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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

【海外ビルボード】ハリー・スタイルズ「As It Was」がグローバル3連覇、米では首位返り咲きを達成

現地時間の4月25日月曜に発表された最新4月30日付米ビルボードソングスチャート(Hot 100)。前週初登場で首位に輝いたジャック・ハーロウ「First Class」は2位へ後退、ハリー・スタイルズ「As It Was」が中1週で首位の座に返り咲きました。

ハリー・スタイルズ「As It Was」はストリーミングが前週比7%ダウンの3000万(同指標2位)、ダウンロードが同7%アップの8400(同指標2位)、ラジオが同28%アップの4320万(同指標9位)を獲得。ラジオ指標においては3曲目にして、自身最速となる3週目でのトップ10入りを果たしました。このラジオ指標では「Watermelon Sugar」(2020)が6週目、「Adore You」が12週目にトップ10入りし、2曲とも2位が最高位となります。

ハリー・スタイルズにとって「As It Was」は「Watermelon Sugar」に続く2曲目の首位獲得曲にして、2週以上の首位は初。活動休止中のワン・ダイレクションのメンバー(元メンバーのゼイン(・マリク)を含む)で2週以上の首位を成し遂げたのもハリーが初となります。

(上記は公式ヴィジュアライザー。)

前週初登場で首位に立ったジャック・ハーロウ「First Class」は2位に後退。ストリーミングは前週比37%ダウンの3460万(同指標1位)、ダウンロードは同35%ダウンの6900(同指標5位)、ラジオは同231%アップの1370万(同指標50位未満)となり、デジタル2指標のダウンをラジオで補完しきれず総合ソングスチャートで首位の座を明け渡したことになります。

ラトー「Big Energy」は4位をキープ。ラジオは前週比7%アップの6530万を獲得し、同指標初の頂点に輝いています。

 

(上記はリリックビデオ。)

モーガン・ウォレン(一部サイトではモーガン・ウォーレンと表記)「Don't Think Jesus」が7位に初登場。ストリーミングは1810万(同指標3位)、ダウンロードは21500(同指標1位)、ラジオは557000(同指標50位未満)を獲得しています。

モーガン・ウォレンにとっては3曲目にして、いずれも初登場でのトップ10入り。「7 Summers」が2020年8月に6位、「Wasted On You」が2021年1月に9位を初登場にて記録。いずれも初登場の順位が最高位となっています。アルバム『Dangerous: The Double Album』(2021)は米ビルボードアルバムチャートで通算10週首位を獲得し、2021年度の年間アルバムチャートを制しています。

さて、モーガン・ウォレンは1年ぶりに活動を再開したと言えます。

ビルボードで1年ぶりの活動再開と記しているため、こちらでもあらためて触れておきます。モーガン・ウォレンは昨年2月、差別用語(Nワード)を用いたことで活動を停止、レコード会社とのディールが一時的に切れています。ラジオ局では彼の作品をかけないようになりましたが、後にエアプレイを再開。アルバム収録の「Sand In My Boots」が2月にカントリーエアプレイチャートを制し、同月ツアーも始まっています。

インスタグラムにて昨年10月にプレビューが披露されていた「Don't Think Jesus」は、正式リリースに伴いダウンロード指標を制覇。リル・ダークに客演参加した「Broadway Girls」(今年1月)以来、2曲目の同指標首位に輝いています。

またホット・カントリー・ソングスチャートでは自身4曲目の首位を獲得。うち3曲は初登場での首位獲得となり、テイラー・スウィフトの初登場首位獲得曲数(2曲)を上回りました。このチャートでモーガンは「Whiskey Glasses」(2019年5月 2週)、「7 Summers」(2020年8月 初登場週)、「Wasted On You」(2021年1月 初登場週)に続く首位獲得を果たしました。

ホット・カントリー・ソングスチャートで首位に初登場した曲が総合ソングスチャートでも初登場でトップ10入りした曲は2020年8月以降では5曲目となり、うちモーガン・ウォレンが3曲を占めています。先述した「7 Summers」は2020年8月29日付で総合6位、「Wasted On You」は2021年1月23日付で総合9位に入ったほか、ルーク・コムズ「Forever After All」は2020年11月7日付で総合2位、テイラー・スウィフト「All Too Well (Taylor's Version)」は2021年11月27日付で総合でも首位に至っています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (2位) ハリー・スタイルズ「As It Was」

2位 (1位) ジャック・ハーロウ「First Class」

3位 (3位) グラス・アニマルズ「Heat Waves

4位 (4位) ラトー「Big Energy」

5位 (5位) イマジン・ドラゴンズ & J.I.D「Enemy」

6位 (6位) ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」

7位 (初登場) モーガン・ウォレン「Don't Think Jesus」

8位 (8位) ドージャ・キャット「Woman」

9位 (7位) コダック・ブラック「Super Gremlin」

10位 (9位) ジャスティン・ビーバー「Ghost」

 

 

ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。4月30日付ではハリー・スタイルズ「As It Was」が双方のチャートで3週連続の首位を獲得しました。

ハリー・スタイルズ「As It Was」はGlobal 200においてストリーミングが前週比1%ダウンの1億310万、ダウンロードが同16%アップの16000を、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比2%アップの7420万、ダウンロードが同18%アップの7700を獲得しています。

「As It Was」はGlobal 200において、ストリーミングが初登場から3週連続で1億回を突破しました(2週前は1億2210万、前週は1億390万)。初登場から3週連続での1億回突破はBTS「Butter」以来となります(2021年6月5日付で史上最高となる2億8950万を記録し、その後1億7000万、1億2090万と推移)。「Butter」の前はオリヴィア・ロドリゴ「Drivers License」が記録を成し遂げていますが(2021年1月23日付で1億3010万を記録し、その後1億3890万、1億1050万と推移)、初登場から4週連続で1億超えを果たした曲は未だありません。初登場週を含まないならば、ザ・キッド・ラロイ & ジャスティン・ビーバー「Stay」が2021年8月21日付から10月16日付までの9週、1億回を突破したのが最高記録となります。

ジャック・ハーロウ「First Class」は双方のグローバルチャートで2位をキープ。Global 200ではストリーミングが前週比28%ダウンの6410万、ダウンロードが同29%ダウンの9500を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比13%ダウンの3060万、ダウンロードが同5%ダウンの2600を記録しています。

カミラ・カベロ feat. エド・シーラン「Bam Bam」がGlobal Excl. U.S.で7→5位に上昇。カミラ・カベロにとって同チャート初となるトップ5入りを果たしました(エド・シーランにとっては3曲目)。ストリーミングは前週比1%未満の上昇となり、2660万を記録しています。