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【海外ビルボード】マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」が米で通算16週目の首位達成

現地時間の12月16日月曜に発表された、最新12月21日付米ビルボードソングチャート(集計期間:12月6~12日)。マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」が2週連続、通算16週目の首位を獲得しています。

1994年のアルバム『Merry Christmas』に収録されたマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は、ストリーミングの興隆に合わせ、またサブスクサービスのプレイリストにてクリスマス関連曲が大きく採り上げられていくことに伴い、2017年のクリスマスシーズンに初めてトップ10入り、翌年初のトップ5入りを果たし、2019年のシーズンに初めて首位を獲得。同年3週、2020年に2週、2021年に3週、2022年に4週および2023年に2週首位を獲得しています。

(※記事とは異なりますが、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」のヒットの変遷については【ビルボードコラム】チャートの変革が社会的ヒットを可視化…マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」(2021年11月22日付)にて紹介しています。)

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はストリーミングが前週比12%アップの4770万(同指標通算20週目の首位)、ダウンロードが同83%アップの6,000(同指標4位)およびラジオが同5%アップの2570万(同指標17位)を記録しています。

ダウンロードの伸長は、集計期間初日にあたる12月6日に、リリース30周年を記念した7インチおよび12インチのレコード、カセットテープおよびCDといったフィジカルシングルがリリースされたことに伴います。

ストリーミングは通算20週目の首位となり、この指標が2013年にスタートして以降ではリル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」と並び、最長タイを記録しています。

 

1958年8月4日付でスタートした米ビルボードソングチャートではこれまで1,176曲の首位曲が誕生していますが、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は歴代3位タイとなる16週目の首位を達成。上位7曲はいずれも米ビルボードが電子モニターによるルミネイト社のデータを採用した1991年11月以降に達成しており、この採用に伴い以前よりも長く首位を獲得することが一般的となっています。

<米ビルボードソングスチャート 週間首位獲得週数上位曲>

・19週 シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」(2024)

・19週 リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」(2019)

・16週 マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」(2019-2024)

・16週 モーガン・ウォレン「Last Night」(2023)

・16週 ルイス・フォンシ & ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」(2017)

・16週 マライア・キャリーボーイズIIメン「One Sweet Day」(1995-1996)

・15週 ハリー・スタイルズ「As It Was」(2022)

・14週 マーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk!」(2015)

・14週 ブラック・アイド・ピーズ「I Gotta Feeling」(2009)

・14週 マライア・キャリー「We Belong Together」(2005)

・14週 エルトン・ジョン「Candle In The Wind 1997」「Something About The Way You Look Tonight」(1997-1998)

・14週 ロス・デル・リオ「Macarena (Bayside Boys Mix)」(1996)

・14週 ボーイズIIメン「I'll Make Love To You」(1994)

・14週 ホイットニー・ヒューストン「I Will Always Love You」(1992)

14週以上首位を記録した曲において、マライア・キャリーは唯一3曲を送り込んでいます。女性歌手では最長となる16週首位記録曲を2曲保有し、また「We Belong Together」は女性歌手において史上3位タイの長期首位記録曲となります。

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は米ビルボードソングチャートにおいて首位を獲得したクリスマス関連曲では最長となる16週目の首位に。デヴィッド・セヴィル & ザ・チップマンクス「The Chipmunk Song」(1958年12月以降4週首位)、ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」(2023年12月以降 3週首位)が続いています。

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は最初の首位獲得から今回に至るまでの期間がちょうど5年に(2019年12月21日付-2024年12月21日付)。楽曲単位での最長期間を更新しています。

また歌手として、マライア・キャリーは1990年8月4日付にて「Vision Of Love」がキャリア初となる首位を獲得してから今回に至るまでの期間が34年4ヶ月と3週に。これはブレンダ・リーに次ぐ記録となります(「I'm Sorry」(1960年7月18日付)から「Rockin' Around The Christmas Tree」(2024年1月6日付)までの63年5ヶ月と3週)。

 

マライア・キャリーは今回の首位獲得により、首位在籍記録が通算95週に。自身の持つ最長首位獲得週数記録を更新しています。

<米ビルボードソングチャート 歴代首位獲得週数記録>

95週 マライア・キャリー

60週 リアーナ

59週 ザ・ビートルズ

56週 ドレイク

50週 ボーイズIIメン

「All I Want For Christmas Is You」はマライア・キャリーにとって19曲目となる首位獲得作品であり、ソロでは最多に。歴代最高はザ・ビートルズの20曲となります。また4つのディケイドで首位を獲得した最初の歌手となります(1990~2020年代)。

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は、2011年に開始したクリスマス関連曲のチャートであるHoliday 100でも首位に立ち、同チャート71週のうち63週において首位に。また「All I Want For Christmas Is You」はHoliday 100のランクイン曲のみで構成されるGreatest Of All Time Holiday 100 Songsでも首位を記録しています。

 

 

当週はクリスマス関連曲がトップ5を占め、ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」がマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」に続いています。

