イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

(追記あり) 日本版グラミー賞があったならば…2024年度版主要5部門を想像する (コラボスペース開催のお知らせ)

(※追記(1月13日18時38分):音楽インフルエンサーのRYOさんによるノミネーションを掲載したリンクを貼付しています。)

 

 

 

ここ数年の恒例となっている、日本版グラミー賞を仮定しノミネーションを考える企画。本日は2024年度分のノミネーションを掲載します。2023年度版は下記リンク先をご参照ください。

2021年度以降、ブログ【ただの音楽ファンが見る音楽業界】および【ONCAN】のRYO@音楽インフルエンサーさんとコラボスペースを開催し、その際に互いの受賞作品を決定してきました。今回も1月22日水曜20~22時にて生配信をX上で開催しますので、是非お聴きください。

RYOさんによる主要部門ノミネーションはこちら。

 

では、自分の選出内容を以下に記載します。なお前回から、米グラミー賞にはない最優秀アーティスト賞も設けています。

 

<日本版グラミー賞 ノミネーション一覧>

 

 

日本版グラミー賞 主要部門ノミネーションについて

・対象:2023年12月~2024年11月発表の作品/歌手。

  ただしそれ以前の発表ながら、対象期間にヒットしたものも含みます。

  (米グラミー賞は2023年9月16日~2024年8月30日発表分が対象。)

・新人賞(Best New Artist)について:

  基本的に、メジャーデビューしてからアルバム1枚以上リリースした歌手が対象。

  (しかしながらその限りではありません。)

・米グラミー賞との違い:

  米グラミー賞では2024年開催分から、最優秀プロデューサー賞(ノンクラシカル)および最優秀ソングライター賞(ノンクラシカル)を主要部分に含めていますが、日本版グラミー賞では対象外としています。

・最優秀アーティスト賞について:

  米グラミー賞にはないもののアメリカン・ミュージック・アワードで設けられている最優秀アーティスト賞を用意しています。

セレクトは昨日までに完了しました。また米グラミー賞は昨年度より主要部門のノミネーションを10→8作品(8組)に変更しており、日本版グラミー賞でも同様にノミネート枠を8作品(8組)としています。

 

主要5部門 ノミネーション一覧

Record Of The Year (最優秀レコード賞)

・ILLIT「Magnetic」

・Omoinotake「幾億光年」

Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」

・こっちのけんと「はいよろこんで」

・tuki.「晩餐歌」

Mrs. GREEN APPLEライラック

・米津玄師「さよーならまたいつか!」

・ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」

2024年度のビルボードジャパン年間ソングチャートを最大の選出基準としています。

一方でこのチャートはストリーミングのウエイトが大きく、ロングヒットしやすい傾向にあります。ゆえに集計期間後半にリリースされた作品はヒットしても年間順位が高くないため、それら作品は勢いの大きさを踏まえ選出しています。

なお、以前はこの部門の選考基準として『ミュージックステーション』(テレビ朝日)における"今年の1曲ランキング"も参照していたのですが、2021年以降は同企画が行われていません。実際にどのような曲が広く浸透しているかがよく解るランキングだっただけに、企画が中止して数年経つものの復活を強く希望しています。

 

Song Of The Year (最優秀楽曲賞)

aiko「相思相愛」

宇多田ヒカル「Electricity」

Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」

・こっちのけんと「はいよろこんで」

・藤井風「満ちてゆく」

・星街すいせい「ビビデバ」

Mrs. GREEN APPLEライラック

・米津玄師「さよーならまたいつか!」

2024年度を代表する作品を中心に選出。特にビルボードジャパンのカラオケ指標や、その指標のデータ元となるDAMおよびJOYSOUNDの年間チャートを注目しています。DAMおよびJOYSOUNDの年間チャートにおける2024年発売曲部門については、下記エントリーにて紹介しています。

ノミネート曲の中にはビルボードジャパンのソングチャートにて大ヒットしたとは言い難い曲、またアルバム収録曲もありますが、たとえば米グラミー賞でもヒットとは別に(というと語弊があるかもしれませんが)業界内で注目される歌手が選出される傾向があり、またそのノミネートを機に注目されることもあるため、それら作品についても選出しています。

