イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり) 安室奈美恵『Finally』デジタルダウンロード未配信の状況下における"環境の変化"

デジタルダウンロード未配信に納得していない方は多いのでしょう。ブログエントリーへのアクセス数において、長きに渡り最上位に登場するのが安室奈美恵さんのベストアルバム関連なのです。

出荷ベースではなく実売ベースでダブルミリオンを突破した『Finally』(2017)ですが、未だデジタルダウンロードされていない状況が続いています。しかし先日、久々にiTunes Storeを見て驚きました。

f:id:face_urbansoul:20180504073235p:imagef:id:face_urbansoul:20180504073244p:image

今年に入り、アルバムからカットされる形で、2月11日に「Hope」が、今月14日には「Body Feels EXIT」が、それぞれ配信開始となっているのです(リンク先は、公式ホームページの配信開始アナウンス)。共にタイアップのタイミングでというのは多少は理解出来るとしても、アルバム単位ではない配信について購入希望者はどう思うのか、考えてしまいます。尤も、シングル用のジャケットっぽいピンクの背景の画像が付いているのでそれを目当てに購入する方もいらっしゃるとは思うのですが。

 

一方で、5月2日にリリースされたこちらの再発盤については、公式ホームページで一切アナウンスされていません。

情報が解禁されたのは3月20日(タワーレコードより)。25周年を機にリリースされるとのことですが、発売元はユニバーサルミュージック、すなわち東芝EMI時代のカタログを持っているレーベル。しかもこれまでデジタルダウンロード未解禁だったこのアルバムが、再発日に解禁されており、なんだか歯がゆさを覚えてしまいます。

f:id:face_urbansoul:20180504073258p:image

ちなみにWikipedia情報ではあるのですが、『東芝EMI時代の楽曲の原盤権はライジングプロダクションが所有している為、iTunes Storeを始めとした各音楽配信サイトでは本作自体が長年未配信となっていたが(但し本作が再発する事が決定するまでは各々のシングルとして配信されていた。)再発盤の発売日に配信されている』とのこと(ORIGINAL TRACKS VOL.1 - Wikipediaより)。そう考えると、まだ前事務所との関係が良好ではない、もしくは安室さん側が関係を良好に切ったと捉えても前事務所側が好ましく思っていないということかもしれません。ちなみに、ベストアルバムが歌手の意思と関係なくリリースされた例ですが、過去にはスピッツDREAMS COME TRUEなど枚挙にいとまがないくらいです(その点については、クリープハイプだけじゃない!ベスト盤騒動って結構昔からある話なんです。ちょっとまとめてみました。 - でーじてとこんでまとまっていますので是非。勝手ながら紹介させていただきました。問題があれば削除させていただきます)。

以前のエントリーでも触れましたが、安室奈美恵さんにおいては『Finally』のリリースにあたり権利関係等、様々な"枷の存在"があるのではないかと推測出来ます。そんな中、2曲でも配信に至れる環境が出来ているのならば、いっそその"枷"を全て取り払うことに注力し、アルバム全曲配信したほうが好いのではないかと。そのほうが、デジタルダウンロードしたくても出来ない(それゆえ自分のブログエントリーに検索して辿り着く)人も減るでしょうし、他者が勝手にベストアルバムをリリースすることにも歯止めをかけることが出来たかもしれません。尤も今回のユニバーサルミュージック時代のベストアルバムリリースにより配信開始となったのは好いことですが、本来は再発せずとも出来たはず。素晴らしい音楽という財産が、駆け引きの対象として露骨に扱われてしまう(のが手に取るように解ってしまう)のは誰のプラスにもならないと思うのです。

 

 

※ 追記 (2019年6月16日)

『Finally』が遂にデジタルダウンロードおよび一部サービス限定でストリーミング解禁となりました。