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【海外ビルボード】ジャック・ハーロウ「First Class」が米で首位キープ、ケンドリック・ラマーが米トップ10内に4曲初登場

現地時間の5月23日月曜に発表された最新5月28日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。ジャック・ハーロウ「First Class」が2週連続、通算3週目の首位を獲得。またケンドリック・ラマーが初登場にてトップ10内に4曲を送り込みました。

ジャック・ハーロウ「First Class」はストリーミングが前週比19%ダウンの2520万(同指標6位)、ダウンロードが同8%アップの8600(同指標4位)、ラジオが同23%アップの6030万(同指標3位)を記録。ラジオは5週連続でトップエアプレイゲイナーを獲得しています。

ハリー・スタイルズ「As It Was」が2位をキープ。ストリーミングは前週比3%ダウンの2250万、ダウンロードは同5%アップの7900、ラジオは同6%アップの7010万を獲得し、ラジオは2週連続の首位となりました。

 

ケンドリック・ラマーの4曲がトップ10内に初登場。「N95」はストリーミング3720万、ダウンロード2300およびラジオ942000を獲得し総合3位に。ストリーミングでは自身の「Hamble.」(2017年4月 4週)、リル・ウェインに客演参加した「Mona Lisa」(2018年10月 1週)に続く3曲目の首位となります。

ケンドリック・ラマーはニューアルバム『Mr. Morale & The Big Steppers』が最新米ビルボードアルバムチャートで初登場首位に。獲得ユニット数は今年最大となる295500となり、収録曲も大挙エントリー。トップ10内にはブラストおよびアマンダ・ライファーとの「Die Hard」が5位(ストリーミング2700万、ラジオ240万)、コダック・ブラックとの「Silent Hill」が7位(ストリーミング2650万、ラジオ180万)、「United In Grief」が8位(ストリーミング2500万)に、それぞれ初登場しています。

これによりケンドリック・ラマーはトップ10入りが12曲に。またコダック・ブラックは4曲目、ブラストおよびアマンダ・ライファーにとっては初のトップ10入りとなりました。

4曲以上をトップ10内に同時初登場させたのはケンドリック・ラマーが7組目。これまでドレイク(2018年7月14日付)、リル・ウェイン(2018年10月13日付)、ジュース・ワールド(2020年7月25日付)、J. コール(2021年5月29日付)、フューチャー(2022年5月14日付)およびバッド・バニー(2022年5月21日付)が4曲同時トップ10内初登場の記録を持つほか、ドレイクに至っては2021年9月18日付において9曲同時にトップ10内に送り込んでいます。

なおケンドリック・ラマーは、アルバム『Mr. Morale & The Big Steppers』収録の18曲すべて、およびアルバム未収録ながらアルバムリリースの5日前に突如解禁した「The Heart Part 5」が、今週100位以内に登場しています。

 

モーガン・ウォレン(一部サイトではモーガン・ウォーレンと表記)「You Proof」が6位に初登場。ストリーミングは2240万(同指標8位)、ダウンロードは23100(同指標1位)を獲得。誕生日でもある5月13日金曜にリリースされたこの曲は、現地時間の5月1日にTikTokでティザー(ティーザー)を解禁しています。

@morganwallen

Y’all know I couldn’t forget this one. Birthday present to myself. May 13th.

♬ You Proof - morganwallen

モーガン・ウォレンにとっては4曲目にして、いずれも初登場でのトップ10入り。「7 Summers」が2020年8月に6位、「Wasted On You」が2021年1月に9位、「Don't Think Jesus」が今年4月30日付にて7位に初登場。いずれも初登場の順位が最高位となっています。

またホット・カントリー・ソングスチャートでは自身5曲目の首位を獲得。うち4曲は初登場での首位獲得となりました。このチャートでモーガンは「Whiskey Glasses」(2019年5月 2週)、「7 Summers」(2020年8月 初登場週)、「Wasted On You」(2021年1月 初登場週)、「Don't Think Jesus」(2022年4月)に続く首位を記録しています。

ホット・カントリー・ソングスチャートで首位に初登場した曲が総合ソングスチャートでも初登場でトップ10入りした曲は2020年8月以降では6曲目となり、うちモーガン・ウォレンが4曲を占めています。先述した「7 Summers」は2020年8月29日付で総合6位、「Wasted On You」は2021年1月23日付で総合9位、「Don't Think Jesus」は4月30日付で総合7位に入ったほか、ルーク・コムズ「Forever After All」は2020年11月7日付で総合2位、テイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」は2021年11月27日付で総合でも首位に至っています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) ジャック・ハーロウ「First Class」

