イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

Kis-My-Ft2のサブスク"限定"解禁への疑問、そしてきちんと報じないメディアの姿勢を考える

今週、郷ひろみさんがサブスク解禁することをアナウンスしました。

デビュー50周年目に突入する今年8月1日に「男の子女の子」「よろしく哀愁」「お嫁サンバ」「2億4千万の瞳」「GOLDFINGER'99」といった郷のキャリアを彩ってきた555曲の配信がスタートする。

芸能事務所の移籍がありながら、ジャニーズ事務所所属時代の曲も網羅している模様。解禁が実に楽しみです。

 

サブスクについては、そのジャニーズ事務所所属であるKis-My-Ft2も解禁をアナウンスしています。しかしながら、引っ掛かることがあります。

 

その引っ掛かりとは、LINE MUSIC独占であることやベストアルバム収録曲の解禁にとどまること、そして終了期間は未定ながら解禁期間を定めていること…つまりは限定であることを指します。

今回のサブスク解禁はLINE MUSICに限られています。この一部に限定した解禁はビルボードジャパンソングスチャートにおいてあまり功を奏さないことをこのブログで紹介しています。

それでも一部限定にこだわるのは、ジャニーズ事務所側が基本的にデジタル解禁しないことをデフォルトとする意志の表れかもしれません。前作「Roar」がダウンロードもサブスクも、デジタルプラットフォームの区別なく解禁したKAT-TUNについてはチャート上で結果を残していたのですが、9月8日にフィジカルリリースされる次作においては現段階でデジタル解禁のアナウンスはありません。この点も気になります。

上記ブログエントリーでは、Kis-My-Ft2Luv Bias」のチャート再浮上についても触れています。ドラマ主題歌となった同曲は、フィジカルリリースの後に一部デジタルプラットフォーム限定ながらダウンロードを解禁したことが影響を及ぼしました。それゆえ、デジタルを完全解禁すればより好いのではないかと考えています。

 

 

さて、気になるのはこの一部限定でのサブスク解禁について。メディアでも取り上げられながら、きちんとアナウンスしているところはほとんどないと言えるのです。

音楽ナタリーのタイトルではあたかも、全曲がすべてのデジタルプラットフォームで解禁されると誤解されかねないのではと思い、要約した内容をツイートにて記載しました。実はこのような報じ方、結構あるのです。

Yahoo!ニュースにて【Kis-My-Ft2 サブスク】もしくは【Kis-My-Ft2 解禁】で検索すると、どちらも7つの媒体によるニュースが出てきます。

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(上記はYahoo!ニュースにて【Kis-My-Ft2 サブスク】で検索した結果より。問題があれば削除いたします。)

記事のタイトルだけで、Kis-My-Ft2のサブスク解禁がLINE MUSIC限定、曲数限定および期間限定であることが解る記事はありません。文字数の制約があるとはいえ、限定というネガティブワード(と捉えられておかしくないもの)を避け、サブスク解禁するという分かりやすさを優先したメディアが多いと言えます。音楽ナタリーのタイトル付けはその最たるものでしょう。

記事の中身を見れば解禁が限定されているものと解りますが、Lmaga.jpでは期間限定とは謳われていません。その点も気になりますが、とにかくこの分かりやすさを最優先する手法が今のメディアに溢れていると思えてならず、強く引っ掛かるのです。

 

そして興味深いのがもう1点。今週のKis-My-Ft2郷ひろみさんのサブスク解禁記事には大きな差が発生しています。

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(上記はYahoo!ニュースにて【郷ひろみ サブスク】で検索した結果より。問題があれば削除いたします。)

オリコンや音楽ナタリー等は両者とも取り上げていますが、Kis-My-Ft2についてはスポーツ紙がほぼすべて取り上げていないのです(7月30日夜にスポーツ新聞各社のホームページ上でも確認)。なおデイリースポーツは掲載していますが(→こちら)、先述したLmaga.jpの内容がそのまま転載。またそのデイリースポーツでは【Kis-My-Ft2】で検索してみたところ、なぜかその記事が出てこない状況です。

 

この二点は改善が必要だと強く思います。

加えて、Kis-My-Ft2のサブスク解禁をスポーツ紙がほぼ掲載しなかった、その理由が気になります。限定解禁が好いイメージではない等の理由で掲載自体を躊躇したのならば、その躊躇が誰に対する配慮なのかを自問自答してほしいと思います。