現地時間の12月18日月曜に発表された、最新12月23日付米ビルボードソングチャート(集計期間12月8~14日)。前週まで2連覇を記録していたブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」は2位へ後退、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」が今シーズン初、通算13週目の首位を獲得しました。
.@MariahCarey’s ‘All I Want for Christmas Is You’ Jingles Back to No. 1 on Billboard #Hot100 https://t.co/j42UutTdkg
— billboard (@billboard) 2023年12月18日
マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は当初、アルバム『Merry Christmas』(1994)に収録。ストリーミングの興隆、またストリーミングでのプレイリスト人気に伴いクリスマス関連曲が伸びたことで同曲は2017年12月に初のトップ10入り、翌年にはトップ5入りを果たし、2019年のクリスマスシーズンに初の首位を獲得。2019年のクリスマスシーズンに3週、以降2週、3週、4週と首位を獲得していました。
今回、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はストリーミングが前週比10%アップの4220万(同指標2位)、ダウンロードが同68%アップの8,000(同指標3位)、ラジオは同8%アップの2610万(同指標22位)を記録。ストリーミングにおいては集計期間初日に"Festive Lambs Edition"動画を公開したこと(音源はオリジナルバージョンを使用)、またダウンロードにおいては69セント(0.69ドル)の安価販売を実施したことが功を奏した形です。なおダウンロードでは他のクリスマス関連曲も同様に、安価販売の対象となっています。なおマライアは現在クリスマスツアー("Merry Christmas One And All!"ツアー)を開催、12月9日にはニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンにてライブを行っています。
マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は米ビルボードソングチャートにおいて首位を獲得したクリスマス関連曲では最長となる13週目の首位に。デヴィッド・セヴィル & ザ・チップマンクス「The Chipmunk Song」(1958年12月以降4週首位)、ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」(2023年12月 2週首位)が続いています。2023年のクリスマスシーズンは初めて、複数のクリスマス関連曲がチャートを制しています。
「All I Want For Christmas Is You」は史上初となる5年に渡っての首位獲得(2019~2023)。1960年および1962年に首位を記録したチャビー・チェッカー「The Twist」が初の複数年首位獲得曲(年をまたぐ形ではないパターンでの)であり、「All I Want For Christmas Is You」の登場までは「The Twist」が唯一の作品となっていました。
「All I Want For Christmas Is You」は2019年のクリスマスシーズンに3週連続、2020年には2週ながら非連続で、2021年は3週連続、2022年は4週連続で首位を獲得しており、今回の首位到達は六度目の返り咲きとなります。五度の返り咲きを記録したハリー・スタイルズ「As It Was」(2022)およびモーガン・ウォレン「Last Night」を上回り、返り咲き回数における最高記録を更新しました。
「All I Want For Christmas Is You」は当週が63週目のエントリー。63週目における首位到達はグラス・アニマルズ「Heat Waves」に並ぶ記録となりました。「Heat Waves」は登場59週目となる2022年3月に初の首位を獲得し、5週連続で(登場63週目まで)首位の座をキープ。最終的には91週に渡りソングチャートに在籍していました。
マライア・キャリーによる13週以上の首位獲得は今回が3曲目。これはボーイズIIメンと並ぶ最多であり、両者は「One Sweet Day」(1995-1996 16週)で共演しています。なおマライア・キャリーは「We Belong Together」(2005 14週)および今回の「All I Want For Christmas Is You」(2019-2023 13週)が、ボーイズIIメンは「I'll Make Love To You」(1994 14週)および「End Of The Road」(1992 13週)が、13週以上の首位獲得曲となります。
マライア・キャリーは今回の首位獲得により、首位在籍記録が通算92週に。自身の持つ最長首位獲得週数記録を更新しています。
<米ビルボードソングチャート 歴代首位獲得週数記録>
92週 マライア・キャリー
60週 リアーナ
59週 ザ・ビートルズ
56週 ドレイク
50週 ボーイズIIメン
47週 アッシャー
43週 ビヨンセ
37週 マイケル・ジャクソン
34週 アデル
34週 エルトン・ジョン
34週 ブルーノ・マーズ
34週 テイラー・スウィフト
マライア・キャリーの首位獲得は19曲であり、これはザ・ビートルズの20曲に次ぐ歴代2位の記録に。またマライアは1990年8月に「Vision Of Love」が初めてチャートを制して以降、4つの年代で首位を獲得しています。
マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は、2011年に開始したクリスマス関連曲のチャートであるHoliday 100でも首位に返り咲き、同チャート66週のうち59週において首位に。このチャートは総合ソングチャートと計算方法が同一となります。また「All I Want For Christmas Is You」はHoliday 100のランクイン曲のみで構成されるGreatest Of All Time Holiday 100 Songsでも首位を記録しています。
ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」は2位に後退。ストリーミングは前週比3%アップの4240万を記録し、同指標4週目の首位を獲得しました。またダウンロードを制したのはジャック・ハーロウ「Lovin On Me」で、同指標8,000を記録しジャックにとって4曲目の同指標制覇となりました。「Lovin On Me」はクリスマス関連曲以外では最高位となる総合6位を記録しています。
