ここ最近のリリースモノに、直接夏を歌った(いや、謳ったと言っていいと思う)曲が多いと思うのは気のせいではないはずです。たとえば。
・ジャスティン・ティンバーレイク「Soulmate」
アルバム『Man Of The Woods』のリリースから半年経たずのうちに新曲を発表。冒頭に♪Summer starts now…とつぶやいています。
・チャイルディッシュ・ガンビーノ「Summertime Magic」「Feel Like Summer」
過激な表現のミュージックビデオがバズり初の全米制覇を成し遂げた「This Is America」から一変、夏をテーマにした2曲を先週リリース。
・ニーヨ「Summertime」
先月リリースされたアルバム『Good Man』収録のサマーチューン。
これらはタイトル、または出だしからして夏を強調していて、近年のR&Bでここまで夏推しってあまりなかったような気がしたのですが、もしかしたら近年の音楽トレンドがR&B界に夏(表現)をもたらしたのかもしれないなあとふと。そのトレンド、先述したニーヨが「Push Back」(アルバム『Good Man』収録)で取り入れています。
この曲の下敷きとなった(ダンスホール・)レゲエやラテンはここ数年のトレンド。近年の米ビルボードソングスチャート1位獲得曲に多く用いられています。
「Rude」はバンドサウンドゆえ薄いながらもレゲエ的で、1位のみならずトップ10入りした楽曲になるとレゲエやラテン使用曲は更に増えます(そのあたりについては毎週のチャート速報時に触れていますのでブログ内で"レゲエ"や"ラテン"にて検索してみてください)。そして最新チャートで歴代記録を更新しまくったドレイクにおいても、「One Dance」(2016)でレゲエテイストにアプローチしているのが気になるところ。
(公式動画がないためApple Musicのリンク先を掲載。)
これらトレンドを、R&Bど真ん中の人がやり始め、しかも曲名等にも"夏"と刻み込んでいるのがなるほど新しいなと。尤も、ジャスティン・ティンバーレイクはポップ寄りの人ですし、また1990年代~2000年代前半のR&Bにおいては男性が筋骨隆々な肉体を披露し(時に上半身を露わに)、女性は水着やホットパンツでボディラインを強調するようなミュージックビデオが少なくなく、音楽もパーティ的なものが目立っていたような気がするのですが(あくまで私的なイメージです)。
R&B内の流行は20数年前とがらりと変われど、R&Bがあの頃のように真っ直ぐに夏を表現し始めているのは、なんだか健全な感じがするのです。