1月7日~13日を集計期間とする1月21日付チャートが昨日発表されたビルボードジャパン。ソングスチャートでは『NHK紅白歌合戦』(NHK総合他)の効果で、米津玄師「Lemon」が3週連続、通算5週目の首位を記録しました。
【ビルボード】米津玄師「Lemon」、前週に引き続き計5冠で3週連続で総合首位獲得 https://t.co/SsAI9alpF4 pic.twitter.com/nl5eTAVk0X
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) January 16, 2019
「Lemon」の総合ポイントは前週比62.2%と大きくダウンしていますが、それでも16000強のポイントを叩き出し、1万ポイント超えはこれで11週目という凄さ。上記記事で『全くその兆候はないものの、今年のどこかでストリーミング解禁となれば、もしかすると2年連続での年間HOT100首位すら夢ではないだろう』とありますが、2017年の年間ソングスチャート首位がその前の年にリリースされた星野源「恋」だったことを踏まえると、今年以外のリリース作品が今年のチャートを制することは十分あり得ます(とはいえ「恋」もストリーミング未解禁ですが)。個人的には記事の当該部分、米津玄師さんサイドに"で、ストリーミングは?"と促す目的もあるのかと思ったのですがいかがでしょう。
最新1/21付 @Billboard_JAPAN ソングスチャート、CHARTinsight更新 https://t.co/7SJdXhh2Ct #米津玄師「#Lemon」が5指標トップで連覇。シングルCD指標初加算組では #AAA、#MrsGREENAPPLE を上回り、シングルCDセールス指標トップの #Aimer「I beg you」が2位
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) January 16, 2019
前週のブログで、今週のトップ3を「Lemon」、DA PUMP「U.S.A.」そしてAAA「笑顔のループ」と予想したのですが大きく外れました。
Aimer「I beg you」がシングルCDセールス指標首位、デジタルダウンロード指標およびTwitter指標2位、ルックアップ3位という好成績で2位に躍り出ました。この曲が主題歌となった映画『劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel II. lost butterfly』が先週末に公開され、最新の映画興行収入ランキングでトップに立ったことも後押しした形。他方AAA「笑顔のループ」はシングルCDセールス指標2位、且つルックアップが12位と大きく乖離し、前者がデジタルダウンロード指標の高さも含め広くアニメファンを獲得した一方、後者がレンタル回転率等に乏しくコアなファン以上の広がりをみせなかっただろうことが大差を生んだ理由と言えますね。
今週のトップ10は『紅白』歌唱曲が4曲、およびその歌手の別作品2曲、シングルCDセールス指標初加算3曲でほぼ占められていますが、特筆すべきは三浦大知「Blizzard」の10位。4週連続のトップ10入りです。
1/21付 @Billboard_JAPAN ソングスチャートトップ100公開 https://t.co/1bQFQZR6sl 2位の #Aimer「#Ibegyou」が1万超えの好成績。紅白歌唱曲がポイントを落とす中、#三浦大知「#Blizzard」の総合ポイントは前週比96.3%、高水準をキープしています
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) January 16, 2019
この高水準を保った最大の理由は、主題歌として起用された映画『ドラゴンボール超 ブロリー』のロングヒットは勿論のこと(先述のランキングでは4位を記録、また1月14日までの同映画の興行収入が36億円を突破し、ドラゴンボール映画史上最高の興行収入を記録するのはほぼ確実)、やはり大きいのは"ブリ活"というファンの支援でしょう。
そして、弊ブログで以前 #ブリ活 を取り上げた、#三浦大知「#Blizzard」が総合10位。Twitter指標3位で、総合ポイントのおよそ3割を同指標で獲得しています。凄いことです pic.twitter.com/9MJO4tq1go
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) January 16, 2019
他指標が緩やかにダウンしていく中にあって、Twitter指標が「Blizzard」で最大の比率を占めているのみならず、前週は『紅白』歌唱曲が強かった同指標において、『紅白』関連が下がる中で今週は3位に躍進しています。
