イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

動画再生好調のSexy Zone「RIGHT NEXT TO YOU」がもしもデジタル先行解禁していたら…スケジュールを考えてみる

一昨日のブログエントリーでは、KAT-TUN「Roar」がジャニーズ事務所で初めてほぼ完全なデジタル解禁を果たすことを紹介しました。

個人的には「Roar」同様にドラマ主題歌であるKis-My-Ft2Luv Bias」がデジタル解禁に至っていれば、最新3月8日付ビルボードジャパンソングスチャートで3万ポイントの大台に乗せることができたかもしれないと考えていました(ただし同日付からチャートポリシーが変更されましたが…その件についてはビルボードジャパンソングスチャートが集計方法を変更、3月8日付チャートで大きくポイントを落とした曲とその理由(3月4日付)をご参照ください)。次回(3月15日付)のチャートにおけるフィジカルセールスの速報段階では前作「ENDLESS SUMMER」の加算2週目の週間セールスを既に超えているため「Luv Bias」においては前作のような1→53位という急落は考えにくいものの、サブスクおよびダウンロードの未解禁を踏まえればどのくらいのダウンにとどまるかを注視しないといけません。フィジカルセールスの速報については下記に。

 

 

さて、Sexy Zone「RIGHT NEXT TO YOU」が高い支持を集めています。音楽関係者の評判も非常に好いのです。

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ミュージックビデオはショートバージョンながら、最新3月8日付ビルボードジャパンソングスチャートでは動画再生指標が上昇(上記チャート推移(CHART insight)において赤の折れ線で表示)。注目の高さがうかがえます。

「RIGHT NEXT TO YOU」についてはその音楽面に高い支持が集まっていますが、上記記事で共に紹介されているBALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE「Animal」は個人的な1月のベストトラックのひとつとして挙げており、「RIGHT NEXT TO YOU」も2月の…と考えたのですが、サブスク未解禁につき選出を断念しました。

ともすれば広く世間において、サブスクやダウンロード未解禁のみならず、Sexy Zoneの動画解禁が他のジャニーズ事務所所属歌手より遅れ気味だったこともあって、「RIGHT NEXT TO YOU」の存在に気づかないままスルーされているケースが発生しているのではと思うのです(もしくは気づいていたとしても手に取りにくい環境ゆえ断念せざるを得ないパターンも?)。だとしたらそれはあまりにも悲しいことではないでしょうか。

Sexy Zone「RIGHT NEXT TO YOU」 は先週リリースされたベストアルバム『SZ10TH』収録の新曲であり、そのベストアルバムはビルボードジャパンの速報段階で既に前作のオリジナルアルバム『POP × STEP!?』(2020)の初週フィジカルセールス(134,592枚)を上回っています。

ベストアルバムゆえ好セールスを記録しやすいという性質もありますが、「RIGHT NEXT TO YOU」効果も大きいかもしれません。自分がTwitterにてフォローしている方(音楽関係者中心)から次々と購入報告が出てきているのは、同曲の訴求力の大きさを物語っているといっても過言ではないでしょう。一方で、仮に新曲がデジタル解禁されていたらもっと売れたのではないかとも捉えています。アイドルファンは接触環境が充実していてもきちんと所有行動を採る方が多く、配信されてもフィジカルセールスが大きく落ち込むことはないはずです。その上で、デジタル解禁はライト層の購入につながること(デジタルのみならず、最終的にフィジカル購入に至る方も)、そしてアルバムに先駆けて解禁すればコアなファンがきちんとチェックし、売上の上乗せが図れるとも思うのです。

 

では、仮に「RIGHT NEXT TO YOU」がデジタル解禁されていたと仮定すればその最善のタイミングはいつだったでしょう。今回の『SZ10TH』および「RIGHT NEXT TO YOU」の解禁スケジュールを音楽ナタリーより抜き出してみます。

