)』の内容はこちら。通常盤の11曲目までが収録されています。デジタル以外の収録内容はこちらをご参照ください(初回限定盤1には「STING」が、初回限定盤2には「Ain't Seen Nothing Yet」が収録されていません)。

昨日行われたアルバムリリース記念のイベントはAmazon Music JP発。ジャニーズ事務所所属歌手がこのようなリリースイベントを配信で行うこと自体が珍しいと言えますが、KAT-TUNはデジタルに果敢に挑戦。シングルに続きアルバムでもジャニーズ初のフィジカル/デジタル同日解禁となりました。この流れを踏まえれば、今回のイベントをAmazon Music JPにて実施したことは強く納得できます。

ジャニーズ事務所のデジタルリリースがこれまでなかったわけではありませんが、KAT-TUN「Roar」は【ダウンロード/ストリーミング/ミュージックビデオ配信(ショートバージョン含む)をCDリリース日までに解禁】した最初の例に。いわば「Roar」は"(ほぼ)完全なデジタル解禁"第一弾作品なのです。

アルバム収録曲の「Roar」について取り上げたブログエントリーを上記に。ジャニーズ事務所所属歌手では嵐や、KinKi Kidsのソロ作品がデジタル配信されていますがいずれもフィジカル先行でした。またKis-My-Ft2はベストアルバムをフィジカルリリース日に配信しましたが、LINE MUSIC独占且つ期間限定となっています。

ゆえにKAT-TUNHoney』におけるフィジカル/デジタル同時解禁の意味は大きいと言えます。音源が欲しいときや聴きたいときにすぐにアプローチできる環境ができたことで、たとえば嵐「カイト」(2020年)が東京オリンピック開催時に再浮上したように、いつ何時注目を集めても再浮上可能な環境が醸成できたことになるわけです。またデジタルは基本的に廃盤の概念がないゆえ、中長期での利益獲得にもつながります。

 

デジタル解禁されるKAT-TUNHoney』の収録内容がフィジカルのどれとも異なることで混乱が生じる可能性を感じつつ、しかしリード曲2曲と先行シングル曲を網羅したバージョンでのデジタルリリースは、自分がジャニーズ事務所側に提案した内容をなぞります。フィジカル購入者向けの楽しみも用意しつつ最低限の分を配信することを提案したばかりでした。

一方で、『アルバムに含まれずシングルのみに収録された曲を手に入れている』という先述した推測が当たっているならば、フィジカルシングルのいずれにも収録される表題曲だけでも配信してみることは視野に入れていいと考えます。フィジカルセールスを落としにくく、また公式動画にリンク先を貼付して各種デジタルプラットフォームへ遷移させることも可能でしょう。

今回の『Honey』のデジタルへの動きが、今後のジャニーズ事務所所属歌手のデジタルへの姿勢に反映されるかもしれません。前向きに考慮してほしいと願います。

 

 

最後にお知らせです。このジャニーズ事務所所属歌手のデジタル化について、ブログ【ただの音楽ファンが見る音楽業界】(→こちら)の管理人、RYO@音楽ブログさんと語ります。スペースはTwitter独自の機能ですので、RYOさんもしくは自分のTwitterアカウントにて開始時にスペースのリンクをアナウンスします。

1月に開催されたコラボスペースについては放送後記的な形で記載しましたが、その際にもジャニーズ事務所所属歌手のデジタル待望論は出てきており、今回のKAT-TUNHoney』の事例がその待望論を加速させるのは必至でしょう。

コラボスペース、是非楽しみにしてください