その結果、「Blizzard」のシングルCDセールス前後の成績は、世間が三浦大知さんの楽曲として最も認知しているであろう「EXCITE」に引けを取らない…いや「EXCITE」以上となっているように思うのです。
※各指標について
・ポイント:総合ポイント
・ポイント前週比:前週および当週共に50位以内にランクインした場合のみ計算(50位未満は総合ポイントが表示されない)
・各指標
(詳細はビルボードジャパンの自問自答 | Special | Billboard JAPANをご参照ください)
CD:シングルCDセールス
DL:デジタルダウンロード
ST:ストリーミング
RA:ラジオエアプレイ
LU:ルックアップ
TW:Twitter
MV:動画再生
KA:カラオケ (2018年12月10日付開始)
・各指標毎順位における[-]はランク圏外、[ ](ブランク)はランクインせず。これらはCHART insight | Billboard JAPANから曲名をクリックすると確認可能
・三浦大知「EXCITE」(2017年1月18日シングルCD発売)
日付 ポイ
ント前週
比総合
順位CD DL ST RA LU TW MV KA 2017/1/23 991 49 77 40 91 26 2017/1/30 7356 742.3% 2 1 2 54 22 4 16 22 2017/2/6 4289 58.3% 9 15 7 37 14 12 15 17 2017/2/13 3710 86.5% 9 21 7 37 73 13 6 20 2017/2/20 2658 71.6% 15 34 11 54 66 11 40 9
・三浦大知「Blizzard」(2018年12月19日発売)
日付 ポイ
ント前週
比総合
順位CD DL ST RA LU TW MV KA 2018/12/24 3518 211.0% 11 12 42 3 2 9 2018/12/31 7400 210.3% 2 5 8 14 2 8 3 5 2019/1/7 4828 65.2% 6 25 10 16 10 14 5 5 2019/1/14 3548 73.5% 10 19 20 17 10 16 14 9 - 2019/1/21 3416 96.3% 10 37 23 17 22 19 3 14 -
順位も大切ですが、ポイントの推移を見れば曲の勢いの有無が見えてきます。その点で、#三浦大知「#Blizzard」が勢いを保ってるのは凄いことなんですよね https://t.co/a0qWmKVp5D
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) January 16, 2019
「EXCITE」のトップ10在籍は3週であり、その在籍週を上回った「Blizzard」。実は両曲以外の近年のシングル曲におけるチャートアクションが乏しい(ように思える)ことを問題視し、以前このようなエントリーをアップしたのですが。
特撮やアニメ作品の主題歌というアドバンテージがあるにせよ、「Blizzard」ではこれまで決して高いと言えなかった動画再生指標も高く、そしてTwitter指標は"ブリ活"効果てきめん。カラオケ指標導入の前と後ゆえ単純比較は出来ませんがそれでも「Blizzard」は「EXCITE」に並んだ、もしくはわずかながらでも抜いたと言えるかもしれません。ちなみに最新週までの「Blizzard」のCHARTinsightは下記に。
今回のチャートアクションを踏まえれば、おそらくは昨年11月からの作品の成績でもって出演が決まる『NHK紅白歌合戦』において、三浦大知さんは当確だと思うのです。
とはいえ「EXCITE」においては、一度100位圏外となったものの2017年10月以降に再浮上し、同年の『紅白』出演直後には11位にまで上昇しています(2018年1月15日付)。ゆえに「Blizzard」が「EXCITE」を抜くならば、同曲のロングヒット化が必要になるでしょう。「EXCITE」のCHARTinsightにおける推移は下記に。登場17週目が2017年1月30日付、最高位の2位をマークした箇所です。
「EXCITE」が『紅白』等2017年末の各歌番組で披露され、三浦大知さんが世間に広く、言わば"見つかった"ことが「EXCITE」のロングヒットになったと言えるかもしれず、認知度上昇後の「Blizzard」が2年前のような推移を示すかと言われれば難しいのですが、しかしながら動画再生指標やTwitter指標はここ最近の楽曲の中でダントツであり、これがロングヒットに導く力になれるかもしれません。