・1月23日(土曜) 10周年記念アルバム『SZ10TH』リリースを発表

  リード曲として「RIGHT NEXT TO YOU」の存在が明らかに

・2月4日(木曜) 『SZ10TH』より新曲「Change the world」MV(短尺版)公開

・2月17日(水曜) 「RIGHT NEXT TO YOU」MV(短尺版)公開

・2月19日(金曜) フジテレビ『RIDE ON TIME』ドキュメンタリー公開

・2月21日(日曜) NHK総合『SONGS OF TOKYO』出演

・2月22日(月曜) 「RIGHT NEXT TO YOU」Dance Practice Video公開(フル尺)

・3月1日(月曜) TBS『CDTVライブ!ライブ!』出演

・3月2日(火曜) 『SZ10TH』フラゲ

できればこの大まかなスケジュールを変えずに、最善のタイミングでのデジタル先行解禁タイミングを考えるならば。

(太字および打ち消し線は私案に基づくもの。)

・1月23日(土曜) 10周年記念アルバム『SZ10TH』リリースを発表

  リード曲として「RIGHT NEXT TO YOU」の存在が明らかに

・2月4日(木曜) 『SZ10TH』より新曲「Change the world」MV(短尺版)公開

・2月8日(月曜) 「RIGHT NEXT TO YOU」音源解禁(ダウンロード、ストリーミング)

・2月15日(月曜) 「RIGHT NEXT TO YOU」MV(フルバージョン)解禁

        (YouTubeでの評価を可能な状態にし、コメント欄を開放)

・2月17日(水曜) 「RIGHT NEXT TO YOU」MV(短尺版)公開

・2月19日(金曜) フジテレビ『RIDE ON TIME』ドキュメンタリー公開

・2月21日(日曜) NHK総合『SONGS OF TOKYO』出演

・2月22日(月曜) 「RIGHT NEXT TO YOU」Dance Practice Video公開

        (音は公式音源をそのまま使用し、公式動画として公開。

         『RIDE ON TIME』で事前に解禁をアナウンス。)

・3月1日(月曜) TBS『CDTVライブ!ライブ!』出演

・3月2日(火曜) 『SZ10TH』フラゲ

月曜解禁はビルボードジャパンソングスチャートの集計期間初日が月曜のため。また米ビルボードによるグローバルチャートにおいても有効です。同チャートは金曜~木曜が集計期間であり、一般的な水曜解禁では集計期間2日しか活かせません。この月曜解禁は最近ではLiSA「炎」が行い、大ヒットに至らせました。

ミュージックビデオはダウンロードやサブスクと同時解禁でも好いのですが、音源先行解禁でファンのみならず音楽に精通した方を惹きつけたところで映像を配信し、さらなるインパクトに結びつけることも一案です。たとえば米津玄師「Lemon」は当時サブスク未解禁ながら、ダウンロードおよびミュージックビデオ共に月曜解禁し、その後のCDリリースおよびレンタル解禁を含めポイント面で複数回ピークを作り上げています。

徐々に解禁する手法においては、Dance Practice Video公開も有効に作用するはずです。ジャニーズ事務所所属歌手にスポットを当てたドキュメンタリー『RIDE ON TIME』(フジテレビ)では「RIGHT NEXT TO YOU」も紹介されていた模様であり、番組とより密に絡めてDance Practice Videoを公開すれば尚の事興味を持つ方が増えるのではないでしょうか。

 

 

これはあくまで一例且つ最低限の施策であり、現在のレコード会社や芸能事務所側はもっと興味を惹くような仕掛けをいろいろ考えています。

未だデジタル解禁を行っていない歌手は少なくありませんが、ここ最近のサブスク解禁事例をみるとそのアナウンスに対するリアクションは概ね好意的なものであり、遅いなどと非難する言葉よりも歓迎する向きが圧倒的に多い印象があります。ジャニーズ事務所所属歌手においてはおそらく、歓迎のリアクションが圧倒的に多いだろうことが考えられることから、仮にデジタル先行解禁を果たせば歌手としての注目度がさらに上昇すると思うのです。「RIGHT NEXT TO YOU」においてはデジタル先行解禁はもう叶いませんが、遅ればせながらでも新曲のみデジタル解禁を行いその反応を確認してほしいと願う自分がいます。