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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり)【海外ビルボード】ハリー・スタイルズが米6週目の首位、グローバルはハリーおよびケイト・ブッシュが制覇

(※追記(6時52分):タイトルを一部変更しました。)

 

 

 

現地時間の6月13日月曜に発表された最新6月18日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。ハリー・スタイルズ「As It Was」が3週連続、通算6週目の首位を獲得しました。

ハリー・スタイルズ「As It Was」はストリーミングが前週比9%ダウンの2500万(同指標3位)、ダウンロードが同6%アップの6900(同指標4位)、ラジオが同2%アップの7510万(同指標2位)を獲得しています。

2位をキープしたジャック・ハーロウ「First Class」はラジオが前週比8%アップの7930万となり、同指標でキャリア初の首位を獲得。なお、「First Class」で用いられたファーギー feat. リュダクリス「Glamorous」は2007年に総合首位を記録していますが、ラジオでは最高3位となっています。

前週8位に再登場しキャリア最高位を更新したケイト・ブッシュ「Running Up That Hill (A Deal With God) (邦題:神秘の丘)」が、今週は4位に浮上。5月27日にNetflixで公開された『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4(1~7話までが公開。8、9話は7月1日公開予定)で繰り返し用いられているこの曲は、ストリーミングが前週比65%アップの2900万(同指標1位)、ダウンロードが同21%アップの22200(同指標2週目の1位)、ラジオが同519%アップの240万(同指標50位未満)を記録。ラジオ以外の2指標はケイト・ブッシュにとって初の首位となり、トップストリーミングゲイナーおよびトップセールスゲイナーを獲得しています。

ケイト・ブッシュ「Running Up That Hill (A Deal With God)」は初チャートインした1985年9月7日付からトップ5入りするまでに36年9ヶ月と2週かかっており、歴代3位の記録となっています。歴代最長はボビー・ヘルムス「Jingle Bell Rock 」の61年と2週(1958年12月22日付~2020年1月4日付)、次いでブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」の59年と1週(1960年12月12日付~2019年12月21日付)、4位にはマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」の19年(2000年1月8日付~2019年1月5日付)となり、ストリーミングの興隆によってランクインしたクリスマスソングが上位を占めています。歴代5位はクイーン「Bohemian Rhapsody」が16年3ヶ月と2週(1976年1月3日付~1992年4月18日付)となり、こちらは映画『ウェインズ・ワールド』で用いられていることが再浮上のきっかけとなっています。

ケイト・ブッシュは「Running Up That Hill (A Deal With God)」のヒットにより、1985年リリースのアルバム『Hounds Of Love』もヒット。最新の米ビルボードアルバムチャートでは前週比59%アップの27000ユニットを記録し28→12位に上昇しています。同作はグレイテストゲイナーを獲得したのみならず、ケイト自身にとって米ビルボードアルバムチャートでのキャリア最高位を更新しています。

また単独による歌唱、ソングライトおよびプロデュース作品のトップ5ヒットはホージア「Take Me To Church」が2014年12月に2位を記録して以来となり、その前はファレル・ウィリアムス「Happy」(2014年3月以降10週首位)となります。女性歌手における単独歌唱、ソングライトおよびプロデュース作に絞ると、ケイト・ブッシュ「Running Up That Hill (A Deal With God)」はアリシア・キーズ「If I Ain't Got You」が2004年7月に4位を記録して以来、およそ18年ぶりの記録となります。

(上記はリリックビデオ。)

ポスト・マローン feat. ドージャ・キャット「I Like You (A Happier Song)」が9位に初登場。ポスト・マローンのニューアルバム『Twelve Carat Toothache』が最新の米ビルボードアルバムチャートで2位に初登場を果たしたことに因るもので、ストリーミングは1890万(同指標6位)、ダウンロードは4100(同指標10位)、ラジオは560万(同指標50位未満)を記録しています。

ポスト・マローンにとって「I Like You (A Happier Song)」はキャリア11曲目のトップ10ヒットとなり、ストリーミング10位以内は22曲目、ダウンロード10位以内は14曲目に。ドージャ・キャットにおいてはキャリア5曲目のトップ10ヒットとなり、ストリーミング、ダウンロード共に10位以内エントリーは7曲目となります。

ポスト・マローンは『Twelve Carat Toothache』の初登場に伴い、今週12曲が100位以内にエントリーを果たしています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) ハリー・スタイルズ「As It Was」