アンディ・ウィリアムス「It's The Most Wonderful Time Of The Year」は8→7位へ上昇。アンディはキャリア初のトップ10ヒット(「Lonely Street」が1959年10月に記録)から今回までの記録が64年2ヶ月と2週に伸び、自身の持つ最長記録を更新しています。
ザ・ロネッツ「Sleigh Ride」が14→8位へ上昇し、同曲最高位を更新。ストリーミングは前週比16%アップの2370万を記録しています。この曲がリリースされた1963年、ザ・ロネッツは当時唯一となるトップ10ヒット、「Be My Baby」(2位)を輩出しました。「Sleigh Ride」は2021年のクリスマスシーズンに10位を記録し、同曲初のトップ10入りを果たしています(なおこのトップ10入りの直後に、リードボーカルを務めたロニー・スペクターが亡くなりました)。ザ・ロネッツはキャリア初となるトップ10入りから今回までの期間が60年と3ヶ月になり、グループにおける最長記録を達成しました(クリスマス関連曲を除けば、ザ・ビートルズの59年9ヶ月と3週が最長記録となります(「I Want To Hold Your Hand」(1964)から「Now And Then」(2023)まで))。
テイト・マクレー「Greedy」が16→9位に再浮上。最高7位を記録していたこの曲は、最新の米ビルボードアルバムチャートにて『Think Later』が4位に初登場しており(同作品がテイトにとって初のアルバムチャートトップ10入り)、「Greedy」も再浮上した形です。
ディーン・マーティン「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」(1959年リリース)が12→10位へ上昇。ストリーミングは前週比5%アップの2230万を記録しています。同曲は2020年のクリスマスシーズンに最高8位を記録しており、ディーンにとってキャリア4曲目となるトップ10ヒットに。なお3曲のトップ10ヒットは1964年から翌年にかけて登場しています(「Everybody Loves Sunshine」(1週首位)、「The Door Is Still Open To My Heart」(6位)および「I Will」(10位))。
最新のトップ10はこちら。
This week's #Hot100 top 10 (chart dated Dec. 23, 2023).
— billboard charts (@billboardcharts) 2023年12月18日
[今週 (前週) 歌手名・曲名]
1位 (2位) マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」
2位 (1位) ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」
3位 (3位) ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」
4位 (4位) ワム!「Last Christmas」
5位 (6位) バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」
6位 (5位) ジャック・ハーロウ「Lovin On Me」
7位 (8位) アンディ・ウィリアムス「It's The Most Wonderful Time Of The Year」
8位 (14位) ザ・ロネッツ「Sleigh Ride」
9位 (16位) テイト・マクレー「Greedy」
10位 (12位) ディーン・マーティン「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」
米ビルボードが一昨年新設したグローバルチャートもチェック。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。12月23日付ではGlobal 200、およびGlobal 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.の双方でマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」が今シーズン3週連続の首位を獲得しています。
.@MariahCarey’s “All I Want for Christmas Is You” adds a record-breaking 16th week at No. 1 on the Billboard #Global200 chart https://t.co/Geb0m1EGud
— billboard (@billboard) 2023年12月18日
This week's #Global200 top 10 (chart dated Dec. 23, 2023)
— billboard charts (@billboardcharts) 2023年12月18日
This week's Global Excl. U.S. top 10 (chart dated Dec. 23, 2023)
— billboard charts (@billboardcharts) 2023年12月18日
マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はGlobal 200においてストリーミングが前週比1%アップの1億250万、ダウンロードが同32%アップの12,000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比4%ダウンの6480万、ダウンロードが同2%ダウンの5,000を、それぞれ記録しています。
「All I Want For Christmas Is You」はGlobal 200において通算16週目の首位に(2020年のクリスマスシーズンに4週、2021年に4週、2022年に5週、2023年に3週首位を獲得)。これにより「All I Want For Christmas Is You」はハリー・スタイルズ「As It Was」の15週を上回り、最長首位記録を更新しています。またGlobal Excl. U.S.においては、「All I Want For Christmas Is You」が11週目の首位となりました(2020年のクリスマスシーズンに1週、2021年に3週、2022年に4週、2023年に3週首位を獲得)。
Global Excl. U.S.ではシーア「Snowman」が8→5位に上昇し、同曲のみならずシーアにとっても初となるトップ5ヒットに。2017年リリースのこの曲はTikTokでバズが発生しており、ストリーミングは前週比2%アップの3400万、ダウンロードは同18%アップの2,000を、それぞれ記録しています。