2位 (2位) ハリー・スタイルズ「As It Was」

3位 (初登場) ケンドリック・ラマー「N95

4位 (3位) フューチャー feat. ドレイク & テムズ「Wait For U」 

5位 (初登場) ケンドリック・ラマー with ブラスト & アマンダ・ライファー「Die Hard」

6位 (初登場) モーガン・ウォレン「You Proof」

7位 (初登場) ケンドリック・ラマー with コダック・ブラック「Silent Hill

8位 (初登場) ケンドリック・ラマー「United In Grief」

9位 (9位) リゾ「About Damn Time」

10位 (8位) ラトー「Big Energy」

ここにきて一気に、新曲がソングスチャートでトップ10入りするようになりました。1月から4月9日付までにトップ10入りした26曲のうち2022年リリースの作品はわずか2曲でしたが、その後の7週間でハリー・スタイルズ、ジャック・ハーロウ、モーガン・ウォレン、フューチャー、リゾ、バッド・バニーそしてケンドリック・ラマーによる今年リリース作品が17曲、トップ10入りを果たしています。

 

(この部分は記事にはなく私見となりますが、)一方で前週初登場で4曲トップ10内に送り込んだバッド・バニーの作品がいずれもトップ10落ちしており、アルバムチャート登場2週目に勢いを保てない曲が多いとも言えます。ケンドリック・ラマーの次週の動向に注目すると共に、その次週はハリー・スタイルズのニューアルバム『Harry's House』初登場に伴い収録曲がどうなるかも気になるところです。

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。5月28日付ではハリー・スタイルズ「As It Was」が双方のチャートで7週連続の首位を獲得しています。

ハリー・スタイルズ「As It Was」はGlobal 200においてストリーミングが前週比5%ダウンの8790万、ダウンロードが同5%アップの16300を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比5%ダウンの6700万、ダウンロードが同2%アップの8400を、それぞれ記録しています。

「As It Was」はGlobal 200において、イギリス出身の歌手による作品ではアデル「Easy On Me」(2021年10月以降)およびグラス・アニマルズ「Heat Waves」(2022年3月以降)を上回り最長となる7週目の首位を獲得。なおこのチャートにおける最長記録はオーストラリア出身のザ・キッド・ラロイとカナダ出身のジャスティン・ビーバーによる「Stay」が2021年8月以降に記録した11週となります。またGlobal Excl. U.S.ではアデル「Easy On Me」に並び、イギリス出身の歌手で最長タイとなる7週目の首位を記録しています。

 

ケンドリック・ラマーがGlobal 200で3曲、Global Excl. U.S.で1曲をトップ10内に送り込みました。双方のチャート共にトップ10入りした「N95」はGlobal 200ではストリーミング6830万およびダウンロード3200を、Global Excl. U.S.ではストリーミング3120万を獲得(Global Excl. U.S.におけるダウンロードについては記事未記載)。Global 200ではその他、ブラストおよびアマンダ・ライファーとの「Die Hard」が7位(ストリーミング4830万およびダウンロード2900)、「United In Grief」が9位(ストリーミング4380万およびダウンロード800)をそれぞれ獲得。ケンドリック・ラマーにとってはグローバルチャートのローンチ以降、双方のチャート共に初のトップ10入りを果たしています。ブラストおよびアマンダ・ライファーのGlobal 200におけるトップ10入りも同じく初となります。

リゾ「About Damn Time」がGlobal 200で12→10位、Global Excl. U.S.で15→9位となり、双方のグローバルチャートでキャリア初のトップ10入りを果たしました。Global 200ではストリーミングが前週比7%アップの4170万を、Global Excl. U.S.では同16%アップの2630万を獲得しています。

Global Excl. U.S.ではカロルG「Provenza」が8→5位となり同曲初のトップ5入り。ストリーミングは前週比3%ダウンの4230万、ダウンロードは同2%ダウンの600を記録しています。カロルGにとっては「Bichota」(2021年1月)、ベッキー・Gとの「Mamiii」(2022年3月)と並ぶ同チャート最高位となりました。