 

Album Of The Year (最優秀アルバム賞)

XG『AWE』

Official髭男dism『Rejoice』

ZAZEN BOYS『らんど』

・柴田聡子『Your Favorite Things』

・長谷川白紙『魔法学校』

BUMP OF CHICKEN『Iris』

・羊文学『12 hugs (like butterflies)』

・米津玄師『LOST CORNER』

ビルボードジャパンによる2024年度年間アルバムチャートを上記に。以前はこの中で上位に登場した作品も選んできましたが、一方でこのチャートは2025年度に入りストリーミング指標を新たに導入しています。

このリニューアルに伴い、今後は聴かれ続けている、内容面で支持されている作品が順位を上げていくものと考えます。チャートポリシー(集計方法)変更は2025年度になってからですが、今回はその変更を考慮した上で、音楽チャート面以上に音楽関係者の間で評判が高い作品を選出しています。

なお、以前から述べていることですが、音楽雑誌にて年間ベストアルバム企画が行われながらも、たとえば順位だけでもネットで紹介されない状況が続いているのは残念です。日本レコード大賞にもアルバム部門がないゆえ尚の事、ネットを介してより多くの方にアルバムの魅力を伝え、きちんと評価することが必要でしょう。海外にはAOTYのようなサイトもあり(→こちら)、この日本版が生まれてほしいと切に願います。

 

Best New Artist (最優秀新人賞)

・ILLIT

・Aぇ! group

・CUTIE STREET

・こっちのけんと

・tuki.

友成

・Number_i

・乃紫

ビルボードジャパン年間チャートのうち、ソングチャートとアルバムチャートを合算したトップアーティストチャート(Artist 100)をベースに選出。一方で、週間チャート単位で顕著な成績を収めた歌手やSNSで話題となった曲を輩出した方も考慮しています。

 

Artist Of The Year (最優秀アーティスト賞)

・Ado

Official髭男dism

Creepy Nuts

・Number_i

・Vaundy

・back number

Mrs. GREEN APPLE

・米津玄師

グラミー賞にはないもののアメリカン・ミュージック・アワードにて用意されている賞を今年も用意。この一年で特筆すべき活躍をみせた歌手を選出します。特にビルボードジャパンのトップアーティストチャート、その中でもアルバムやEPをリリースした歌手をより重視し、選んでいます。

 

 

これら5部門を踏まえ、22日水曜午後8時から開催するRYO@音楽インフルエンサーさんとのコラボスペースにて、各部門の受賞作品(歌手)を決定していきます。

 

 

おわりに

さて、昨年のノミネーション発表時にはこのような内容を記載しました。

最後に、この日本版グラミー賞を想像する理由をあらためて記します。

音楽業界には日本版グラミー賞的な権威ある賞の創設が必要です。世界にアピールできる賞が見当たらず、また最も知名度の高い日本レコード大賞への疑問が毎年噴出する一方で(それを指摘する方が多くとも)積極的に改善を促す、またはより大きくフェアな賞を創るという前向きな動きがほぼみられないことに疑問を抱いています。"アワード"を副題とする日本テレビの年末特番においても、違和感を抱いています。

ならばこのブログが積極的になって各音楽賞に対し働きかけること、そして日本を代表する音楽賞を創設することは必要だとして、このような仮想賞を設けています。加えて、日本で最も社会的ヒット曲の鑑であるビルボードジャパンのソングチャートが広まることも願っています(一方でアルバムチャートにおいてはストリーミング指標を導入することも希望しています)。

その後、日本の音楽業界に新たな動きがありました

昨年秋、日本に新たな音楽賞【MUSIC AWARDS JAPAN】が創設されることが発表されました。『第75回NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか 2024年12月31日放送)にてこの賞がNHK総合にて放送されることが発表されたこともあり尚の事、新たな音楽賞の認知度そして注目度は高まったものと考えます(そして同時に運営側は身が引き締まったのではないでしょうか)。

 

MUSIC AWARDS JAPANの成功を願いつつ、そのような音楽賞の創設を願い続けた者としていち早くはじめたこの企画を今年も実施しますので、よろしくお願いいたします。