noteプロデューサー/ブロガーの徳力基彦さんが平日開催するYouTube公開収録および雑談生配信、”ミライカフェ”に一昨日参加させていただきました。そこでお伝えしたYouTubeコラボレーション投稿機能について、徳力さんがnoteでまとめてくださっています。
この件については、arne代表の松島功さんが先月以降紹介されていました。お二方の発信に心より感謝申し上げます。
YouTubeの共同投稿
— Ko Matsushima / 松島 功 (@komatsushima) 2025年9月18日
- 5つのチャンネルを招待可能
- ショートでも可能(!)
- 収益はコラボ相手に見えない
- Studioでデータを見れるようにするかは選択可能
アーティストChでMVをUpしつつレーベルYouTube Chを共同投稿に指定することが出来る未来が....https://t.co/wh4s4lY0Ri pic.twitter.com/sRkWgMsdPy
YouTubeのコラボレーション投稿を活用する音楽コンテンツ
— Ko Matsushima / 松島 功 (@komatsushima) 2025年10月7日
米津玄師 - MAPPA
米津玄師 - 宇多田ヒカル
syudou - 須田景凪
THE FIRST TAKE - SKY-HI
インプレッションが放出されるタイミングでリーチする層が増えることがメリットかと思いますのでこのタイミングで活用している米津さんよ... pic.twitter.com/ZZGzCm7T6t
YouTubeコラボレーション投稿機能について、個人的にはとても興味深く感じています。
米津玄師「IRIS OUT」における映画「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」オープニング動画が米津さん、そしてアニメ制作会社のMAPPAによる公式チャンネルからアップされていますが、MAPPAはYouTubeにおいて音楽パートナーと位置付けられていないはずであり、動画にISRC(国際標準レコーディングコード)を付番できません。
ISRC付番動画はビルボードジャパンソングチャートの動画再生指標、また米ビルボードにおける米やグローバルチャートでのストリーミング指標にてカウント対象となります。テレビ局等、YouTubeで音楽パートナーと位置付けられていないチャンネルはISRCが付番できなかったのですが、コラボ元の動画を音楽パートナー側と位置付けられたチャンネルが投稿すれば音楽チャートにも反映されるようになるでしょう。
そうなると、noteにて徳力基彦さんが指摘されていた、『今後は音楽番組でのアーティストの出演動画も、どちらかにだけしかアップできないのではなく両方にアップすることができるように』という点が叶うようになります。これで日本のメディアがテレビパフォーマンス映像について積極的になることを願うばかり。特に『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)がコラボレーション投稿機能をどう活用するか、気になるところです。
YouTubeコラボレーション機能について、noteプロデューサー/ブロガーの徳力基彦さんが紹介されています。
— Kei (ブログ【イマオト】/ポッドキャスト/ラジオ『imaoto on the Radio』) (@Kei_radio) 2025年10月9日
ふと思ったのですが、他メディアの厳しい目線に伴いYouTube活動に制約の多いNHKが、#NHK紅白 にてコラボ機能を使用すれば好いのではと。コラボならば時限にする必要性も薄れるはずです。 https://t.co/Hcx7E0xSf7
さて、徳力基彦さんによるnoteには気になることが記されています。
米津玄師さんと宇多田ヒカルさんの共演曲、「JANE DOE」のミュージックビデオはYouTubeにて両者のコラボレーション投稿扱いとなっているのですが、この動画の再生回数は米津さんおよび宇多田さん双方の再生回数としてカウントされる模様であることを、徳力さんは指摘されています。
少なくとも「JANE DOE」に関しては、米津玄師さんと宇多田ヒカルさん両方のMVの再生回数としてカウントされてるっぽいんですよね。
・米津玄師さんが宇多田ヒカルさんとの「JANE DOE」で、早速YouTubeのコラボレーション機能を使いこなしている模様|徳力基彦(tokuriki)(10月10日付)より
コラボレーション投稿動画の再生回数が按分されずに各歌手に反映されるならば尚の事、この機能を使った投稿は一気に増えていくかもしれません。
そのことを知り、音楽チャートを分析する者としてビルボードジャパンへの疑問が強くなっています。
ビルボードジャパンはソングチャートとアルバムチャートを合算したトップアーティストチャート(Artist 100)において、共演曲についてはその名義にてクレジットするというチャートポリシー(集計方法)を採用しているのです。
(10月8日公開分ビルボードジャパントップアーティストチャート、総合10位までにおける指標構成を示したCHART insightを上記に。こちらは有料会員が確認可能なもので、20位未満の指標順位も明示されています。なお、ビルボードジャパンでは有料会員が知り得る情報の掲載を許可しています。)
(中略)
米津玄師さんが2位をキープ。「IRIS OUT」の3連覇が大きく貢献し、構成6指標はすべて2週連続でトップ10入りを果たしています。他方、”米津玄師, 宇多田ヒカル”名義では7→6位に浮上。ビルボードジャパンは米ビルボードと異なり、共演については各自ではなく共演名義にてトップアーティストチャートにランクインするシステムを採っているため、米ビルボード方式だったならば米津玄師さんが首位に立ったかもしれません。
ビルボードジャパンのトップアーティストチャートにおける”共演曲は単独版と別扱い”という計算方法は違うのではないかと感じています。たとえば引用部分でも述べているように、米ビルボードによるトップアーティストチャートは共演名義でのクレジットがありません。
This week's top 5 on the #Artist100 (chart dated Oct. 11, 2025). pic.twitter.com/zu5HEBJvB6
— billboard charts (@billboardcharts) 2025年10月7日
(米ビルボードのトップアーティストチャートについて、詳細な順位はBillboard Artist 100 | Top Music Artistsをご参照ください。なお、『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ (原題:Kpop Demon Hunters)』サウンドトラックに登場するHUNTR/Xやサジャ・ボーイズについては、映画の歌唱キャストが併記されています。)
米ビルボードによる計算方法は、サブスクサービスのSpotifyでも同様です。こちらにて最新の週間トップアーティストチャートを確認できますが(ログインが必要)、”米津玄師, 宇多田ヒカル”等の共演名義は含まれていません。そして今回(あらためて)YouTubeにおけるカウント方法も判明した以上、ビルボードジャパンが海外チャートやグローバルサービスの基準と合っていないのではという疑問をあらためて抱くようになっています。
米津玄師さんはビルボードジャパントップアーティストチャートで直近3週において2位をキープしていますが、宇多田ヒカルさんとの共同名義が7→6位と推移していることを考えるに、ビルボードジャパンが米ビルボード等の計算方法を採用していたならば米津さんがこの2週は歌手別チャートで首位に立ったと捉えていいでしょう。ビルボードジャパンにはそのような仮説も踏まえた上で、計算方法の再検討を願います。