2位 (2位) ジャック・ハーロウ「First Class」

3位 (3位) フューチャー feat. ドレイク & テムズ「Wait For U」 

4位 (8位) ケイト・ブッシュ「Running Up That Hill (A Deal With God)」

5位 (4位) リゾ「About Damn Time」

6位 (5位) グラス・アニマルズ「Heat Waves

7位 (6位) ラトー「Big Energy」

8位 (7位) バッド・バニー feat. チェンチョ・コルレオーネ「Me Porto Bonito」

9位 (初登場) ポスト・マローン feat. ドージャ・キャット「I Like You (A Happier Song)」

10位 (11位) バッド・バニー「Tití Me Preguntó」

リゾ「About Damn Time」はラジオにおいて2週目のグレイテストゲイナーを獲得。同指標は前週比22%アップの5040万を記録しています。

バッド・バニー「Tití Me Preguntó」は、『Un Verano Sin Ti』が5月21日付の米ビルボードアルバムチャートを制したタイミングにて5位に登場して以来のトップ10入りとなりました。なお『Un Verano Sin Ti』は最新の米ビルボードアルバムチャートで通算2週目の首位を獲得しており、スペイン語作品が複数週制したのは初となります。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。6月18日付ではGlobal Excl. U.S.においてハリー・スタイルズ「As It Was」が歴代単独最長となる10週目の首位となり、Global Excl. U.S.に米の分を加えたGlobal 200ではケイト・ブッシュ「Running Up That Hill (A Deal With God)」が初の首位を獲得しました。

1985年にリリースされたケイト・ブッシュ「Running Up That Hill (A Deal With God)」はGlobal 200において、ストリーミングが前週比75%アップの8590万、ダウンロードが同30%アップの37200を獲得。過去2シーズンに渡って通算8週首位を記録したマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」(1994年リリース)を上回る、最も古いリリース曲のチャート制覇となりました。Global Excl. U.S.において同曲は、ストリーミングが前週比80%アップの5720万、ダウンロードが同46%アップの14900を記録し5→2位に上昇しています。

「Running Up That Hill (A Deal With God)」の首位獲得により、イギリス出身歌手のGlobal 200制覇は16週連続となりました(グラス・アニマルズ「Heat Waves」の6週、ハリー・スタイルズ「As It Was」の9週に次ぐ)。またケイト・ブッシュはこの2組およびアデル(「Easy On Me」)、コールドプレイ(BTSとの「My Universe」)、エド・シーラン(Bad Habits」)に続き、イギリス出身の歌手では6組目のGlobal 200制覇を果たしています。

ハリー・スタイルズ「As It Was」はGlobal 200で10週連続の首位とはならなかったものの、Global Excl. U.S.では10連覇を達成。ストリーミングは前週比4%ダウンの6800万、ダウンロードは同7%ダウンの8400を記録しています。10週首位はこれまでの最長記録だったゲイル「Abcdefu」(2022年1月以降)、ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」(2021)およびオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」(2021)の9週を上回る歴代単独最長記録達成となります。

今週もバッド・バニーの強さが際立ち、Global 200ではトップ5に3曲、トップ10内には4曲を、Global Excl. U.S.ではトップ5に3曲、トップ10内に5曲を送り込んでいます。Global Excl. U.S.では「Efecto」が13→9位となり(ストリーミングは前週比21%アップの3360万を記録)、Global Excl. U.S.では歴代最多となる12曲目のトップ10入り、且つ『Un Verano Sin Ti』からは8曲目のトップ10入りを果たしました。Global Excl. U.S.ではジャスティン・ビーバーおよびBTSがトップ10に7曲を送り込んでおり、バッド・バニーは倍近い差をつけて単独最多記録を更新しています。

(上記動画は360°ヴィジュアライザー。)

Global 200ではポスト・マローン feat. ドージャ・キャット「I Like You (A Happier Song)」が7位に初登場。ストリーミングは3860万、ダウンロードは5600を記録しています。ポスト・マローンにとってGlobal 200のトップ10入りはザ・ウィークエンドとの「One Right Now」(2021年11月 9位)以来2曲目、ドージャ・キャットは4曲目となります。

Global Excl. U.S.ではシャキーラ & ラウ・アレハンドロ「Te Felicito」が29→6位に上昇。ストリーミングは前週比89%アップの4430万、ダウンロードは同178%アップの1200を記録しています。TikTokのバズ等によって急浮上したことにより、シャキーラにとっては初のGlobal Excl. U.S.トップ10入り、ラウ・アレハンドロは4曲目のトップ10入りをそれぞれ達成しています。