最新5月4日公開分(5月9日付)ビルボードジャパンソングスチャート(→こちら)ではBE:FIRST「Betrayal Game」が3位に初登場。同曲は5月18日リリースのフィジカルシングル「Bye-Good-Bye」に収録されており、同一フィジカルシングルから3曲のトップ10入り輩出、EPやダブル(トリプル)Aサイドではない形態での達成が異例であることは以前紹介しました。また別途紹介した動画施策の見事さも牽引したと言えるでしょう。
音楽チャートにおいて大事なのは中長期的なヒットであり、そのためには接触指標群の充実が欠かせません。BE:FIRSTはフィジカルシングル表題曲である「Bye-Good-Bye」が最新5月4日公開分(5月9日付)ビルボードジャパンソングスチャートにおいて24→37位へダウン。とりわけサブスク再生等に基づくストリーミング指標(下記CHART insightでは青で表示)が27→48位と比較的大きく後退しているのが気になります。
ストリーミング指標はラジオのように票割れが起きにくく、同一歌手でも複数曲上位進出することが可能です。一方この指標ではLINE MUSIC再生キャンペーン採用曲を主体に1曲への再生集中→次曲への移行に伴う急落が発生しています。解りやすい例として原因は自分にある。が挙げられます(LINE MUSIC再生キャンペーン採用曲の極端な動きとビルボードジャパンの”自問自答”…私見を添えチャート側に提案する(4月2日付)参照)。
BE:FIRST「Betrayal Game」はLINE MUSIC再生キャンペーン採用が最新週におけるストリーミング指標4位の大きな力になったものと考えられます。他方、集計期間中のSpotifyデイリーチャートでは50位以内に入っておらず、サブスクサービス間での乖離がみてとれます。
「Betrayal Game」のキャンペーン期間が最新チャート期間終了日と同一であることから同曲の次週のストリーミング指標に注目すると共に、コアファンの聴取行動が「Betrayal Game」から「Bye-Good-Bye」へ戻るかも注視する必要があります。「Bye-Good-Bye」のストリーミング指標急落は、コアファンの聴取対象曲移行の多さ、そしてライト層がまだまだ多くはないだろうことを想起可能と言えそうです。
ライト層の獲得には、認知度上昇で聴くきっかけを作ることが欠かせません。特に大きな影響力を持つのは地上波テレビ局ですが、男性ダンスボーカルグループやアイドルのメディア露出は地上波テレビ局ほど難しいと言えます(ゆえにチャートでの実績を作り上げテレビ局が取り上げるようにすべく、LINE MUSIC再生キャンペーンを実施しがちとも言えそうです)。
そんな中、BE:FIRSTは5月2日放送の『CDTVライブ!ライブ!』(TBS)に初登場し、「Bye-Good-Bye」をパフォーマンスしました。
#CDTVライブライブ
— CDTV (@TBSCDTV) 2022年5月2日
今夜も激アツLIVEをお届け💌🌻
本番直前ショットで実況中だよ⚡️
このあとは… BE:FIRST 登場🍭
新曲「Bye-Good-Bye」✨
熱いステージをお届け🔥😉💖#BEFIRST#CDTV#TBS pic.twitter.com/HZWEjAlMwo
「Bye-Good-Bye」については、番組独自の音楽ランキングにチャートインした曲という前フリがあり、そのVTRをなにわ男子のメンバーもチェック。Da-iCE「CITRUS」共々、曲に反応する様子がワイプを通じて確認できました。「Bye-Good-Bye」のタイミングで映った道枝駿佑さんが同曲を口ずさんでいたのが印象的で、ようやくここまできたという実感を抱いています。そう考える理由は下記ツイート群にまとめています。
昨日の #CDTVライブライブ における #BEFIRST と #なにわ男子 に関するツイートに多くのリアクションをいただきました。特にBE:FIRSTファンや #Da_iCE ファンの皆さんは、自分と同じ感覚を抱いたのではないでしょうか
— Kei (@Kei_radio) 2022年5月2日
以下のリンク先に自分の考えをまとめていますので紹介します。
男性ダンスボーカルグループやアイドルはライバルだとしても"好敵手"と表現すべきものであり、大げさかもですが憎むべき対象だという認識は少なくとも当人の間ではほぼないだろうと思われます。それを上層部が過度に敵視し、地上波テレビ局側はその上層部の意向を過度に汲むことで厚遇/冷遇を作ってきたのではないでしょうか。その状況が市井にも浸透し、"触らぬが吉"という空気を当然の慣例と仕立てた印象があります。
その環境にあって、『CDTVライブ!ライブ!』はヒットした男性ダンスボーカルグループをきちんと出演させる傾向が鮮明になってきました。先述したDa-iCEに加えてJO1やINIも出演し、5月2日放送回ではBE:FIRSTも登場するに至っています。芸能事務所やレコード会社の働きかけも想像できますが、メディア側の前進と言えるでしょう。
