現地時間の2月2日に開催された第67回グラミー賞。その結果についてはビルボードジャパンが記事にてまとめられています。
【第67回グラミー賞授賞式(R)】全受賞アーティスト&作品リスト https://t.co/puiUndS6Mz
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年2月3日
今回の結果は米における最新2月3日付Spotifyデイリーチャートにて表れており、次週2月15日付米ビルボード各種チャート(日本時間の2月11日に発表)にも影響を及ぼすとみられます。そして多くの歌手が受賞を機に、もしくは受賞とは関係なくともグラミー賞をきっかけに、音楽チャートでの飛躍を目指していることを強く感じています。
グラミー賞でブルーノ・マーズとの「Die With A Smile」が最優秀ポップ・パフォーマンス(デュオ/グループ)賞を制したレディー・ガガは、来月リリースのアルバム『Mayhem』に収録される「Abracadabra」を同賞のCM内で初解禁した後にリリース。2月3日付米Spotifyデイリーチャートでは8位に初登場を果たしています。
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— Lady Gaga Japan (@GAGA_JAPAN) 2025年2月4日
⚡️#レディー・ガガ ⚡️#GRAMMYs のCM中に
新曲「Abracadabra」
を電撃リリース❗️
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「“Dance or Die(踊るか、死ぬか)”」と呼びかけるところから始まり、ガガが40人のダンサーと繰り広げる壮大なミュージック・ビデオは必見です!
🎬: https://t.co/emSw1fSB2n
🎧:https://t.co/g1R2ch8vf1 pic.twitter.com/qN5NjUVHTg
新曲リリースはドーチーも同様。『Alligator Bites Never Heal』が最優秀ラップ・アルバム賞に輝いたドーチーは、受賞の翌日に新曲「Nosebleeds」を配信。同曲は2月3日付米Spotifyデイリーチャートで200位以内にランクインしていないものの、アルバム収録曲は3曲がエントリーし、いずれも最高位を更新しています(「Denial Is A River」が36→7位、「Nissan Altima」が188→47位に、また「Catfish」が101位に初登場)。
米では金曜リリースが主流であり、金曜集計開始のビルボードジャパンソングチャートでは初登場時に1週間分がフル加算となります。ゆえに日曜開催のグラミー賞に合わせたリリースは初週のチャートアクションが不利になりかねないのですが、それでもリリースタイミングを合わせることからはこの音楽賞の大きさや重要性を感じずにいられません。
主要部門では受賞を逃したものの、ポップ部門でふたつのグラミー賞を獲得したサブリナ・カーペンターは、2月14日にアルバムのデラックスエディションをリリースすることを日本時間の本日発信。ヒット曲「Please Please Please」ではカントリー界の大御所であるドリー・パートンが参加するとアナウンスしています。下記はグラミー賞後初のポストであり、その内容からもリリースをグラミー賞と紐付けていることが解ります。
as a thank you for giving this album 2 Grammy’s :’)
— Sabrina Carpenter (@SabrinaAnnLynn) 2025年2月4日
short n’ sweet deluxe is now available for pre order.. out February 14th!
and yes that does say featuring Miss Dolly Parton…. 💋💋💋she wouldn’t want me to swear but holy shit!!!!!https://t.co/eazkwkJzcI pic.twitter.com/2Vc3u6sb9s
そのグラミー賞では、米ビルボードによるオールタイムソングチャートで首位に立った「Blinding Lights」の冷遇を受けてザ・ウィークエンドがボイコットしていましたが、今回の授賞式ではそのザ・ウィークエンドが突如登場。関係修復が謳われたのみならず、ザ・ウィークエンドは2日前にリリースしたニューアルバム『Hurry Up Tomorrow』から「Timeless」を披露。グラミー賞はアルバム訴求の場に成っているといえます。
【第67回グラミー賞授賞式(R)】ザ・ウィークエンドのサプライズ登場に会場騒然 グラミー側との関係回復に一歩前進か https://t.co/MEt8JJfzPJ
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2025年2月3日
ザ・ウィークエンドのグラミー賞との和解を歌手側にとっての施策とも捉えることは、ともすれば捻くれと揶揄されるかもしれません。しかしながら来年のグラミー賞においてザ・ウィークエンドが作品を自薦するかどうかを見極めない限り、今回のサプライズ登場が施策ではないと断定することはできないでしょう。
歌手側がグラミー賞を宣伝や音楽チャート施策としても用いていることが、新曲のサプライズリリースやデラックスエディション発表等からみえてきます。これをマイナスイメージに捉える方がいらっしゃるかもしれませんが、毎週米ソングチャートを追いかける者としては海外歌手の音楽チャートへのこだわりや積極性の一環だと捉えています。日本の歌手が世界を目指す際、このこだわりは持つべきだというのが自分の見方です。