1958年リリースの「Rockin' Around The Christmas Tree」は通算13週目の2位となり、2位獲得時はいずれも「All I Want For Christmas Is You」の後塵を拝する形となっていますが、1位「All I Want For Christmas Is You」および2位「Rockin' Around The Christmas Tree」という組み合わせでの13週という記録は歴代最長となります(なお2023年のクリスマスシーズンには述べ3週に渡り順番が逆転しています)。

<米ビルボードソングチャート 1位および2位の組み合わせにおける在籍記録>

・13週 マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」/ ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」(2019-2024)

・11週 シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」/ ポスト・マローン feat. モーガン・ウォレン「I Had Some Help」(2024)

・11週 マライア・キャリーボーイズIIメン「One Sweet Day」/ ホイットニー・ヒューストン「Exhale (Shoop Shoop)」(1995-1996)

・10週 エミネム「Lose Yourself」/ ミッシー・エリオット「Work It」(2002-2003) (※)

・9週 リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」/ ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」(2019)

・9週 アデル「Hello」/ ジャスティン・ビーバー「Sorry」(2015-2016)

・9週 ロス・デル・リオ「Macarena (Bayside Boys Mix)」/ ドナ・ルイス「I Love You Always Forever」(1996) (※)

・9週 オリヴィア・ニュートン=ジョン「Physical」/ フォリナー「Waiting For A Girl Like You」(1981-1982) (※)

 

※印の曲は首位を獲得していません。

 

6位から10位はクリスマス関連曲以外の作品が並び、ケンドリック・ラマーは当週も『GNX』から3曲がトップ10入り。これによりケンドリックはサブリナ・カーペンター(9-10月 8週)に続き、今年において3曲以上を3週以上トップ10入りさせた2組目の歌手となりました。なお男性歌手においては2018年7月におけるドレイク(3曲以上3週)以来となります。

 

シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」は8→9位に後退。ラジオにおいては前週比3%ダウンの6290万を記録し、同指標通算20週目の首位に。1990年以降において、ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(2020 26週)に次ぐ歴代2位の記録を達成しています。

「A Bar Song (Tipsy)」は総合ソングチャートと集計方法を同一とするホットカントリーソングチャートにおいて、通算26週目の首位に。モーガン・ウォレン「Last Night」(2023)を上回り、男性歌手では2020年代の最長記録を達成しています(2020年代での女性歌手による最長記録はギャビー・バレット「I Hope」の27週)。ホットカントリーソングチャートが始まった1958年以降、「A Bar Song (Tipsy)」の首位獲得週数はは歴代4位となっています。

 

最新のトップ10はこちら。

1位 (1位) マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」

2位 (2位) ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」

3位 (5位) ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」

4位 (3位) ワム!Last Christmas

5位 (10位) バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」

6位 (9位) レディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」

7位 (6位) ケンドリック・ラマー & シザ「Luther」

8位 (4位) ケンドリック・ラマー feat. レフティ・ガンプレイ「TV Off」

9位 (8位) シャブージー「A Bar Song (Tipsy)」

10位 (7位) ケンドリック・ラマー「Squabble Up」

 

 

続いてグローバルチャートを紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。12月21日付ではGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除くGlobal Excl. U.S.の双方にて、ロゼ (ROSÉ) & ブルーノ・マーズ「APT.」が初登場から8連覇を達成しています。

ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」はGlobal 200においてストリーミングが前週比1%ダウンの1億4770万およびダウンロードが同4%アップの18,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比2%ダウンの1億2990万およびストリーミングが同3%ダウンの12,000を、それぞれ記録しています。

「APT.」はGlobal 200において、今年の週間ストリーミング再生回数9位までのうち8つを占めています。

<Global 200 2024年におけるストリーミング週間再生回数上位9曲>

・2億2450万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(11月2日付)

・2億750万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(11月9日付)

・1億7680万 テイラー・スウィフト feat. ポスト・マローン「Fortnight」(5月4日付)

・1億6220万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(11月16日付)

・1億6060万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(12月7日付)

・1億4990万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(12月14日付)

・1億4770万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(12月21日付)

・1億4640万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(11月23日付)

・1億3270万 ロゼ & ブルーノ・マーズ「APT.」(11月30日付)

 

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」がGlobal 200で2位、Global Excl. U.S.では3位をキープ。Global 200においてはこれまで歴代最長となる通算18週の首位を記録しています(2020年および2021年のクリスマスシーズンに各4週、2022年および2023年は各5週)。なお3位をキープしたGlobal Excl. U.S.においては歴代最長タイとなる通算13週の首位を獲得しています。

 

Global 200において、レディー・ガガブルーノ・マーズ「Die With A Smile」は3→4位に後退。ストリーミングは前週比5%アップの1億2060万を記録、15週連続で1億回超えを達成し同チャートにおける最長記録を自ら更新しています。なおGlobal Excl. U.S.では2位をキープしています。

 

ロゼ「Toxic Till The End」がGlobal Excl. U.S.で6位に初登場。ストリーミング5040万、ダウンロード4,000を記録しています。BLACKPINKのメンバーによるソロ曲として、ロゼはこのチャート3曲目のトップ10入り。他のメンバーにおいて、JENNIEおよびLISAは4曲、JISOOは1曲トップ10入りを果たしています。