おそらくはメンバーの年齢の関係上、BE:FIRSTは事前収録での出演となったと思われますが、いずれなにわ男子との掛け合いがあることを願います。『CDTVライブ!ライブ!』ならばできるはずです。
『CDTVライブ!ライブ!』の存在は、もうひとつの民放地上波ゴールデン帯音楽番組に対する見本となり、また監視の役割も果たすはずです。
#関ジャムゴールデンSP 上位30曲で紹介時に静止画だった作品から、番組や放送局の姿勢が見えてくると考えるのは大げさなことではないでしょう。
— Kei (@Kei_radio) 2022年5月6日
ハッシュタグの対象番組は、一昨日放送のこちらとなります。
本日🔥よる8時から#関ジャムゴールデンSP‼️
— 関ジャム完全燃SHOW(テレビ朝日) (@kanjam_tvasahi) 2022年5月6日
平均25.8歳✨
令和活躍世代48名が厳選... #最強平成ソングベスト30 🏆
★#KingandPrince #髙橋海人 #トラウデン直美 もスタジオに🎵
★TVer見逃し配信中"ゴールデンSP特別編"をご覧いただけるとより楽しめます‼️
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『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日)の投票に伴うランキングについては、昨年3月に放送された内容についての違和感をブログにて示し、また番組へも直接提示しました。今回の投票対象者が若手に絞られたことが、前回の問題をある程度緩和させたと言えるかもしれません。
ただその一方で、結果的に2010~2014年の作品が30位はもとより50位以内にも入っていないことに複雑な思いを抱いたのみならず、ひとつのバンドから複数名が投票に参加している状況、いわゆるavex系やボーカロイド作品がないこと、技術面の評価なのか好きという感情に基づくものかが投票者によって異なること等、ランキングへの疑問も拭えません。これは48名という投票者の少なさが最も大きな問題かもしれません。
ただ、今回の特番ではそれら以上に、先述のツイートにあるように一部ランクイン曲が静止画で紹介されたことに対して強い違和感を覚えた次第。JUDY AND MARY「そばかす」(36位)の静止画紹介も不思議でしたが、SMAP「世界に一つだけの花 (シングル・ヴァージョン)」(5位)および修二と彰「青春アミーゴ」(19位)がなぜ静止画だったのかは理解に苦しみます。
ジャニーズ事務所所属歌手は毎週『ミュージックステーション』(テレビ朝日 以下『Mステ』)に出演し、CDデビュー前の歌手も登場します。「世界に…」も「青春アミーゴ」も間違いなく『Mステ』で披露されており、また嵐「Love so sweet」(27位)で用いられた映像を踏まえれば、2曲においても『Mステ』の映像が使えたはずです。『関ジャム 完全燃SHOW』と『Mステ』とには関連性があります(こちら等参照)。
SMAPからは新しい地図の3名および中居正広さんが、修二と彰では山下智久さんがジャニーズ事務所を離れているから映像は使用できないという考えが根底にあることは容易に想像できますが、それが映像使用不可の適切な理由になるでしょうか。『関ジャム 完全燃SHOW』の姿勢はここで以前指摘した内容を想起させ、そしてそれでも変わろうとしない可能性を如実に示したと考えるのは、決して大げさなことではないでしょう。
仮に今回のランキング企画において、ジャニーズ事務所所属歌手以外の男性ダンスボーカルグループやアイドルが30位以内にランクインしたならばどのような措置を採ったのかは想像に難くないというのが、厳しくも私見です。
民放地上波ゴールデン帯音楽番組は長らく『ミュージックステーション』の独占と言える状況であり、ゆえに『CDTVライブ!ライブ!』の存在そして姿勢は『Mステ』やテレビ朝日の特異性を浮き彫りにし、監視の役割も果たすと考えます。『Mステ』と『関ジャム 完全燃SHOW』の関係性の深さは解りかねますが、この1週間でふたつの音楽番組、もっと言えば放送局のベクトルがはっきり見て取れたのではないでしょうか。
最後に。自分の根底にある考えを今一度述べておきます。
ブログ #イマオト では、ビルボードジャパンや音楽業界等への改善案を記すことがあるゆえ、何様だと思われてもおかしくないでしょう。
— Kei (@Kei_radio) 2022年2月6日
自分の願いは音楽チャートや音楽業界が健全化すること、不条理がなくなること、より気持ちいい風が吹くようになること。ただそれだけです。https://t.co/DTRjZCKyFX
男性ダンスボーカルグループやアイドルが所属芸能事務所に関係なく同時出演すること、芸能事務所から離れた方の映像を用いることに、果たしてどのような問題があるのでしょう。柵がなくなることを願ってやみません。